毎日朝早くに出勤し、会社のために精魂込めて仕事をこなしていく……労働は日常にとってスパイスとも言うべき素晴らしいものですが、楽しいばかりのことではありません。長続きさせるためには、仕事に対するモチベーションが何より不可欠です。
仕事を車に例えるならば、モチベーションはガソリンでしょうか。どれだけ優れた人でも、エネルギーとなる燃料がなければ、効率よく働くことは出来ません。
では、モチベーションを高めるためにはどうすれば良いのでしょうか。
その分かりやすい答えは、「仕事に対するやりがい」を持つことです。特にSEのような技術職、専門職は、自分の実力が直接仕事の結果に反映されるため、満足のいく仕事が出来た時の喜びはひとしおですよ。
そんなSEが「気持ちいい!」と仕事の場で感じる瞬間について、いくつか纏めてみました。

一発でコンパイルが通った時

プログラムに初めて触れた人にとって、ソースコードの難解さには筆舌に尽くしがたいものがあります。言語の種類によってある程度の差はありますが、良く分からない英単語を並べて建ててシステムを構築するなんて、最初は信じがたい光景です。
プログラムを正しく動かすためには、ソースコードに僅かなミスも許されません。だからこそ、コンパイルが一発で通った時の達成感は、他に表しようのないほどうれしいものですよね。

ソースを効率化出来た時

ごちゃごちゃと複雑化したコーディングのことを、揶揄を込めて「スパゲッティ」という俗称で呼ぶことがあるのをご存じでしょうか。無数の麺が絡まり解けなくなっている様を表した、実に皮肉が効いた、面白い表現です。
ですが、スパゲッティコードを効率化するのは、並大抵のことではありません。「仕様を理解し」「ソース構造を解析し」「新たなロジックを考え」なければならない上に、そこまでの労力をかけても、元々の機能が拡張されるわけではないからです。
時間と労力に対するコストパフォーマンスは非常に悪く、業務時間を費やしてまで修正することは、ほとんどありません。
これを修正するチャンスは、新たな仕様追加があった時だけです。プログラムを改造するにあたり、一度整理した方が良い、ということもあるでしょう。見づらかったコードを効率よく構築し直した時、やり遂げた満足感を感じることが出来るはずです。

パフォーマンス改善がうまくいった時

システム開発に必ず付きまとうのが、パフォーマンス問題、つまりプログラムを動かす際の処理スピードの問題です。
例として、通販サイトについて考えてみましょう。欲しい商品を検索したあと、何十秒もかかってしまうようなサイトは使いにくいですよね。とある調査データによると、ページの表示に3秒以上かかるサイトは、それだけで40%以上の人が離脱してしまう傾向があるという結果も出たそうです。
こうした時間のかかる処理は、コードやデータベースの観点から細かく解析し、効率化しなければなりません。トライ&エラーが必要な根気のいる作業ですが、何十秒もかかる処理が、たったのワンアイデアで数十倍の速度に出来ることもあるので、うまくいった時のカタルシスは屈指のものと言えるでしょう。

テストで一切バグが発生しなかった時

開発の中でも最も苦労する工程は、何と言ってもテストとデバッグです。例えばコーディングにはパズルを解くような高揚感がありますが、それに水を差すのがデバッグ作業です。会心の出来だと思っていたコードなのに、真っ赤にエラーを吐く姿を見てしまった時など、どうしたって落ち込んでしまいますよね。
ですが作り手が人間である以上、小さなミスをゼロにすることは出来ません。増してそれが、プログラムのような精緻な作業の中ならなおさらで、不具合ゼロのままテストを終えられることなど、滅多にあるものではないのです。
だからこそ、一切のバグ無しでテストをクリア出来た時は、何よりの喜びを感じますよね。

他の人の悩みをスッと解決してあげた時

前章でも述べましたように、コーディングは複雑なロジックを組んでいく、パズルのようなものです。組み上げるには経験と発想、集中力が必要であり、時にはベテランでさえ、作業の手を止めて考え込まなければならなくなる時もあります。
一度そうした思考の袋小路に入ってしまうと、一人ではなかなか抜け出すことが出来ません。ある種のブレイクスルーが必要ですが、自分だけで新たな発想にたどり着くのは、非常に難しいものです。
同僚がそんな状態に陥っている時、自分のアドバイス一つで、スッ、と解決してあげられると、満面の笑みで喜んでくれるに違いありません。

仕事の割り振りが完璧だった時


出世して部下を持つようになると、それまでのように与えられた仕事を片付けていくだけではいけません。部下に作業を割り振り、均等に分担しなければなりませんが、個人の能力にはどうしても差異があるため、作業量だけを見て分担すると、終わるタイミングがバラバラになってしまいます。
部下全員のスキルを全て把握し、全員が同じタイミングで終わるように分担するのは非常に難しい作業ですが、うまく予想通りの時間で仕事が片付いた時は、自分の采配に惚れ惚れすることになるでしょう。

クライアントに絶賛された時

大規模なシステムであればあるほど、プロジェクトの作業量はどんどん膨れ上がっていきます。規模によっては数年がかりで取り組むケースも珍しくなく、そのため長い期間中、一度のトラブルもなく仕事を終えられるようなことは、まずありません。
プログラムとは、仕様変更や想定外の不具合の発見など、多くの苦労を経て完成するものです。だからこそ、完成したシステムをクライアントに絶賛された時は、大きな喜びを感じることが出来るでしょう。

実際に使われているのを見た時

システム開発は、長い時間と膨大な労力をかけて行われるものです。機能設計に始まり、コーディングとテストを経て、ユーザーへの導入トレーニング、リリースなど、どの行程でも楽な作業なんてありません。
ですが、「モノ作り」の醍醐味はその後に感じられるものです。自分が手塩にかけて作ったシステムが、実際に誰かの役に立っているところを見ると、感無量のものがありますよね。
特にソフトウェアは、多くの人が使うことを想定したものですので、何百人と言う人の目に触れることになります。
それが利用され喜ばれているのを見た時は、まるで我が子の名前が世に広がっていくような、素晴らしい満足感を得ることが出来るでしょう。

自分が「役に立つ」喜び

長時間残業の代名詞でもあるSEの仕事は、時には「IT土方」と揶揄されるほどハードなものです。しかし、それでも年々その人口が増えていっているのは、そこにモノ作りの楽しさが確かにあるからです。
辛さや苦しさばかりではなく、小さな目標を一つ一つクリアし、満足感を積み重ねていくことこそ、仕事のやりがいというものではないでしょうか。

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