SIer、システムインテグレーダーとは、他社の依頼を受けて作業を行う、開発業態の一つです。クライアントの企業に出向、常駐して開発を行うことが多く、かつての特定派遣のような働き方をイメージしてもらえれば分かりやすいのではないでしょうか。

どんな働き方であろうと、様々なメリット・デメリットがあるのは当然のことですが、「社員が色々な現場にいるため、上司の目が届かず、適切な評価を受けにくい」という点は、なかなか無視し難い問題であるのは事実です。

そんなSIerの企業で、同期と差を付け評価してもらうためには、どんな方法があるのでしょうか? いくつか効果的なポイントについて、10個ほどご紹介していきたいと思います。

 

ポイント①:資格の取得

まず誰もが真っ先に考えるのが、資格の取得です。仕事の合間に勉強し続けるのはなかなか大変なことですが、目に見える実績として、これ以上分かりやすいものはありません。

SIerにとって、資格は非常にウケの良いアピールポイントになりますので、大抵の企業で推奨しているのも良いですよね。受験費用の補助や、合格した際には金一封などのボーナスを貰えることも多いので、検討してみてはいかがでしょうか。

 

ポイント②:達成した成果の報告

外部研修で得た知識の展開や社内システムの考案など、企業に対して直接貢献するのも一つの方法です。

なかなかハードルは高い方法ですが、その分効果は目覚ましく、確実に評価してもらうことが出来るでしょう。

 

ポイント③:現場での功績

出向先の現場に自社の同僚がいるとは限りませんが、だからと言って、その働きぶりが全く本社に伝わらないわけではありません。

現場の上司の評価は必ず営業チームがヒアリングしているので、優秀な結果を出していれば、それは本社に伝えられています。

納期内にプログラムを完成させる、クォリティの高いソースを書く、残業をしない、コミュニケーション能力を発揮するなど、評価のポイントは様々ですので、日々の業務に力を入れましょう。

 

ポイント④:残業抑止

よほどブラックな社風の企業でない限り、残業抑止は大きな評価のポイントです。労働時間はそのままコストに繋がるため、その削減を喜ばない経営者はいないでしょう。

「そうは言っても、周囲の目が気になって帰りにくい……」という方もいらっしゃるかも知れませんが、その周囲の人というのは、出向先の人であって自社の人ではありません。

前時代的な「残業しない、イコール悪」と考えるような人たちだったとしても、それが自分の評価を落とすことにはなりませんので、気にする必要はないでしょう。

ただし、これらはもちろん自分の仕事が終わっていることが大前提です。仕事を残したまま放り出して帰らないよう、気をつけてくださいね。

 

ポイント⑤:現場での増員を斡旋


現場で一定の評価を得ることが出来れば、それは必ず次の仕事へと繋がります。例えば別のプロジェクトが始まる時や、人員不足による増員の際に、真っ先に声をかけてもらえるようになります。

もしそこで「自分からの紹介」という形で増員を決めることが出来れば、売り上げに直結するため、高い評価を得ることが出来るでしょう。

ただし、その増員メンバーが面接に落ちてしまうと、実績としては見なされません。そういった可能性も考慮し、増員の話があった際は直属の上司を含めて報告しておくと良いですよ。そうすれば「自分の功績で増員の話が持ち上がった」という事実が伝わるので、評価のポイントとして見てもらうことが出来ます。

 

ポイント⑥:帰属意識の向上

客先出向の宿命として、日々の生活の中では自社の社員達が集まる機会は、ほとんどありません。定期的に集まり会議を行う企業もありますが、それでも月に一、二回程度の話です。これでは上司も部下の人となりを知ることができず、評価をつけるのは難しいことでしょう。

そこで大切なのは、新年会や忘年会などのイベントには必ず出席することです。普段顔を会わせない者同士だからこそ、節目ごとにコミュニケーションをとり、同じ会社の一員だという結束感を共有しましょう。

 

ポイント⑦:細やかな部下への指導

飲み会など以外にも、自分に部下がいる場合は、定期的にメールなどでコミュニケーションを取ると良いでしょう。例えば自分の部下が、出向先で目覚ましい活躍を果たしたなら、それを自分の上司や営業チームに共有してあげると良いですね。

部下からは感謝され信頼してもらうことが出来ますし、上司たちにも「部下とのコミュニケーションが取れている、面倒見の良い社員だ」と評価してもらうことが出来ますよ。

 

ポイント⑧:教育への参加

新人研修は、どの企業でも必ず行わなければならない行事です。日々の業務以外に時間を取り、スケジュールを立て、教育用の資料を作らなければならないため、社員にとっては非常に負荷のかかる仕事ですよね。

ですが、だからこそ会社に対する貢献度は疑いようのない作業です。自分から講師や研修の運営に立候補することで、一味違ったアピールをすることが出来ることでしょう。

 

ポイント⑨:セキュリティインシデントへの警戒

確実に評価を受けるためには、プラスの成果を出すだけではなく、マイナスの行動を行わないようにも気を付けなければなりません。

特に気を付けなければならないのは、セキュリティインシデントを起こさないことです。

万が一、迂闊な行動で個人情報や機密情報を流出させてしまったら、最低でも始末書もの、悪ければプロジェクトからの退場や賠償問題にまで発展することだって有り得ます。他で達成した実績など吹き飛んでしまい、その評価は取り返しの付かないほど地に落ちてしまいますので、そうならないよう細心の注意を払いましょう。

 

ポイント⑩:定例業務

客先出向で業務を行っている場合、まず間違いなく、定期的に本社に提出しなければならない書類があるはずです。多くの場合は月次の勤怠や作業内容の報告書ですが、その他にも資格の進捗状況や、会議の議事録など、その種類は企業によって様々です。

こうした定例業務は非常に面倒ですが、だからといってサボってしまえば当然、待っているのはマイナス評価ですので、注意しなければなりません。特に勤怠の報告は、有給や電車遅延による遅刻など、特殊ルールが多いので気を付けるようにしましょう。

 

大切なのは、自分を肯定すること

SIerは色々な現場を経験することが出来る、素晴らしい業態であることは間違いありません。ですが反面、漫然と仕事をしても結果に繋がらない、難しい職種でもあります。

正しい評価を受けるためには、自己肯定力を高め、積極的に自分をアピールしていく必要がありますが、こうしたやり方を苦手とする方は少なくないでしょう。

謙虚さこそ日本人の美徳、というのは間違いない事実ではありますが、客先出向というシステムの中では、正当な評価を妨げる考え方でしかないのです。

「地道な努力を見てくれる誰か」がいないことを、忘れてはいけません。

大切なのは、自分に自信を持つことです。もしも成果をアピールすることに気後れを感じるなら、堂々と胸を張って言えるくらいの努力をするよう、頑張っていきましょう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください