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プログラミングは世界共通なので、国による差異がありません。つまり、プログラミングスキルがあれば世界中どこでもプログラミングができるということです。しかし、当然ながらプログラミングだけで仕事することはできません。
個人なら国に関係なくプログラミング業務を行うことができますが、その国の人とチームを組んで作業する場合、まずコミュニケーションが取れないと仕事になりません。そこで今回は、海外でSEとして働くのに必要なスキルを紹介します。
プログラミングスキルは必須
日系企業にしても外資系企業にしても同様ですが、わざわざ日本人を海外で雇うからにはある程度のプログラミングスキルが求められます。なぜなら、日本人は基本的に人件費が高いからです。
スキルの低い日本人を海外で雇うなら、東南アジア等日本よりも物価が安く人件費を抑えられる地域のSEを雇った方がコストパフォーマンスが良いです。そのため、これらの地域の人よりも高いプログラミングスキルがあった方が良いです。
また、多かれ少なかれ言語的な障壁はあるかと思います。たとえばプロジェクト内で使用されているコミュニケーション言語が英語なら、日本人にとって日本語よりも意思疎通が難しくなります。
その結果、ミーティングの内容を聞き漏らしたり、自分が仕様の説明をするときなどにうまく説明できないかもしれません。チームの足を引っ張る可能性があるのでその分をプログラミングスキル等でカバーするということです。
言葉の壁があるSEをわざわざ採用しているので、技術的に他のメンバーよりも貢献してくれないと困るという考え方になります。
マネジメントスキル
海外と言っても国によりますが、最近は日本のシステムを東南アジアなど人件費が比較的安い国で開発するケースが増えています。オフショア開発という名前で求人が出ていることが多いので、見覚えのある方も多いでしょう。
東南アジアでシステム開発をするとしても、すべてを丸投げするわけではありません。マネジメントは日本人が行い、プログラミングを現地の人が行うイメージになります。マネジメントまで現地に委託すると意図した方向とずれる、納期に大幅に遅れる危険性がある、といったデメリットがあるので、納期内に求めていたシステムが仕上がるようマネジメントを日本人にすることが多いです。
また日本人は世界的に真面目で勤勉なイメージを持たれており、そのことからマネジメント適性が高いと考えられます。いろいろな人種が集まったプロジェクトで日本人がマネージャーを務める事例も多々あるので、マネジメントスキルは高い方が良いです。
語学力
主に英語になるかと思いますが、働く国の言語を話せた方が意思疎通がスムーズです。プログラミングが中心のSEでももちろん意思疎通が必要なので語学力は必須ですが、マネジメント中心のSEとなるとなおさら語学力は必要です。
海外と日本の懸け橋となってマネジメント業務を行うSEをブリッジSEと呼びますが、ブリッジSEはTOEICの点数を条件にしていることが多いです。コミュニケーションが取れないとマネジメントは絶対にできないので、語学力は必須です。
環境適応力
これはSEの仕事に限った話ではありませんが、その国の文化や生活に適応しないと働くことができません。たとえばインドはITが盛んな国なので日本人SEがインドに駐在するケースも多いですが、地域によっては生活が過酷なようです。
衛生面や食べ物や生活水準的に考えて、日本人からするといろいろ厳しいものがあります。トイレの文化など嫌なら真似しなくても良いものもありますが、その土地で生活する以上ある程度は合わせなければならない部分があります。
旅行で短期間なら異文化コミュニケーションとして楽しいかと思いますが、住んで生活するとなると年単位でその国、地域の生活をしなければなりません。時間とともに慣れるとも考えられますが、いずれにしても環境の違いに精神的にも肉体的にも適応しないと仕事どころではないでしょう。
対人対応力
環境適応力と似ていますが、こちらは対人関係の対応力になります。言語的な障壁は言語をマスターすることで乗り越えられますが、問題はそれだけではありません。単に文化という言葉で済ませて良いのかはわかりませんが、時間や働き方について日本人と感覚が大きく異なる場合が多いです。
国にもよりますが、無断で何時間も遅刻する、私用で勝手に欠勤する、業務時間中に勝手に家に帰る、といった問題が多々あります。日本人の価値観ではありえませんが、こういったことが実際に起こり、しかも珍しいことではありません。
残業は自分の意思で選べるという権利は全面的に主張するが、決まった時間に出社しなければならないという義務はまったく果たさない、といった状況に日本人マネージャーがストレスを溜めることが多いので、柔軟に対応する必要があるでしょう。
具体的にどうすればトラブルなくきちんと働いてもらえるのかは難しいところですが、減給や解雇もやむを得ない場合が多いので、制度化が必要かもしれません。自分だけの裁量だけではどうにもできない場合は、本社に相談するなどの対応も必要でしょう。
私自身海外に支社の多いシステム開発企業に在籍していたことがあり、そのときは毎朝テレビ電話で各国につないで朝礼を行うルールになっていました。しかしその際にも国によっては朝礼に時間に全然メンバーがそろっておらず、重要なミーティングのタイミングで勝手に会社を抜け出していて、後から聞いたら公園で寝ていた、なんてこともありました。
日本人ほど真面目に仕事してくれるとは限らないので、対応力は必須です。