IT業界の雇用についてはいろいろなことが言われています。たとえば、慢性的な人手不足、プログラマー35歳定年説、SIerへの取り締まり強化、M&Aの急速化によるリストラ増加、などなどです。

根も葉もないところに噂や憶測は立たないので、どれもまったく根拠がないわけではありません。IT業界が人手不足であることは事実ですし、プログラマーは年齢が上がれば上がるほど抜きんでた技術力かマネジメントスキルが求められます。

またSIerへの取り締まり強化は度々議論されていることで、今後業界全体が収縮していく可能性は高いでしょう。M&Aについても、企業の生き残りを掛けて吸収合併、買収、業務提携などが頻繁に行われるようになりました。

一社では市場の変化に対応できない企業が、手を組むことで技術のシナジー効果を狙うといったイメージです。他には経営者の高齢化による事業承継問題などもあります。いずれにせよIT業界には様々な市場変化や問題が発生しており、そのしわ寄せとしてベテランエンジニアがリストラされるケースも珍しくはないのです。

人件費をカットしたい場合には給与の高いベテランエンジニアほどリストラによるメリットが大きくなるので、企業がそのような判断を下すことにも違和感はないでしょう。そこでこのページでは、IT業界に見られるリストラの前兆を紹介します。

合わせてリストラされた場合の対策等についても紹介するので、早めに対策できる準備は早めにしておき、いざリストラされた際にも冷静に対応できるようにしておきましょう。リストラされない努力ももちろん重要なのですが、最終的に判断するのは企業なので自分の努力だけではどうにもならない場合もあるかと思います。

それでも自分の市場価値さえ高めておけばリストラされても問題ないので、自分の市場価値を高めるための対策については今すぐに始めても早すぎることはありません。

リストラの前兆を列挙


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リストラの前兆は企業によって異なる部分が多く、実際のところ上司、同僚、管理職などの態度からなんとなく悟るケースがもっとも多いかと思います。突然リストラされるといった話もありますが、前々から本人が空気感で薄々気づいていることが多いでしょう。

このようにリストラの前兆はなんとなく肌で感じるものかと思いますが、以下に一般的によくある前兆を列挙します。

  • 経営陣が移動したり退職したりしている
  • 経理や人事が残業している
  • 経費を削減している
  • 賞与等が削減されている
  • プロジェクトが減っている

以上のような前兆が挙げられます。自分自身に対する風当たりというよりは、会社全体がリストラの方針に傾いているときの前兆になります。いじめや自分自身の問題でリストラになる場合は、シンプルに周囲の人の態度が悪くなったりそっけなくなったりするでしょう。

 

経営陣が移動したり退職したりしている

経営陣は会社を引っ張る存在なので、一般社員のように頻繁に移動や退職するようなことはありません。それにも関わらず経営陣が移動や退職しているようであれば、会社が危機的な状況に瀕している可能性があります。

他の会社に吸収合併や買収される場合もあれば、倒産する場合もあるでしょう。実際IT業界ではM&Aの件数が年々増加しています。SIerの中小、零細企業だと買収されて自分がリストラ対象になる可能性もあるでしょう。

 

経理や人事が残業している

移動や退職が続くと、経理や人事の業務が増えます。その結果、周囲から見ても残業が増えているのが一目でわかるのです。経理や人事が暇な部署というわけではないのですが、一般的にそれほど残業が多いような部署でもないイメージがあるかと思います。

そのため、普段とのギャップでなおさらわかりやすいです。ただし、新卒社員が一斉に入社するようなタイミングはこれらの部署が忙しくなります。経理や人事が残業しているから絶対にリストラが増えるというわけではありませんが、一つの指標と考えておくと良いでしょう。

 

経費を削減している

人件費に限らず、消耗品等のチェックが厳しくなることがあります。単に不要な経費を削減しているだけという可能性もありますが、会社の財務状況が悪化している可能性もあるのです。

経費の審査が厳しくなったからといってすぐにリストラの危険を感じる必要はありませんが、可能性はゼロではないと肝に銘じておいた方が良いかと思います。

 

賞与等が削減されている

経費同様、賞与等が削減されている場合会社の経営状況が芳しくない可能性が高いです。経費に比べて、賞与はより直接的に会社の状況を反映させていると言えるでしょう。特にSIerでは資格に対して賞与が設けられていることが多いですが、会社の利益が減って賞与が削減される事例はかなり多いです。

今後おそらくSIerの状況は厳しくなると予想されますが、その際には賞与の削減も行われるでしょう。賞与削減の先にはリストラがあります。

 

プロジェクトが減っている

会社が参入しているプロジェクトが減っている場合、当然必要な社員の数も少なくなります。またプロジェクトが減っているということは、会社の利益も減っている状態です。コスト削減を第一目的にする場合、若手ではなくベテランエンジニアをリストラした方がメリットがあります。

年収の高いベテランエンジニアがリストラされてしまう可能性は十分にあるでしょう。技術力の高いベテランエンジニアならリストラされないと思われるかもしれませんが、企業が必ずしも高い技術力を必要としているとは限りません。

結局のところ重要なのはコストパフォーマンスで、たとえば会社が持っているプロジェクトが技術力がそこまで高くなくても良いものばかりであれば、給与の安い若手エンジニアの方にメリットがあります。

今後技術が進歩すれば誰でもシステム開発しやすくなるので、今まで培ってきた技術力を過信しすぎると危険かもしれません。

 

リストラされても良いように準備しておく


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リストラの話題が出ると、「リストラされると困る」「リストラされても次が見つからない気がする」「お先真っ暗だ」という感情に支配されてしまうかもしれません。しかし、だからといってリストラを自助努力だけでどうにかすることは難しいです。

リストラされないように会社に自分の存在価値をアピールすることも重要かもしれませんが、残念ながら会社にとって不要になればリストラされてしまう可能性はあります。中小、零細企業だけでなく、大手企業でも大々的にリストラが行われた事例はニュースで報じられていました。

リストラされないに越したことはないのですが、避けられない場合もあるので、いつリストラされても問題ないように準備しておくと良いでしょう。年齢を重ねると雇ってくれる企業がないと思われるかもしれませんが、自分の市場価値を高めておけば大丈夫です。

またエンジニアはスキル次第で自由に働けるので、個人事業主や起業という選択もあるでしょう。個人事業主や起業であれば、取引先が年齢を気にすることもありません。他の職種に比べると、エンジニアはリストラされてもやっていける職種と言えます。

ただし、会社の外の世界は一切わからない、現在市場でどのような技術が求められているのかまったくわからない、という状態だと会社員としても個人としても収入を得るのが難しいです。

会社のなかだけでなく外の世界にも目を向けて、勉強を続けていればリストラはまったく怖くありません。リストラの前兆があっても実際にリストラされても、むしろ新たなチャレンジのきっかけやチャンスと捉えると良いかと思います。日頃から自分の市場価値を高めておけば、エンジニアにとってリストラは新たなチャレンジのチャンスとなるでしょう。

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