参考URL:https://pixabay.com/

SEを辞めたい理由は人それぞれですが、世間は「長時間労働、低賃金、などのブラック要素が多いからSEは離職率が高い。」と思っているかもしれません。一部ではそういった事実もありますが、実際はそれだけではありません。

今回は、私がSEとして働いていたときの経験や、転職の際に転職サイトの体験談を見たりいろいろとリサーチした結果からSEを辞めたい理由として多いもの、その際の正しい退職方法を紹介します。

 

SEを辞めたい理由①ブラックだから

これは世間がイメージする通り、長時間労働、低賃金、残業代が払われない、といったブラック要素が原因で辞めたいというパターンです。特にSIerだと、このようにブラック企業であることが原因で離職率が高まることはあります。

しかし、実はSIerでも世間が思っているほどにブラックでどうしようもない企業はさほど多くありません。多重請負自体が違法なので法的にグレーゾーンの企業は多いですが、だからといって他の業界と比べて特別仕事が辛すぎるというわけではないのです。

賃金も他業界に比べてむしろやや高水準です。IT系のブラック企業が注目されるのは、一部の企業が何かトラブルを起こした際に過剰に取り上げられるため、IT企業がブラックばかりのようなイメージにつながってしまうのです。

実際そうではないので、IT業界でも会社がブラックだからという理由で離職する人は少数派です。

 

SEを辞めたい理由②SEの仕事が自分に合っていなかった

大多数がこの理由と言っても過言ではないでしょう。SEは人手不足のため、ちょっとした適正検査でOKが出て本人にある程度やる気があれば即採用、というケースが多々あります。

しかし、実際のところSEという仕事は適正によって向き不向きが大きく分かれます。他の職種と比べても、明らかに適性がないと厳しいです。適正といっても能力的なことよりも、性格や趣味の問題です。

まずSEはパソコンに向かって長時間ああでもない、こうでもないと考え続ける作業が発生しますが、これを楽しいと感じるか苦痛だと感じるかは人によって異なります。慣れていけば考え方が変わることもありますが、多くの場合その前に潰れてしまいます。

つまり、長時間パソコンに向かってロジックを考えるのが嫌いな人がSEになると、だいたい追い込まれて離職します。自発的に勉強しないと周りのエンジニアに置いていかれるので、仕事が苦痛なのにさらに置いていかれる苦痛も感じることになります。

性格的にSEの適性がない人を採用した会社側にも責任はありますが、会社がブラックかどうかではなくそもそも作業が合わなくて離職するパターンが多いということでした。私はSEもIT営業も経験がありますが、SEの方が適性がないと圧倒的にきついと思います。

営業もたとえば人見知りだと最初は辛いかもしれませんが、あくまでも人とのコミュニケーションで、なおかつ話す内容も大枠は決まっています。営業成績が悪くて辛いことはあるかもしれませんが、作業自体は慣れればそれほど苦痛ではないでしょう。

営業として働くには勉強しなければならないこともあるかもしれませんが、SEと比べると分量がまったく異なります。SEは作業が苦痛で毎日何時間も大変なのに勉強しないと付いていけない事態に陥るので、精神的な苦痛は計り知れません。

営業は向いていても向いていなくてもある程度慣れれば惰性で働いているケースが多いですが、SEは逆に言えばハマる人はのめり込みます。仕事をプライベートに持ち込んでもまったく苦痛ではないほどプログラミングや設計が楽しくて仕方がないという人もいるので、やはり性格的な適正は大きいでしょう。

仕事がマッチして伸びていく人に対して仕事が苦痛で沈んでいく人もいるので、格差は広がる一方です。格差の下側にいる人たちが、いろいろなストレスを抱えるのは言うまでもないかと思います。

IT業界は鬱病になる人が実際多いですが、会社がブラックだからではなく、作業が苦痛だったり、その結果内部で格差がついて辛い思いをする人がいるからです。「いくら勉強してもまったく頭に入ってこない。パソコンの前に座ると手が震えてタイピングできない。」といった症状を抱えて辞めていく人を私は何人か目にしてきました。

 

SEを辞めたい理由③別の仕事がしたい

別の仕事がしたいから辞めるパターンはどの業界でもあるかと思いますが、SEの場合特に多いです。別の仕事と言ってもいろいろありますが、たとえば、起業して経営者になりたい、個人事業主になりたい、もっと人と関わる仕事をしたい、長時間のパソコン作業はもう嫌だ、と人によって今後のビジョンや理由の詳細は様々です。

いずれにしても、別の仕事がしたいという理由で辞めていく人は多いです。今の時代SEになるのは比較的簡単なので、「サラリーマンやOLのなかならまだSEがマシかな」といった理由でSEになる人も多いです。

実際私も開発現場で、元美容師、元バーテンダー、元バンドマン、元営業マン、元引きこもり、といろいろなパターンを見てきました。SIerの大手やWeb系のベンチャー企業は比較的理系で高学歴の人が多いですが、SIerの下請け企業だとかなりいろいろな人がいます。

元の道に戻る人もいれば自分の新たな可能性を模索する人もいて、世界一周がしたい、YouTuberになりたい、自分を売り込むクリエイターになりたい、と独特な理由で辞めた人も知っています。

 

SEの正しい退職方法

上記の通り、SEを辞める理由は人それぞれで、ブラック企業が多いからだけではないということでした。そして、次に退職理由に関わらず正しい退職方法を紹介します。退職の流れは他の業界と同じです。

法律では退職日よりも2週間前に退職の意思を伝えるようになっていますが、多くの企業では入社時の契約書に1カ月~3カ月くらいの期間で設定されているかと思います。なので、基本的には企業と契約した際のルールに従い、既定の時期よりも前に退職の旨を直属の上司に伝えます。

いきなり社長など直属の上司意外に伝えるのは原則NGで、直属の上司を通すのがマナーとなっています。おそらく社長にいきなり伝えても、まずは直属の上司に相談するように言われるでしょう。

直属の上司に相談すると、多くの場合引き留められます。上司としては離職者をなるべく減らす義務があるため、立場上安易に離職を認めるわけにはいかないのです。そのため何度か交渉することになりますが、離職の意思が明確であれば最終的にプロジェクトの切れ目や後任が見つかったタイミングで離職が認められるケースが多いでしょう。

また社内ルールで決められた期間よりも長くなってしまうのはある程度仕方がないかもしれません。たとえば2カ月前までに離職の旨を伝えれば離職できると規定されていても、いざ蓋を開けてみると半年掛かった、なんてこともざらです。

上司としては期間を置くことで気が変わってくるのを待っている、後任が見つからない、といった理由で引き留めています。引き留めを無視して強硬策に出ることも可能なのですが、円満な人間関係を壊したくないのであればあまり強引なことはしない方が良いでしょう。

ある程度期間が長くなってしまうのを覚悟の上で、粘り強く説得することをおすすめします。ただし、これはあくまでも健全な企業においての話です。ブラック企業では、離職希望者の離職を絶対に認めない、脅してくる、なんてこともあるようです。

私はそのような企業に在籍したことはありませんが、真のブラック企業だと脅迫されるようですね。離職希望者を脅迫するような企業は普通に話し合っても埒が明かず、本人の話に耳を向けることはまずないでしょう。

離職の意思や理由は一切関係ないので、その場合やむを得ないので強硬策を取るしかありません。方法としては、退職届を強引に提出する方法です。退職願は相手の同意を促すものですが、退職届は一方的に意志通告でき、なおかつ効力があります。

法律上退職届を受け取ったら退職を認めたことになるので、話し合いがまとまっていなくても自動的に退職できます。しかし、超ブラック企業では退職届を絶対に受け取らないようです。

退職届を受け取ったら退職を認めたことになると知っているので、意地でも受け取りません。その場合、内容証明郵便で会社に退職届を送付するしかないでしょう。内容証明郵便で送れば受け取り拒否はできないので、確実に退職できることになります。

ただし、退職届を郵送した後も無断欠勤は現金です。退職届受理後も会社側には懲戒解雇にする権限があるため、退職届を郵送した後に無断欠勤を続けると懲戒解雇されてしまう可能性があります。

懲戒解雇されると履歴書にその旨を記載する義務が発生するので、今後就職活動する際の印象が悪くなります。ちなみに14日以上の連続無断欠勤で懲戒解雇事由に該当します。退職届を郵送された腹いせや他の社員への見せしめのために懲戒解雇するブラック企業も存在するので、懲戒解雇事由に該当するポイントを自ら作らないようにする必要があります。ご注意ください。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください