SEの上司と部下が理想の関係を作るコツとは?
私達の生活は、様々な人との関係性によって成り立っています。家庭、学校、職場、公共機関など、一切の関わりを持たずに暮らしていくことは難しいでしょう。
中でもSEはチームワークが重要な職業であり、人間関係は仕事の根幹に関わるほどと言っても過言ではないでしょう。
チーム一丸となって目標に向かうためには、上司と部下の信頼関係が必要です。しかしだからと言って、お互いの立場の違いを考えれば、一朝一夕にどうにか出来るものでもありませんよね。
今回は、上司と部下が理想の関係を作るためにはどんなポイントに気を付けるべきなのか、それぞれの立場からいくつかのコツをご紹介しましょう。
上司が心がけるべきコツとは
まずは部下に対してどのように指導していくべきなのか、上司の目線から見ていきましょう。
「怒る」と「叱る」の違いを意識する
上司としての代表的な仕事と言えば、その一つに「部下への教育」がありますよね。仕事のやり方を教えるのはもちろん、社会人としての心構えを伝えるのも、上司の責務です。時にはミスをした部下に指導することも必要ですが、その時のやり方には注意が必要です。
それは、常に理性的であることを心がけること。
ロジカルな仕事をするSEという職種なのですから、感情的になればなるほど、仕事のクオリティはどんどん下がっていくばかりです。自分の感情をぶつける「怒り」ではなく、相手のためを思って「叱る」ようにすることを意識しましょう。
真摯に話を聞く
仕事を進める上で、一切の悩みを感じない人などなかなかいないことでしょう。それがどれほど深刻なものかは人それぞれで、一晩寝れば解決するようなものから、誰かの助けを借りなければどうにもならないものまで、千差万別です。
部下の信頼関係を得たいのなら、こうした悩みを持つ部下の話はしっかりと聞いてあげましょう。幸い、今はリモート全盛の時代になりつつあるので、そうしたミーティングも気軽に行えます。
自分に解決出来るだろうか、と不安になるかも知れませんが、人に話すだけでも楽になることもありますので、是非頑張ってみてください。
部下の指針になる姿を見せる
上司に必要なのは、仕事のスキルだけではありません。チームとしての結束の第一歩は、上司が持つカリスマ、リーダーシップにあると言っても過言ではないでしょう。
ではそれを実現するためには、どうすれば良いのか。
それは日常における、上司の仕事に対する姿勢にかかっています。セキュリティなどの規律をしっかりと守り、手早く真剣に仕事に取り組む姿勢を見せ、時には自らが犠牲になって部下を守る、そんな姿が求められます。
「あんな上司になりたい」と部下に思ってもらえるように、常に自分が見られていると意識した働きを見せてあげてください。
適切に評価する
部下のモチベーションを維持するために必要なのは、適切な評価です。仕事の成果、熱意、コミュニケーション能力など、どんなところでも構いませんので、逐一誉めてあげましょう。褒めて貰って嬉しくない人間などいませんので、その喜びがさらなる成果へと繋がり、上司との連帯感を高めることも出来ます。
適切な評価のためには、日々の姿を知らなければなりません。常にコミュケーションを怠らず、自分の部下がどんな努力をしているのかを理解し、「自分はあなたのことをしっかり見ているんだ」と伝えてあげましょう。
イエスマンにさせない
上司と部下の立場には明確な差がある以上、なかなか部下の方から不満や愚痴は言いづらいものですよね。ですが、トップダウンしか出来ない組織に発展性はなく、出来るなら部下からの進言、ボトムアップも出来る関係性になりたいものです。
それを実現するために必要なのは、部下をイエスマンにさせないことです。特にSEは、クライアントとの折衝も重要な仕事の一つであるため、無理な要件でも唯々諾々と頷いてしまうと、プロジェクトを炎上させることにも発展しかねません。
普段から上司相手に自分の意見を言う練習をさせ、発言力を鍛えてあげることで、本人にとっても会社にとっても有益な結果に繋がるのです。
部下が心がけるべきコツとは
理想の関係を築くためには、上司だけの努力では不可能です。部下の目線から見たポイントについても見ていきましょう。
教わったことは復習する
専門学校でプログラムを学んでいた人でも、SEとして即戦力になるのは困難です。机上で課題として組んでいたプログラムと、業界知識をベースとする業務システムの間には、思想レベルで大きな違いがあるため、満足にプログラムを組めるとは限らないのです。
そのため多くの新人は、上司にOJTで教えて貰いつつ仕事を進めることになるわけですが、重要なのは教わったその後です。
上司にとって、打てど響かない新人ほど厄介な相手はありません。何度言っても同じミスをするような部下は、やがて見放され、面倒を見てもらうことが出来なくなってしまいます。
教わったことは必ず復習し、次に同じ仕事を任された時に、胸を張って引き受けられるようにしておきましょう。
感謝を忘れない
上司にとって、部下の教育や面倒を見ることは仕事の一つであり、それ自体は企業としてごく普通のことでしかありません。
しかし、だからと言って部下がそれを当然のことと受け止めることは、大きな間違いです。上司は自分のために労力を割き、懇切丁寧に仕事のやり方を教えてくれ、時には自分のミスのために頭を下げてくれるのです。いずれ自分が同じ立場に立った時のことを考えれば、それがどれほど大変なことかなど、想像に難くありませんよね。
上司には常に感謝と敬意の気持ちを忘れないようにしましょう。
報連相を欠かさない
社会人の基本とは何か、と尋ねられた時、真っ先に出てくるものの一つが、「報告・連絡・相談」、すなわち「報連相」です。
何か問題が発生した時に、入社して間もない新人にはどう対処すべきかなんて判断のしようがありません。そのためすぐに上司に報告し、連絡し、相談することが求められるのです。
これは一般的な企業においても言えることですが、中でも綿密な事前準備のもと進めるSEにとっては、何より重要なことでしょう。たった一つの連絡漏れのために、プロジェクトが大炎上してしまうということも有り得るのです。
一人前になるまでは、報連相のルールは絶対に守り、上司との情報共有を欠かさないようにしてください。
上司と部下の垣根を越えるには
業務システムを作るためには、入念な準備と、それを可能とする緊密なチームワークが必要不可欠です。しかし、それを一朝一夕で為すことは難しく、上司と部下の立場という垣根を越えることは、並大抵のことでは出来ません。
信頼関係を作るためには、どうすれば良いのか。それを可能にするのは、日々の行動の積み重ねです。相手を尊重し、譲り合い、ともに高め合っていくことこそが、理想の関係を作り上げる唯一の方法なのです。