プログラマーが在籍する企業にはいくつか種類があり、たとえばSIer、IT業界以外の社内システム部門、Web業界、などがあります。
その他特殊なものとしては、ゲーム、ソーシャルゲームなどもあります。
このなかで市場価値の高い最新技術を身に付けるのであればWeb業界がおすすめなのですが、今回はなぜWeb業界なのか解説していきます。
SIerは役割分担が明確で技術も使い回し
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SIerは大規模な業務システムを開発するケースが多いため、役割分担が進んでおり、なおかつ古い技術を使い回す傾向にあります。
そうすると、下流工程の担当者は全体が見えないままマニュアルに従って開発を進めることになります。
また新しい技術を導入する必要もあまりない場合が多く、業務システムなので何よりも安定稼働が重要です。結果的にあまり最新技術は身に付かないのですが、上流工程になればなるほどプログラミングに触れる機会は少なくなります。
下流工程も上流工程も技術志向というよりはドキュメント管理や業務知識の方が重要になるため、技術志向の人はSIerは避けた方が良いでしょう。
社内SEは技術よりも管理業務
社内SEも一応エンジニアではありますが、基本的にプログラミングに力を入れるような仕事ではありません。社内のパソコンやサーバーの管理がメイン業務で、社内システムを開発する際も外部ベンダーに依頼するだけで完了する場合が多いです。
IT技術を活かして社内をサポートしていく立場なので、最新技術を追いかけてスキルアップするようなことはほぼないでしょう。
ゲーム、ソーシャルゲーム業界は技術が特殊過ぎる
ゲーム、ソーシャルゲーム業界でも最新技術を扱いますが、ゲームという特殊な環境での技術です。注目度の高い主要技術はWeb系のものですが、ゲームの技術とは内容が異なります。
ゲーム業界で身に付けた技術は他でも役立ちますが、市場で需要の多いWeb系技術を身に付けるには多少遠回りです。
Web業界は最新技術を取り扱い、なおかつ一人ですべて担当する
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Web業界は最新のWebサービスを構築するケースが多いため、最新技術を取り扱うことが多いです。
逆に言えば、最新技術を学び続けないと市場から取り残されてしまいます。嫌でも最新技術を学ぶことになるので、学ぶ意欲のある人には最適な業界と言えるでしょう。
また、SIerと違って少数精鋭で開発を進めることが多いです。SIerと比べるとシステムの規模が小さいため、その分一人で担当する範囲が多くなるのです。客観的に見ると大規模システムに携わった方が良い経験になると思われるかもしれませんが、実は逆の場合が大半です。
IT業界においてはシステムの規模が大きくなればなるほど分業体制が進み、画一的な作業が多くなる傾向にあります。極端な言い方をすれば単なる歯車の一部になってしまうため、非常に偏った特定のスキルばかりを繰り返すことになります。
システム規模が小さくても、全般的に担当した方が一人でシステムを作り上げるスキルが身に付きます。Web業界であれば、最新技術が学べ、なおかつ一人で全般的に担当できるということです。
システム開発が楽しくなり、なおかつ市場価値の高いスキルも身に付きます。
独立したい人にもWeb業界はおすすめ
独立を推奨しているわけではありませんが、IT業界のなかには独立して自由度の高い働き方をしたいと考えている人も多いでしょう。
むしろ、独立するためのステップアップとして会社で技術を学んでいる人も多いかと思います。
そして、独立するにもWeb業界でスキルを身に付けるのがおすすめです。まずSIerについては、上記の通り分業体制が進んでいてなおかつ受託案件に多い最新技術はあまり扱いません。
また、業務用システムでシステムの規模も大きいため、個人で受託するようなWeb系開発案件に使える技術が少ないのです。私自身大規模システムをCobolやJavaで開発していてそこから個人で開発案件を受注しましたが、スキルチェンジのための学習が必要でした。
もちろんSIerの技術も役立たないわけではなくて大いに活用できるのですが、Web業界で身に付ける技術の方がすぐに個人での案件受注につなげやすいです。
ゲームについても案外組織的に作っているケースが多く、個人で受託できる案件はそれほど多くありません。
ゲーム業界から独立する場合、たとえばソーシャルゲームを個人開発してリリースする、といった選択になるでしょう。個人開発で当てれば一気に高所得層になれる可能性もありますが、難易度は高いです。
Web業界のスキルであれば、個人でWebシステムを開発して公開することもできますし、受託することもできます。受託しながら個人開発することで、リスク分散しながらヒットを狙っていくことも可能でしょう。
このようにWeb業界は最新技術を学べて楽しいだけではなく、その後会社員や個人で働く上での選択肢が多いです。なかには起業する人もいます。Web業界は人気なので参入障壁は高めですが、技術志向の強い人や、将来技術で自由に食べていきたい人には非常におすすめできる業界と言えます。