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IT系のエンジニアはシステム開発だけがすべてではなく、開発専門の人もいれば保守や運用を専門にしているエンジニアもいます。しかし、最近は運用もAIやクラウドの導入により効率化されており、保守・運用エンジニアの需要が減っているのが現状です。

また開発に比べると保守・運用はスキルが低くてもできるため、収入が上がりにくい、人件費の低い新人のエンジニアや海外のエンジニアに仕事を奪われがち、といった問題点もあります。

そういったことから、運用からWeb系のエンジニアに転職したいと考えている方もいることでしょう。考え方としては非常に的を射たもので、早めに転職した方が自分の市場価値を高めることにもつながります。

そこで今回は、運用系のエンジニアがWeb系のエンジニアに転職する方法を解説します。

まずは今の仕事を極める

運用エンジニアはスキルが身に付かないと言われがちですが、当然まったくスキルが身に付かないわけではありません。たしかにプログラミングに限って言えば作業工程に含まれていないかもしれませんが、日々バッチやシェルを作ったり、実行することもあれば、物理的な機器に触れることもあるかと思います。

こういった経験はWeb系のエンジニアになってからも活かせるもので、むしろ強みになります。Web系のエンジニアのなかには、新しいプログラミング言語には強いがコマンド系はやったことがない、物理層はさっぱりわからない、といった人も多いです。

OSに載っているソフトウェアの操作しかしたことがないと、OSの不具合や物理層の不具合に対処することができず、また環境が複雑だと環境構築の段階で躓いたり、土台の部分を理解しないまま開発を進めてしまうこともあるのです。

その結果、ソースコードには問題ないが環境にそもそも問題があってバグが発生している、物理層やOSに改良を加える必要がある、といったことに気付かなかったりします。そこで運用の経験があれば、土台にも目が向きます。

もちろんこれは運用エンジニアとして視野を広く持って仕事していた人に限り、日々よくわからないまま適当に支持されたマニュアル通りバッチやシェルを実行しているだけではダメです。

そういった意味で、まずは運用エンジニアとして日々の仕事を全うし、なおかつ視野を広げて自分の作業環境周辺の技術の勉強も積極的に行うと良いです。プログラミングは結局のところ表面的なソフトウェアを扱っているだけで、新しい言語になればなるほど下の階層を理解していなくてもできてしまいます。

しかしこれだと肝心なところで躓くことがあり、何より下の層を理解しながら作業した方が面白いです。そういうことなので、プログラミングは後から身に付けるということで、まずは運用エンジニアとしての仕事を頑張りましょう。

プログラミングの学習をする

運用エンジニアの仕事を極めたと思ったら、次にプログラミングの学習を行います。具体的に狙っている会社が明確ならその会社で扱っている言語を勉強すれば良いですが、そうでない場合はJava、PHP、Python、Ruby、Swift、kotlin、あたりが良いかと思います。どれを選んでも構造上汎用性が高く、他のプログラミング言語にも応用が利きます。

方法としては、書籍、Webサイト、動画などでインプットを行い、次にアウトプットしていくと良いですね。アウトプットのタイミングはインプットの途中で、頭に入りにくくなってきたときで良いかと思います。

たとえば、ループや条件分岐などの基本はいちいち書かなくても把握できる、ということであればいちいち書かなくても良いです。逆に、実際に書いて試してみたい、ということであれば書いてみても良いです。

環境構築のタイミングも自分がプログラミングを書いて実行してみたいときで良いので、絶対に書籍やWebサイトのタイミングに合わせて自分も作業しなければならないというわけではありません。

自分がだいたいの流れと処理概要を理解できればそれで問題ないので、絶対的なルールはないということです。

実際にアプリを作ってみる

SIerよりもWeb系の企業は入社のハードルが高いため、運用エンジニアがプログラミングの基礎を学習した、というレベルでは転職できない可能性が高いです。ちなみに、SIerの開発エンジニアならそのレベルでも転職できる可能性が高いです。

では運用エンジニアからWeb系のエンジニアになるためには何が必要かというと、実際にもの作りを行った体験です。プログラミングは基礎を学ぶだけでは実践的ではなく、もの作りを行ってこそのプログラミングスキルです。

なので、インプットで学んだプログラミングスキルを使って実際にアプリ開発にチャレンジしましょう。今の時代はアプリ開発についても情報が充実しているため、簡単なアプリケーションであれば実は初心者でも頑張れば作れます。

作成するアプリやOSは自分が入社したい会社のプロジェクトに合わせるのがベストですが、決まっていない場合は好きなもので問題ありません。たとえばiOSならSwiftなどでアプリを作ってみて、それを持って企業の面接に挑むと「プログラミングが好きで勉強している」「自分で学習する能力、やる気がある」「今後も技術志向で頑張りたい」という意思表明にもなります。

アプリのクオリティが高いに越したことはありませんが、仮にクオリティが低くても、少なくとも受け身ではなく自分から学んでいく姿勢を示すことができるのです。Web系のエンジニアになっても、会社が手取り足取り教えてくれるわけではありません。

最初のうちは研修である程度指導してくれるかもしれませんが、そこからは伸びるかどうかは自発的に学習するかどうかに掛かっており、プロジェクトに参入している際も自分で学習、リサーチして問題解決していく必要があるのです。

自宅で学習しても、プロジェクトに参加して開発を行っても、実は独学という意味では大差ありません。企業の採用担当も面接前に自分で学習できないならプロジェクトに参加しても自分で学習しない可能性が高い、と判断するので、ぜひ企業を受ける前に開発にチャレンジしてみてください。

SIerは人手不足なのでそこまで条件を厳しくしていないことが多いですが、Web系の企業はSEのなかでも人気なのでそうはいきません。自分で学んで開発する意欲を見せ、面接では今後も自発的に学んでスキルアップしていく姿勢をアピールしましょう。

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