無茶な営業計画、立て続けの残業、そんなものが続けば、誰しも「退職」の二文字が頭を過ぎることでしょう。しかし会社を辞めるということは、生半可な決断ではありません。転職後の不安も感じることでしょうが、退職を告げた時の周囲の反応も、同じくらい気になるものではないでしょうか。
実際に退職届を提出すると、良いことも悪いことも、様々なことを言われる可能性があります。どんなことを言われても冷静に対処するためには、事前にしっかりシミュレーションしておくことが大事なのです。

色々な悪口を覚悟しておく

職場の同僚が退職していった、そんな経験はお持ちでしょうか。その時抱く感想は色々なものがあると思いますが、肯定的に受け止めてくれる人は、なかなかいないのが現実だと思います。
「転職するなんて、リスクを考えていないの?」と、馬鹿にされる程度ならまだマシです。退職して減った人手をカバーしなければならない上司や同僚からは、「根性無し」や「裏切り者」と罵られる可能性だってあるでしょう。
そんな心無い言葉に備えて、鉄の自制心を用意しておき、何と言われても傷つかないよう準備しておかなければなりません。

正しい法律知識で身を守る

退職を告げた時、もしもそこが悪質な企業だった場合は、どさくさに紛れて無茶苦茶な要求をしてくることがあります。考えられるケースをいくつかピックアップしてみましたので、ご覧ください。

・「退職届? 半年は前に出しておけ、常識だろう!」
上司がどう思っても勝手ですが、法律にそんなルールは存在していません。例え社則にそう書いてあったとしても、退職届の提出後、拘束できるのは二週間までと決まっているので、安心してください。

・「辞める前にこの仕事を終わらせていけ!」
担当分の仕事をしていって欲しい、というのは分からない話ではありませんが、だからと言って過剰な残業を強要するのは違法です。常識的な範囲で仕事をこなし、残った作業は後の人員に引継ぎをすれば問題ありません。

・「辞めるなら、その間は減給だ!」
とんでもないレベルの違法行為ですが、実際に言い出すブラック企業は実在します。不当に給料を下げられるなどした場合は、すぐさま労働基準局に訴え出て、是正してもらいましょう。

甘い言葉に言いくるめられない

前章のような手酷く扱われるのとは逆のパターンで、上司が転部を勧めてきたり、残業免除などの条件を提示し、退職届を取り下げさせようとしてくるケースがあります。
「有利な条件を出してまで引き留めてくれている」と感じるかもしれませんが、例え魅力的な提案だとしても、その言葉を鵜呑みにするのは禁物です。
転部して向かった先の残業が少ないとは限りませんし、残業免除なんて、口約束でしかないのです。本当に残業しないで良くなったとしても、チームメンバーの白い目からは逃れられません。いったん退職を申し出た時点で出世コースから外れるのはほぼ間違いないので、もしも退職届を引っ込めるのであれば、リスクを慎重に検討してからにしましょう。

進むも戻るも熟慮が必須

退職は、もしかすると就職以上に重大な人生の分岐点です。辞めようかな、どうしようかな……と考えているうちは、働き続けた方が賢明です。
中途半端な考えではなく、熟慮に熟慮を重ねて決断しましょう。
そうすれば後悔することなく、きっと満足できる結果を出せるに違いありません。

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