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SEと他の職種で、退職時にもらえるお金や手続きが特別異なるわけではありません。他の職種同様、退職時にもらえるお金は「退職金」と「失業保険」です。今回は、退職時にもらえる退職金と失業保険の概要、申請方法について解説します。
退職金と失業保険の違い
退職金と失業保険は混同されがちですが、明確な違いがあります。それは、退職金が企業が支給するものであるのに対し、失業保険は国が支給するものだということです。なので、退職金の申請は会社に対して行い、失業保険の申請はハローワークで行う必要があります。
まずは申請場所が違うことを押さえておきましょう。それでは、退職金と失業保険それぞれの申請方法を解説していきます。
退職金の申請方法
退職金の申請方法に関してですが、社内の規定によります。退職時に上司に相談してから退職金の申請をする必要がある企業もあれば、総務や事務係に提出するための書類が用意されている企業もあります。
ほとんどの場合は退職金申請用の書類が用意されており、ルールも明確化されているでしょう。社内規則がまとめられたファイルや紙媒体の書類に詳細が記載されているかと思うので、確認してみると良いでしょう。
金額の規定も企業によりますが、勤続年数や役職に応じて金額が決定するケースが多いです。普通の企業であれば、規則に従って申請すれば退職金が振り込まれます。しかし、なかには退職金を規定通りに支払わないブラック企業も存在するようです。
その場合、以下の方法で対処する必要があります。
・弁護士に相談する
・内容証明郵便で請求する
・労働審判で請求する
・仮差押えで請求する
・支払催促で請求する
まず最初に弁護士に相談するのがおすすめです。無料相談受付している弁護士事務所も多いので、そこに相談してみると良いでしょう。個人で対処する場合は、内容証明郵便での請求が有効ですが、企業側が無視する可能性が高いです。
法的な根拠がきちんと認められる書類を作らなければならない、企業が受理後に無視した場合に法的な措置を取らなければならない、といった点があるので、結局書類送付後に弁護士に相談することになるかもしれません。
その他の労働審判、仮差押え、支払催促、といった方法は個人で行うのが大変なので、結局のところ最初に弁護士に相談した方が話はスムーズでしょう。
失業保険の申請方法
失業保険の申請方法の詳細は住民票がある地域のハローワークのホームページを見ればわかりますが、流れとしては以下のようになります。
①必要書類(雇用保険被保険者離職票、マイナンバー確認書類、身分証明書、証明写真、印鑑、預金通帳かキャッシュカード)を準備する。
②ハローワークでの求職申込、雇用法権説明会の予約。
③雇用保険説明会に参加。
④失業認定日にハローワークに行く。
⑤受給する。
以上の流れで失業保険を受給できますが、ポイントとしては求職しなければならないこと、説明会に参加しなければならないこと、定期的に求職活動をしているかチェックされることなどです。
会社を辞めたら無条件に失業保険がもらえるわけではなく、その後再就職するための意思表示と活動が必要なのです。失業保険の意図は失業者の生活を守るということもありますが、再就職の準備資金としての目的が強いです。
つまり、ハローワークとしては失業保険受給者を早めに再就職させる義務が課されているのです。そのため、ハローワークの職員は失業者の再就職斡旋に積極的です。求職活動実績が認められないと失業保険を受給できない、途中で切られる、といったリスクもあるので、求職活動実績を作らなければなりません。
すぐに転職する気があるなら実際に転職活動すれば良いのですが、失業保険は欲しいけれどすぐに転職したくない、というパターンもあるかと思います。その場合、ハローワークの職員に求人を紹介してもらい、応募は検討する、という形にしておくと良いです。
実際に応募しなくても求人を紹介してもらえば求職活動実績として認められることが多いです。
フリーランスは失業保険を受け取れるのか
SEの場合、会社を辞めた後にフリーランスに転身するケースも多いかと思います。この場合、退職金に関しては当然もらえます。退職金は社員のその後の進路と関係なく支給されるものなので、退職後の進路が会社員かフリーランスかはまったく関係ありません。
問題なのは失業保険の方です。失業保険は失業者の再就職準備のための資金なので、フリーランスが失業保険受給資格を持つのかどうか疑問に思われるかもしれません。結論としては、フリーランスは失業保険を受け取ることができません。
フリーランスとして活動を開始すれば失業者ではありませんし、開業準備をしている場合も求職者ではないため、失業保険受給資格を持たないのです。国がバックアップするのは、あくまでも失業中かつ会社員として再雇用を目指している人になります。
ただし、一定の条件を満たせば再就職手当はもらえる可能性があります。詳細条件は長いのでここでは割愛しますが、フリーランスとしての事業が正式に認められれば手当が支給されます。詳細はハローワークのページをご確認ください。