JavaやCOBOLなど、システム開発では、数々のプログラム言語が使われています。その中の一つ、MicroSoft社が提供する「.Net」は、オブジェクト指向でありながらシンプルかつ高機能で、しかも習得のしやすい言語として非常に高いシェアを誇っています。
ですがそんな.Netも、決して万能というわけではありません。過信しすぎると手痛いしっぺ返しを食らう可能性だってあるんです。
そんな事態を避けるために、今回はNetの意外と知られていない欠点について、そのいくつかをご紹介しましょう。

日本語と中国語の同時取得

グローバル化が進む現代、業務システムも多言語対応するよう求められるようになってきました。さすがに世界中のあらゆる言語に対応させるのは不可能ですが、日本との取引が多い英語と中国語くらいはカバーしておきたいところですよね。
ところが英語はともかく、日本語と中国語を同時に使用するのは困難です。「プログラム内で使える文字コードは1種類のみ」というWindowsの制約がその理由で、日本語での画面操作中に、中国語のファイルを取り込む、という処理ができないのです。

DataGridViewのヘッダ2段表示

VisualStudioでの開発において、取得データを画面に表示させたい場合に活躍するのが、「DataGridViewコントロール」です。
標準用意されているグリッドだけあって、直感的に使える便利なコントロールなのですが、何故かヘッダの段組みを設定するプロパティがありません。もしも2段以上ヘッダを用意したい時は、CellPaintingイベントを使って自前で描画することになります。
2段ヘッダというのはごくごく一般的な要件だと思うのですが……、なぜ標準プロパティに用意されていないのか、疑問は尽きませんね。

多次元配列の要素拡張

複雑なコーディングを行う時、多くの情報を格納できる「配列」は、なくてはならない存在です。欠点は「宣言時に定義した要素数までしか格納できない」という点ですが、「ReDim」を使えば再定義できるため、それほど困ることはありません。
ですが、「多次元配列」の場合は別です。実は「ReDim」で行える再定義は、配列の最後の要素しか対象にできないため、一次元配列以外で使おうとすると、途端に拡張性が低くなってしまうのです。
多次元配列は、要素数には最善の注意を払った上で使うようにしましょう。

ウインドウの表示順序制御2


現代のコンピューターの優れた点は、いくつものウインドウを同時に開き、多くのタスクを一度にこなせることにあります。ですがその反面、画面上に表示された情報が煩雑になってしまうのがネックですよね。
それを解消するために、「ウインドウの表示順序を制御したい」という要件はクライアントから良く出てくる課題の一つですが、意外なことに、これがなかなかの難題なのです。
何故なら、Windowsで行える各ウインドウへの操作は、基本的には「最小化」と「最大化」の2つのみで、細かい表示順序までは制御できません。
うっかり要件定義で含んでしまいやすいので、気を付けるようにしましょう。

知は力なり

ここまで挙げてきた問題は、筆者が実際に直面し、悩まされた事例ばかりです。もしも要件定義の段階でこれらの欠点を知っていたら、あれほど筆者が苦労することはなかったでしょう。
「知は力なり」という言葉があるように、事前に知識を得て置くことは、何にも勝る武器になります。いつかきっと役に立ちますので、これを機に今回の事例について、覚えておいてくださいね。

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