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保守・運用エンジニアのメイン業務は、日々システムが安定稼働しているかどうかをチェックし、不具合が見つかった場合に対処することです。物理的な点検に始まりコマンドの実行等の業務を行いますが、そのほとんどはマニュアル化されたものです。

マニュアル化された業務を朝夜問わず行う、トラブルが起こると寝ていても休日でも呼び出される可能性がある、といった大変さがあります。保守・運用エンジニアは大変でなおかつシステムの安定稼働にとって重要な仕事なのですが、今後市場の状況が変わってくる可能性があります。

今回は、保守・運用エンジニアがキャリアアップを考えるべき理由について解説します。

保守・運用エンジニアのスキル

保守・運用エンジニアは、日々のルーティンワークをミスなくこなす能力が高いです。また、不規則な勤務体系でも業務をこなす能力があります。予期せぬトラブルなども発生するので、対応能力も高いでしょう。

他には、サーバー等物理的な機器に触れる機会は開発側のエンジニアよりも多いので、ハードウェアに関する知識は平均的に開発エンジニアを上回っています。インフラエンジニアほどではないものの、保守・運用エンジニアは開発環境を整える力があります。

システムの今後の保守・運用

技術の進歩とともに、サーバーやその他大型機器は小型化されています。数十年前の大型機器複数台の容量を今はチップ一枚で満たしています。このように、年々機器が小型化されています。

またクラウド化の概念はすでに一般化していますが、これは物理的な機器を仮想空間として分割利用する技術です。物理的な機器一つで容量が大きいからこそ成せる技術です。つまり、年々物理的な機器のサイズが小さくなり、なおかつクラウド化によって数も減っているのです。

そうすることによって、システムの保守・運用は物理的にもソフトウェア的にも簡易化されていきます。パソコンのモニター一つでほとんどのシステムを運用できる時代になっており、人間が人海戦術的に頑張る必要がなくなっています。

さらにAI化により、日々のチェック、メンテナンスはもちろんのこと、不具合対応も機械化されてきています。従来までの保守・運用スキルの見せ場は確実に減っていくため、保守・運用エンジニアはキャリアアップを求められるということです。

もちろん今までやってきたことが完全に無意味になるというわけではなく、ITスキルを始め、ミスなく業務をこなす能力や問題解決能力は今後も確実に役立ちます。保守・運用エンジニアとして身に付けてきたスキルを活かしつつ、キャリアアップを図るのが良いでしょう。

保守・運用エンジニアのキャリアアップにおすすめの職種

保守・運用エンジニアのキャリアアップ先としてもっとも多いのは、開発系のシステムエンジニアです。保守・運用エンジニアは本格的なプログラミングは行いませんが、コマンド等には慣れています。

そのため、プログラミングスキルをある程度独学で学べば開発側のシステムエンジニアに転職することができます。次に、営業職やコンサルタントへの転職も可能です。開発のエンジニアに比べるとITスキルでは劣るかもしれませんが、コミュニケーションスキルや大変な業務にも耐える精神力では勝っているかもしれません。

こういったスキルを活かして、IT業界のなかでも対人業務の多い営業やコンサルを狙う作戦があります。開発のシステムエンジニアも営業やコンサルも保守・運用エンジニアに比べれば仕事が機械化されてなくなるリスクが低いです。

今後技術の進歩や機械化によって仕事を奪われないようにするためにも、IT業界のなかの他の職種に目を向けるのがおすすめです。もちろんすぐに保守・運用エンジニアの仕事がなくなるわけではありませんが、技術が変化するとベテランエンジニアは不利になる可能性が高いです。

若いエンジニアを新たに雇ってスキルアップしてもらった方が企業としてもコストパフォーマンスが良いので、今後の保守・運用エンジニアにとってライバルは技術の変化、AI、若手エンジニア、と多岐に渡ります。

保守・運用専門のエンジニアとして市場で生き残るよりも、技術やコミュニケーションスキルを活かして働く方向にキャリアチェンジした方がスムーズかもしれません。

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