SEは転職の多い職種と言われますが、それには大きく分けると三つの理由があります。
まず一つ目は、「労働環境」です。
つまり、世間で言われる通りIT業界内にはブラックな企業も多いため、その環境から離れるための転職が多くなります。
二つ目は、「適正問題」です。
SEのメイン業務はプログラミングですが、プログラミングはかなり適正に左右される作業です。そもそもパソコンに長時間向かっているのが苦痛だという人もいれば、ロジックを考えたりするのが苦手な人もいます。
その結果、異業種に転職する事例が多くなります。
三つめは、「スキルアップ、スキルチェンジ」のための転職です。技術分野でも多種多様なので自分の身に付けたいスキルに応じて転職したり、新しい技術を学習するために転職するケースも多いです。
または、上流工程を担当するために転職するケースも目立ちます。特にSIerで高収入を狙うのであれば、平均的に見て上流工程の方が儲かります。フリーランスになる場合は話が別ですが、安定性を考えて会社員として上流工程を狙っていく転職も多いです。
このようにひとことにSEの転職と言ってもいろいろな理由があるのですが、今回はスキル面を重視した転職先選びについて解説します。なぜなら、SEが生き残るためにはスキルアップが必要不可欠だからです。
ブラック企業を避けるための転職先選びもあり、それももちろん重要です。しかし、スキルが高ければ有名かつホワイトな企業を狙いやすく、よく知らない企業を受ける必要がなくなります。
つまり、SEはスキルを身に付ければブラック企業を避けるのも簡単だということです。スキルアップして、最低限の注意項目を見て転職先を選ぶのが良いでしょう。
その企業のプロジェクトやスキル内容を確認
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SEの転職先選び失敗で多いのが意図したスキルが学べないということです。そのため、転職前にその企業のスキル内容やプロジェクトについてよく確認しておいた方が良いでしょう。
また、面接時にもなるべく細かく確認しておいた方が良いです。たとえば給与のことは細かく質問し過ぎると印象が悪くなる可能性がありますが、スキル面については細かく聞いても印象は悪くなりません。
むしろ技術志向が強く、勉強熱心なイメージになるかと思います。実際私自身IT企業で面接官を担当していたことがありますが、技術についてよく調べて聞いてくる求職者の印象は良かったです。
なので、その企業の技術内容についてよく調べ、面接でも質問することをおすすめします。
できる限り自社プロジェクトを持っている企業を選ぶ
実は上記のように企業が参入しているプロジェクトや技術内容を念入りに調べていても、転職後失敗するケースがあります。
その理由は、希望するプロジェクトに配属されないからです。
特に自社開発よりもシステム開発現場に社員を派遣している企業では、自分が希望したプロジェクトに配属されるとは限りません。たとえば自分が入社したタイミングでたまたま保守運用の案件が入り、そこに派遣される、といったケースもあり得ます。
SIerの場合この傾向が顕著で、その企業が得意としている技術分野の例外的な案件がいくつか存在します。一度入ると抜け出せないような長期案件もあるため、せっかく良い企業に転職したと思ったのに配属先のプロジェクトが良くなかった、といったことが発生するかもしれないということです。
しかも確率的には決して低くはないので、それを避けるためには自社プロジェクトに力を入れている企業を受けるのがおすすめです。SIerでもWeb企業でも自社プロジェクトに力を入れている企業はあるので、そういった企業の自社プロジェクトを狙うのが一番確実です。
確実に狙ったスキルが身に付くでしょう。
目標を明確化した上で企業を選ぶ
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スキルの話だけでなく、最終的にどのようなSEを目指したいのか明確化することは非常に重要です。
具体的には、特に上流工程と下流工程については目標を明確化しておかないと企業選びが進みません。
たとえば上流工程を担当したいのであれば上流工程でプロジェクトに参加している企業を選ぶ必要がありますし、逆に下流工程に集中したいのであれば上流工程を期待される企業は避けた方が良いでしょう。
もっと言えば、下流工程でも大規模案件で単調作業を繰り返していてもあまりメリットがありません。下流工程専門でスキルアップしていくのであれば、Web系企業で高度な技術を身に付けて独立する、などの目標を持って取り組んだ方が失敗は少ないでしょう。
企業選びのノウハウ等はありますが、結局のところ自分の目標や市場動向を見ながら選ばないと失敗します。ノウハウだけあっても基準が明確になっていないと選べないので、ノウハウを把握し、自己分析と市場分析と並行して企業を選んでいくことで失敗する確率を下げていきましょう!