私の経験上からもネットでの口コミなどを見ていても、SEから税理士に転職する方は割と多いかと思います。私が在籍していたのは金融系SEですが、そこでは税理士に転職する人が特に多かったように思います。

金融業界のSEだけでなく、おそらく他の業界のSEでも税理士に転職する事例はあるかと思います。

そこで今回は、SEがなぜ税理士に転職するのか、税理士事務所へ転職するには何が必要なのか、といったことを解説していきます。

SEが税理士事務所に転職する理由

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まずSEが税理士事務所に転職する理由ですが、以下のようなものが挙げられます。

 

  • 待遇が良いから。
  • 社会的な評価が高いから。
  • 将来性があるから。
  • ITよりも金融や会社のお金の動きやビジネスに興味が出てきたから。
  • 会計士に比べて歳を取っていてもチャレンジしやすいから。

以上のような理由が考えられます。実際私の周りでSEから税理士事務所に転職した人も上記のような理由で転職する人が多かったです。まず、税理士の待遇が良いから、という転職理由は非常に多いです。

IT業界の年収は幅広く、SEのなかにはかなり稼いでいる人もいます。しかし、ほとんどのSEはそうではありません。日本全体の平均年収に比べるとSEの平均年収は多少良いかもしれませんが、厳しい労働環境や勉強量を考えると以外と割に合わない部分があります。

そこで、どうせ勉強するならより儲かりやすい分野で勉強していきたい、といった考えが出てきます。SEを続けていてもどうせ勉強し続ける必要があるので、それなら待遇の良い税理士に転職するために勉強したい、というのは自然な心理でしょう。

次に、税理士の社会的評価が高いという理由も考えられます。SEは大変さや勉強量の割に、そこまで社会的評価が高いわけではありません。特に社会的評価が低いというわけでもありませんが、それほど高いわけでもないでしょう。

たとえば職業を聞かれた際に「SEです。」と答えると、おそらく「そうなんですね。」「じゃあパソコンとか詳しいんですね。」くらいの反応になるかと思います。一方で、「税理士です。」と答えると、「すごいですね。」「じゃあ儲かってるんですね。」「賢いんですね。」といった反応になるケースが多いかと思います。

実態というよりはイメージによる部分も大きいですが、やはりSEよりも税理士の方が社会的な評価は高い傾向にあります。将来性についても、SEよりは税理士の方が良いと考える人が多いでしょう。

SEは仕事の変化が激しく、先のことが読めません。35歳定年説などもありますが、実際ついていくのが大変、業界を辞めたい、と感じつつも我慢して働いている人が多いのは事実です。

税理士の方が身に付けたノウハウを長期的に活用しやすいため、SEよりも将来的に安定して働きやすいと言えるでしょう。また、興味関心が移ったという理由もあります。若い頃はITに対して情熱を注いでいたが、年齢とともにビジネスや企業の財務に興味が出てきた、といったこともあるでしょう。

きっかけは人それぞれですが、将来を見据えて独立やビジネスのことを考えているうちにそっちに興味が出てくることもあれば、仕事を通してそういった分野に関わることもあります。

いずれにしても、興味関心の対象が変われば職業選択も変わることがあります。最後に、会計士と比較すると税理士の方が年齢を重ねていてもチャレンジしやすいということがあります。

理由としては税理士が科目ごとに受験できるから働きながら受験しやすいということもありますが、それ以上に税理士事務所の方が年齢問わず入社しやすいです。会計士は公認会計士試験合格後に監査法人に就職する傾向がありますが、監査法人は新卒や若者を育てていく風潮があります。

税理士の方が実力主義、社会人経験が役に立つ、といった傾向が強いため、たとえばSEでも社会人経験を積んだ方がチャレンジしやすいです。

SEが税理士事務所に転職する際にすべきこと

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以上の転職理由を踏まえ、SEが税理士事務所に転職する際にすべきことを解説していきます。具体的に挙げていくと、以下のようなものが挙げられます。

・税理士試験の勉強
・税理士事務所のリサーチ
・自己分析
・面接対策

以上のようになります。まず税理士試験の勉強ですが、SEとして働いているうちからコツコツ勉強していくことをおすすめします。というのも、税理士試験は一朝一夕で受かるものではなく、また勉強していないと税理士事務所からの印象が悪いです。

税理士事務所の面接に行って、まだ税理士の勉強はしていませんがこれから頑張ります、といったアピールをすると、「本当にこの人はやる気があるのだろうか?」「なぜ面接までの間まったく勉強してこなかったのだろうか?」「実際に勉強を始めたら嫌になって辞めてしまうのではないだろうか?」といった疑問をもたれてしまいます。

結果的に、不合格になってしまうことが多いでしょう。もちろん面接前に税理士試験にすべて合格していると理想的なのですが、なかなかそううまくもいかないでしょう。なので、せめて面接までに税理士試験の勉強に取り組み、できれば科目合格しておくと面接時の説得力が変わります。

税理士試験の勉強と合わせて、税理士事務所リサーチと自己分析していくことも重要です。なぜなら、そうすることで自分がどのような税理士になりたいのか、そのためにどこの税理士事務所を受ければ良いのか、といったことが決まってくるからです。

SEのバックグラウンドを活かすのであればIT業界を専門にしている税理士事務所や、ネットビジネスを専門にしている税理士事務所にメリットがあります。ただしこれも一概には言えないので、自己分析が重要です。

自分の強みと希望をすり合わせ、税理士事務所を選ぶのが良いでしょう。あとは、将来的に独立したいのであれば業界動向も考える必要があります。税理士事務所で培ったノウハウを活かして独立するとなると、基本的に在籍していた税理士事務所が得意としていたのと同ジャンルで開業することになります。

たとえば飲食店に強い税理士事務所で働いていたのであれば同じ飲食店に強い税理士事務所、IT業界に強い税理士事務所で働いていたのであれば同じIT業界に強い税理士事務所を開業する可能性が高いです。

なぜなら、その方が自分のスキル的にも今まで築いた人脈的にもメリットがあるからです。逆に、在籍していた税理士事務所とはまったくの別業界、別のカラーで開業するのは大変です。

スキルも人脈も一から作り直しなので、できれば避けた方が良いでしょう。なので、将来的に独立するにしても最初の税理士事務所選びは非常に重要になります。先細りしている業界に強みのある税理士事務所を選んで就職してしまうと、将来的に苦労するかもしれません。

最後に、面接対策も重要です。今までSEとしての転職やプロジェクト配属時の面談経験のある方も、今一度税理士事務所を受ける際は準備しておいた方が良いです。というのも、SEの面接や面談のように技術の話が中心ではないからです。

SEの場合、自己PRも志望動機も技術の話が中心だったかと思います。今まで経験してきた技術内容は○○で、これから経験したい技術領域は○○です、といった流れです。しかし税理士事務所だとそういう流れにはならないので、税理士の業務内容に合わせて自己PRと志望動機を伝える必要があります。

以上SEから税理士事務所に転職する人の理由や必要なことを解説しました。税理士になるためには基本的に勉強が最重要ですが、併せて自分自身のことや業界をリサーチする必要があります。

特に将来独立したい方こそ税理士事務所で身に付けるスキルや業界知識が重要になるので、早めにリサーチを初めてください。SEとしての業務や税理士試験の勉強でそれどころではない、という事情もあるかもしれませんが、税理士事務所選びに失敗すればせっかく税理士になったのに食べていけなくなる可能性があります。

早めにリサーチし、ぜひ転職を成功させてください。

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