IT資格の取得を志す人は多いかと思いますが、なかでも根強い人気があるのは国家資格です。基本情報技術者に始まり、スペシャリスト資格取得のために勉強している人も多いでしょう。
そして、近年応用情報技術者試験の次のレベルの試験として選択されることが多いのはセキュリティスペシャリストです。理由としては、難易度の観点と有効性の観点があるかと思います。
まず難易度としては、他のスペシャリスト資格に比べると比較的易しめです。計算問題が少ないので、計算が苦手な人でも取得できます。またセキュリティの重要度はますます高まっているので、セキュリティスペシャリストを保有することで業務に役立つと同時にセキュリティ意識の高さをアピールすることができます。
企業にとって情報流出等のトラブルは一気に信用を地に落とすことになるため、セキュリティスペシャリストを持っている人材はそれだけで安全性の高い人材に近づきます。セキュリティの重要性がわかっていれば情報流出のトラブルを引き起こすようなことも少ないでしょう。
このように取得しやすく価値も高いセキュリティスペシャリストですが、取得を目指すに当たっての勉強方法やその他関連知識について解説していきます。
セキュリティスペシャリストの勉強方法
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セキュリティスペシャリストの勉強方法についてですが、その前に大前提として応用情報技術者資格を取得しておく必要があります。応用情報技術者試験をパスしていなければセキュリティスペシャリスト試験を受けられないわけではないのですが、試験科目が多くなります。
先に応用情報技術者資格を取得しておけば試験科目が少なくなり、なおかつ内容も一部重複します。先に応用情報技術者資格を取得した方が試験の制度的にも勉強の進捗的にもメリットがあるので、そういった段階を踏むことをおすすめします。
基本情報技術者試験を飛ばして応用情報技術者試験を受ける人はいますが、応用情報技術者試験を飛ばしてスペシャリスト試験を受ける人は私の知る限り見たことがありません。試験科目が減るうえに早めに有資格者になることができるので、応用情報技術者試験を飛ばすという選択は考えられないでしょう。
すでに応用情報技術者試験に合格している人は、勉強方法はほぼ同じです。過去問をベースに参考書で必要知識を埋めていく形になるでしょう。動画講義などを利用している人は、それでも問題ありません。
どこから手を付けていくかは人それぞれなのですが、個人的には重箱の隅から攻めるような勉強方法はおすすめできません。先に過去問を見ていくような勉強方法が良いかと思います。
もちろん先に過去問を見ても解けるわけがなく、解説を見ても理解不能かもしれません。しかし、それでも先に過去問を見る価値は高いです。先に過去問を見ておけば、解くことも解説を理解することもできなくてもどのような問題が出題されるのかざっくり把握することができます。
過去問を把握しておけば参考書でインプットする際に要点がわかるので、自分のなかでメリハリを付けつつ勉強を進めることができるでしょう。たとえば参考書を読んでいて、「ここは過去問にも出ていたから重要だ」「ここは過去問で問われない部分だから軽く読み流そう」といった判断ができます。
すべて記憶、理解しようとすると効率が悪いので、過去問で問われる部分を優先的に理解して覚えていくということです。メリハリを付けることで必要な情報を収集できますが、それと同時に集中力もアップします。
何が重要なのかもよくわからないまま参考書をひたすら読むよりも、要点を考えながら読んでいった方が明らかに頭にも入りやすいからです。次に、先に過去問を見ることで何を意識して参考書を読めば良いのかもわかります。
セキュリティスペシャリストは計算問題こそ少ないのですが、考えるタイプの問題が多いです。IT資格全般に通じることですが、単に参考書を記憶するだけでは解けないのです。逆に言えば、考えて解くための材料がそろっていれば参考書を記憶する必要はありません。
理解することが重要なのです。しかし、過去問を見ずに先に参考書を読み始めてしまうと何を理解すれば良いのかがよくわかりません。書いている内容はなんとなくわかるかと思いますが、その知識が具体的にどのように問題として問われるのかがわからないので、問題を解くための知識としてインプットされないからです。
たとえばセキュリティスペシャリストではSQL文の問題などがよく出題されますが、選択問題だとどのSQL文で全レコードを取得できるのか、といった問題になります。参考書にはSQL文についての解説もされているのですが、なんとなく読み流しているだけだといざ問題を出された際に考えることができないでしょう。
「そんな風に書くんだ」となんとなく知っているだけだと、自分で考えてSQL文を作る、もしくは選択するのが難しいということです。逆にどのような問題が出題されるのかをあらかじめ知っていれば、参考書を読む際にも書かれている内容を使って頭のなかでSQL文を組み立てることができます。
これはあくまでも一例ですが、あらかじめ過去問を把握していることで参考書の情報の何に気を付け、何を考えながら読めば良いのかがわかるということです。
プログラミングスキルを身に付ける
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セキュリティスペシャリスト試験に合格するだけであれば、プログラミングスキルは不要です。基本情報技術者試験や応用情報技術者試験の方がトレース問題がある分プログラミングの知識が必要なくらいです。
そのためセキュリティスペシャリスト試験に合格するだけならプログラミングスキル不要なのですが、IT企業に在籍していてセキュリティスペシャリスト資格を取得するのであればプログラミングスキルも必須になります。
むしろ資格試験の取得よりも実務能力の方が重要です。資格はあくまでも補助的なものと捉え、本業で必要なスキルアップを最優先にすると良いでしょう。SIerでは比較的資格が重視されることも多いですが、Web業界などでは資格はそれほど重視されません。
なぜなら、実務的なスキルとはどうしてもずれるからです。国家資格は最新技術が反映されていないため、古めの内容になっています。ITの基礎を学ぶという点では良いのですが、必ずしも開発に直結するわけではないので、資格だけに集中することはおすすめできません。
一生SIerで働くのであれば資格手当等を狙って資格に特化するのもありですが、技術力を高めたい、フリーランスやWeb業界で活躍したい、ということであればぜひプログラミングを中心に技術力アップのための勉強に力を入れてください。
セキュリティスペシャリストを取得することで一定の評価や信頼性につながりますが、システム開発するためには開発に直結する知識やスキルの方が重要だということでした。