長時間残業の代名詞でもあったSE業界にも、最近ではプレミアムフライデーや、ノー残業デーなどの制度が導入され始めました。
福利厚生が充実した企業は着実にその数を増やしていますが、しかし、残念ながらそんな有難いところばかりではありません。「とにかく働け!」とでも言わんばかりのブラック企業はまだまだ残っています。
中には本当に辟易してしまう、頭を抱えてしまうようなやり方の企業もあるわけで……。
今回は、筆者の経験を元に、そんな驚きのトンデモ事例をご紹介しましょう。

会社近くに引っ越したら勤務時間が伸びた

納期が迫ると深夜残業続きになり、毎日の通勤が非常に辛くなってきますよね。特に片道1時間を越えるような人は、終電ギリギリまで働き、家に帰って寝るだけの生活を繰り返すことになるでしょう。
筆者の同僚はそんな毎日に嫌気が刺し、会社近くに引っ越しました。徒歩十分という立地で、これならまともな生活ができると思ってのことでしたが、結果は真逆。
徒歩圏内の立地になってしまったがために、終電という概念がなくなってしまったのです。日を跨いで働く回数が増えてしまい、同僚はその後すぐに退職することになりました。

納期は全て「なる早で」のみ

余裕を持って仕事を終わらせるためには、スケジューリングは何より大切なフェイズです。ですが上司の中には「予定なんて立てるだけ意味がない、全力でやればいいんだ」という前時代的な考えを持つ人が、一定数いるんです。
「なるべく早く」という納期では、仕事をする側のモチベーションは下がる一方ですよね。ゴールが見えないまま全力疾走を続けさせられ、息つく暇もない働き方を強制されることになります。

プレミアムフライデーの日は早朝残業

本来プレイミアムフライデーは、定時退社や時差勤務を推奨する制度です。
これを導入している企業は「福利厚生が充実している」という印象を強く持たせることができるため、無理やりにこの制度を組み込むため、早朝からの勤務を強制する企業がありました。
確かに帰宅は早くなりますが、勤務時間は一切変わっていないため、福利厚生とは無縁のやり方ですよね。むしろ朝が苦手な人や、遠くから通勤している人に負担を与えるだけの、迷惑な企業でした。

ノー残業デーは「ノー残業代デー」だった

これまで挙げた中でも最も厄介だったのが、この事例です。一週間の間で「残業をしない日」、すなわちノー残業デーを導入している企業がありましたが、社長の思い付きだったらしく、急な話に工数がどうしても足りなくなってしまったのです。
仕事は終わらないが、残業をすると上司に怒られてしまう。そんな板挟みの状況に追いやられたプロジェクトリーダーは、「残業はさせるが定時にタイムカードを切らせる」という最悪の方法を選びました。
派遣勤務だった筆者はその対象からは免れましたが、自社勤務の人たちにはたまったものではありません。その分の残業時間は別日に割り当てることになったそうですが、面倒を引き起こしただけの、無計画な制度でした。

氷山の一角

ブラック企業と呼ばれるような企業には、相応の理由があるのが分かって頂けたでしょうか。これらの事例はどれも耳を疑うものばかりですが、それでも氷山の一角に過ぎません。中にはそんな制度に苛まれ、うつ病になってしまう人もいるほどです。
企業の経営者の方々には、是非ともワークライフバランスについて、もう一度考えてみてもらいたいものです。

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