システム開発は個人で行うものではなく、時には何十人ものメンバーでチームを組んで取りかかるものです。しかし、大人数のスケジュールは正確に管理するのが難しく、しっかり整えられた資料がなければ、すぐにプロジェクトは破綻してしまうことでしょう。
優れた業務資料を作るためには、どのような項目が必要なのでしょうか。フォーマット作成の際に気を付けるべきポイントについて、まとめました。
WBS(Work Breakdown Structure:作業分解構成図)
プロジェクト全体のスケジュール管理で最も大切なのが、WBSと呼ばれる資料です。開発スケジュールや納期、メンバーの進捗率など、全ての進捗に関する情報を網羅しなければならないため、業務資料の中でも特に作成が難しいフォーマットです。
しかし、作業を円滑に進めるためには欠かすことのできない資料ですので、以下のような項目を用意しておくと良いでしょう。
プロジェクト全体の重要イベント
フェーズごとの納期を、カレンダー形式で記載し、一覧化します。
予実の開始、終了日
設計、開発、レビュー、テストなど、詳細行程スケジュールの予定・実績欄を用意します。開発者は自分の進捗に合わせ、実績を入力していくイメージです。
工数
日単位の工数を見積もっておき、欄外には月/担当者ごとの合計工数欄を用意しておいてください。
課題管理表
仕事のフェーズが進み、単体テストやシステムテストが始まっても、設計や開発が完全に終わることはありません。どれほど優れたSEであっても、仕様やコーディング面で一切の不具合を出さないは難しく、多少の手戻りは仕方がないことだからです。
テスト中に上がってくるいくつもの課題を管理する資料を、予め作っておきましょう。
管理者用の情報
一意で管理できる管理ID、対応時期、進捗など、プロジェクトの管理者が参照する項目です。
起票者用の情報
課題の対象となる機能名や現象、起票者、起票日などの項目です。
開発者用の情報
開発者が、自分が行った課題への対応内容、対応者、対応日などを記載する項目です。
確認者用の情報
起票者の最終的な確認結果の項目です。起票者コメント、確認者、確認日などが必要です。
勤務実績表
大半の企業では、日々の勤怠をシステムで管理していると思われますが、それとは別に、エクセルでも記入管理している企業は意外と少なくありません。これは日々の業務内容の報告を目的にしていることが多く、人事課や経営者のための資料であることがほとんどですね。
こうした日報代わりの資料は、前述の2つの資料と比べ、ある程度のシンプルさが求められます。毎日記入する資料ですから、あまりに複雑な内容だと、記入者の負担になってしまうのです。
勤務実績表には、以下のような最低限の項目だけを用意しましょう。
カレンダー
土日や祝日などは書式設定で色分けし、一目で分かるようにします。
入力項目
出勤、退勤、休憩、作業内容など、入力が必要な欄は最低限に抑えます。
計算項目(日次)
入力した内容から勤務時間や残業時間、累計時間が計算されるよう、Excel式を設定します。
計算項目(月次)
営業日数、勤務日数、合計勤務時間などを、合計欄で自動集計されるよう設定します。
Excelを最大活用する
こうした資料はExcelで管理されることが多いため、Excelへの習熟はそのまま使いやすさへと繋がります。例えば複数人で編集する可能性がある資料は、「共有化」機能を使えば、順番待ちの煩わしさから一気に解放されるわけですね。
エクセルをマスターすれば、それだけ優れた資料が作れます。是非一度、どんな使い方があるのか、勉強してみてはいかがでしょうか。