マイクロソフトの表計算ソフト「エクセル」をご存知ない、というSEの方は、まずいらっしゃらないですよね。見積もりや定義書、設計書や報告書を作成するのに非常に適しており、全ての資料をエクセルで作っている企業も、少なくありません。
エクセルの強みは、非常にシンプルで簡単に使えることですが、だからこそ、表面的な使い方だけで満足してしまってはいませんか?
今回は、エクセルの少し便利なテクニックについて、簡単にご紹介いたします。
選択したセルを、リンクした画像としてコピーする
まずご紹介するのは、入力した内容の画像化です。設計書の作成の際、「データパターンのマトリクスを画像として配置したい」、というケースは、良くありますよね。
しかし、単純に画像データにしたのでは、マトリクスの値が変わった時、再び表を画像化するのは面倒です。後々仕様変更が起こった際にも、修正漏れを起こしてしまう一因になる可能性もあるでしょう。
こんな時役立つのが、「リンクされた図の貼り付け」です。
以下に、その手順をご紹介しましょう。
- 画像化したいセル範囲をコピーする。
- コピー先で右クリックし、「形式を選択して貼り付け」の横の「▶」からサブメニューを開く。
- 「その他の貼り付けオプション」から、「リンクされた図」を選択する。
これによって作成された画像は、選択元のセルとリンクしており、マトリクスを編集すると、その値がそのまま画像データにも反映されるようになるのです。
データの一覧のグラフ化
データを直感的に整理する際、特に分かりやすい纏め方は、何と言っても「グラフ化」でしょう。大量データを一目で視覚的に把握できるため、非常に便利ですが、図形を用いて一からグラフを作るのは大変です。
エクセルでは、マトリクスのデータをそのままグラフの形に出来ることを、ご存知でしょうか。その実現には、以下の手順をご覧ください。
- シートタブで右クリックし、「挿入」を選択する。
- 一覧から「グラフ」を選択する。
- 作成されたシート状で右クリックし、「データの選択」を選ぶ。
- 対象のセル範囲と、縦横に表すデータを選択する。
こちらも前述のリンク画像と同様、元のデータを編集するとそのままグラフの方にも反映されるので、作り直しする必要もありません。
複数シートの印刷設定を一括で行う方法
最後にご紹介するのは、複数シートの一括印刷設定です。ブック全体を印刷しようとしたところ、せっかく行った印刷設定が最初のシートにしか反映されておらず、面倒な思いをしたことはありませんか?
実は「選択したシートを印刷する」「ブックを印刷する」とした場合、印刷設定をしても、それが反映されるのは、現在プレビュー中のシートに対してだけなのです。
これを一括で行うためには、プリンター本体の設定を変える必要があります。しかし、そうまでしても、既に開いてしまったエクセルには適用されないのが難点です。
そこで、次のような手順を試してみてください。
- プリンターの設定から、印刷設定を行う。
- エクセルの印刷ページで、使用するプリンターを別のものに変える。
- 上記2のあと、再度使用するプリンターに、上記①のものを設定する。
この手順を行うことで、プリンターのデフォルトの設定を再度読み込み、思い通りの印刷ができるようになるのです。
シンプルながら奥深い
ここでは3つほどの例を挙げましたが、エクセルに搭載された機能はまだまだ沢山あります。例えばピボットテーブル、テーブルの書式設定や表示のグループ化など、機能の存在を知っているだけでグッと作業が楽にできることもあるのです。
興味を惹かれた方は、一度エクセル関連の本を読んでみてはいかがでしょうか? 目からウロコが落ちるような、驚きの機能を見つけることが出来るかもしれませんよ。