会社にはそれぞれの企業、業界のルールがあり、それを遵守するのは社員として当然のことですよね。
それらは崇高な目的を持って決められたルールではありますが、中には形骸化し、いくら何でもやりすぎだろうと思ってしまうルールも存在します。特にSEはシステマチックな業界ですので、そんな不満を持つ機会も多いのではないでしょうか。
筆者がこれまで感じた、いくつかのルールをご紹介します。
定期的なセキュリティミーティング
週一回、あるいは月一回などのペースでチームごとに集まり、セキュリティに関するルールの確認を行う……そんなミーティングを行うところは多いと思います。
例えば入館証は必ず身につけること、飲み会などの出席の際は自宅においてくることなど、会社のセキュリティやお客さんの情報を守るために、必須のルールですよね。
しかし、ルールそのものは正しくとも、このセキュリティを確認するミーティングに意味はあるのでしょうか。
毎回毎回、ルールの書かれた紙を読み上げるだけ。チーム内で発生したセキュリティ事故に言及するでもなく、対策を話し合うでもなく、ただ集まって決められたルールを遵守するだけと……。
筆者の参加していたミーティングも、形骸化していました。ただただ時間を浪費するだけのミーティングに、どれだけの価値があるのか。疑問を感じずにはいられませんでした。
入念すぎるプログラムテスト
これは特にSEならではの悩みですが、プログラムの開発後の入念すぎるテストは、ついつい「こんなにやらなくてもいいんじゃないか」と思ってしまいますよね。
あらゆるパターンに対応したテストを行うのは、責務ではありますが、時に明らかにやりすぎと思うテストもあります。
筆者が体験した中であまりに顕著だったのは、10個の項目のそれぞれに0~10の数字を入れ、全ての組み合わせでの結果の確認を指示されたテストでした。
11の10乗の組み合わせのテストですから、並大抵の量ではありません。どうやらそれは、上司が流れ作業のように何となく決めたテストだったらしく、「ちょっとこの量無理じゃないですか」と伝えたところすぐに納得してくれたので、事無きを得ました。
ちゃんと考えてテスト内容を決めている人ばかりではありません。あまりに無茶なテストを要求された場合は、きちんと訴え出るよう心構えをしておきましょう。
ガッチガチのインストール管理
様々な業務に対応するため、会社のパソコンにはいろいろなツールを入れますが、無制限にどんなツールでもインストールするわけにはいきません。
フリーソフトはもちろん、会社の配布する有償ツールをインストールする場合でも、厳しい管理を行っている企業もあります。セキュリティを重視することは大事なことですが、中には「厳しく管理する」ということに捕らわれ過ぎて、ひたすら不便なことになる場合もあります。
例えば筆者の場合、「エクセルをインストールするために必要な手続き書が、エクセルファイルで作られている」という意味不明な事態に直面したことがあります。
一体どうすれば良いというのか……結局そのチームの上司の方に手順書を印刷してもらって対応しましたが、ここまでの管理はいらないんじゃないかな、とさすがに思わされました。
流れ作業に意味はない
ここまで挙げた3つの事例には、”形骸化している”という共通点があります。
決まりを守ることを重視するあまり、実態の流れについて何も考えていない、思考の流れ作業というわけです。
自分がそう言った決まりを作る立場になったら、「実際に自分が行う」ことを考え、実施することに意義を持たせられるような、そんなルールを用意するよう心がけましょう。