1.「1人で客先派遣はもう嫌だ」と思ったときにとるべき選択肢

特に零細、中小SIerでは、1人で客先に派遣されて苦しむ人は多いようです。私自身1人で客先常駐した経験はないものの、自社のメンバーと1人だけ担当が分かれた経験があります。

自社の他の人はフロントエンド担当で、自社内では私だけがサーバサイド担当になりました。周りが他社やフリーランスエンジニアばかりになるので手放しに質問しにくかったり最初は苦労するかと思います。

特に経験が浅かったりコミュニケーションがあまり得意でないと質問すべきことは山積みなのにうまく聞けない、プロジェクトについていけずに孤立してしまう、なんてこともあるかもしれません。実際よく聞く話です。

他にも理由はあるかもしれませんが、上記のような理由から「1人で客先派遣はもう嫌だ」と思われることもあるでしょう。そんなとき、どのような選択肢を取るべきか紹介します。

とにかくスキルを高める


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「エンジニアはスキルだけではない」「コミュニケーション能力がないとやっていけない」といったことは度々耳にします。これは事実なのですが、当然エンジニアにとってスキルは大前提になります。

またもう一点重要なポイントとして、「スキルが高い方がコミュニケーションが円滑になりやすい」ということもあるのです。プロジェクト内では雑談も交わされますが、会話の内容の多くは今作っているシステムに関する内容です。

つまり、スキルが低いと技術的な話を聞いてもよくわからず、自分から話すにもうまく話すことができません。結果的に会話がかみ合わなくなりますし、そうすると余計にコミュニケーションが苦痛になるでしょう。

上で私の例を紹介しましたが、私も新人に近い状態で周りが他社とフリーランスばかり、といった状況になったため、「質問すべき点と自分で考えるべき点の切り分けが難しい」「技術的な知識もシステムに関する知識も掛けているためうまく質問できない」「初歩的、的外れすぎる質問をして使えないと思われないか不安」といったことがありました。

自社内ならまだしも外部のプロジェクトに参加している場合プロのエンジニアとして見られるので、どうしても実力以上のことをしなければならない、使えないと思われてはいけない、といった心理が働きます。

これについての考え方は後述しますが、少なくとも技術力があると自信がついてコミュニケーションが円滑になる可能性が高いということです。技術力とコミュニケーション能力は切り離して考えられがちですが、少なくともシステム開発現場でのコミュニケーション能力は技術力と密接に結び付きます。

誰しも知っていることなら話しやすいですし、逆に知らないことはうまく話せないからです。またシステム開発現場には当然技術に興味関心が高く、話題のほとんどがそこに集結する人も多いです。

開発で活躍するだけでなく、コミュニケーションを円滑にするためにも技術力を磨きましょう。

開き直って積極的にコミュニケーションを取る

周りの人と話せば話すほど自分のことも伝わるため、もしもスキルが低ければそのことは周囲にすぐにわかります。スキルだけでなく人間性やその他のこともわかるため、コンプレックスも含めてさらけ出すことになるでしょう。

特に背伸びをしてプロジェクトに参加しているうちはなかなか難しいですし、実際それで「この人はあまり使えない」と思われる可能性もあります。しかし継続的に関わればどうせわかることですし、話しにくい人だと思われるよりはマシだと言えるでしょう。

なので、相手が自社の人かどうかや立場的なことに捉われずに積極的に話してみるのも一つの手です。すでに「1人で客先派遣はもう嫌だ」と思っているのであれば、状況的にこれ以上悪化することは少ないはずです。

むしろ積極的にコミュニケーションを取ることで状況が改善する可能性の方が圧倒的に高いので、わからないことはわからない、プライベートなこともどんどん話す、といった方針に切り替えるのもありかと思います。

私は上で説明したような期間を経てその後プロジェクトマネージャーとなりましたが、個々人の進捗状況やソースコード、設計書などを見ていれば話さなくてもその人の技術力や知識はだいたいわかります。

そして仮に現状の技術力や知識が不足していても伸ばしていけば問題ないと思うので、質問も積極的に行った方が良いでしょう。癖の強いプロジェクトマネージャーやその他ベテランのエンジニアは新人エンジニアに対して当たりが強く、「質問の論点がわからない」「君そんな技術力でよくエンジニアやってるね」といったことを言う人も存在します。

このような人はIT業界に限らずどこの世界にもいるのですが、「1人で客先派遣はもう嫌だ」と思う原因になり、また拍車を掛けることにもなるでしょう。自社の上司などの当たりがきついのも厳しいものがありますが、他社やクライアントとなるとなおさらストレスに感じることもあるかもしれません。

これは避けられないことなので、自分のスキルを磨いて自信をつけることと同時に、周囲と積極的にコミュニケーションを取って開き直っていくのが良いのではないでしょうか。自信をつけつつ開き直れば多少のトラブルがあったり何かを言われてもそこまで凹みません。

「1人で客先派遣はもう嫌だ」と思うことも減るでしょう。結局自分がやるべきことに集中していれば、周りが自社のメンバーか他社のメンバーかはあまり関係ないのです。

転職やフリーランス化を検討する


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上で説明した通り、自分自身が変われば周囲の環境が変わらなくても働きやすくなるケースは多いです。とはいえ、SIer自体業務時間が比較的長いのは事実で、1人で客先常駐するような企業ならなおさらでしょう。

今自分が変わって働きやすくすることはできますが、将来的な収入アップや労働時間の縮小を考えると転職やフリーランス化を視野に入れるのはありです。むしろ行動するかどうかは別にして視野には入れておいた方が良いでしょう。

私自身SIerでのプログラマー、システムエンジニア、プロジェクトマネージャーを経てフリーランスのエンジニアになりましたが、SIerよりもフリーランスにメリットを感じています。

またフリーランスでなくとも、Web業界への転職を検討している人は多いと思います。技術力を活かして収入や労働環境を良くしていきたいのであれば、Web業界への転職やフリーランス化は確実にメリットがあります。

さらに新しい可能性を考えることで今頑張れるというメリットもあるでしょう。上で説明した通りスキルアップやコミュニケーションに力を入れれば1人での客先常駐も乗り越えられる可能性が高いのですが、給料がそこまで高いわけでもないのになぜそこまで頑張らなければならないのか、業務のために勉強する意欲まで湧かない、といった意見があるかと思います。

これについて甘えだと言う人もいるかもしれませんが、私は当然の意見のような気がします。普通は目標がないと頑張れないのですが、単にSIerで働き続けるという目標だけでは努力水準を割り切っているような気もします。

そこで、Web業界への転職やフリーランス化といった目標を持てば結果的にスキルアップのために勉強や今の業務にも力が入ることになり、1人での客先常駐でも気にせず頑張れるかもしれません。

最終的に今の仕事を辞めるかどうかは別にして、自分のモチベーションを高めるためにも新たな可能性に目を向けることをおすすめします。私の場合もSIerが嫌で転職やフリーランスに目を向けた結果スキルアップのための勉強や今の業務に身が入り、プロジェクトマネージャーになるということがありました。

一時期は考え方を変えてそのままSIerで働き続けようかと思ったのですが、やはり将来性を考えてフリーランスを目指した形です。少なくとも他に目を向けた結果SIerでの労働環境も良くなったので、実体験を踏まえたうえでおすすめできることです。

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