業務システムは、複雑に構築されたプログラムの集合体です。大きなシステムであればあるほど全体像を把握するのは困難で、一朝一夕でマスターするのは不可能でしょう。
その理解の手助けとなるのが、設計書という資料です。
優れた設計書さえあれば、どんな人でも開発に関われるようになり、スムーズにプロジェクトを進めることができるんです。
クォリティの高い設計書を書くためには、どのようなコツがあるのでしょうか? そのポイントのいくつかを、簡単に解説していきます。
平易な文を意識する
設計書はシステムの根幹となる資料ですので、どうしても堅苦しい文章にしてしまいがちです。あまりに難しい言葉ばかり使うと、読みにくくなるばかりですので、平易な文を意識しましょう。
図や表を使い表現する
設計初心者が陥りがちなのが、文章だけで説明しようとするケースです。難しい処理を作る場合は、ほどよく図や表を用いるようにし、直感的に理解できる形を心がけるのがベストです。
箇条書きでの記載を心がける
図や表と同様に、箇条書きもまた、直感的にシステムを理解させられる形式です。長い文章は短く区切るようにすると、劇的に読みやすい設計書になるでしょう。
誤字脱字は入念にチェック
誤字脱字を甘く見る人は少なくありませんが、意味が通じれば良い、というものではありません。読み手の立場になってみれば分かりますが、「誤字脱字が多いということは、片手間で作った資料なのでは?」と思われてしまいます。
表記揺れは厳禁
読みにくい設計書の代表的な例として、「データベース」「DB」「テーブル」「データ」など、同じ内容を別の言葉で書いているケースが挙げられます。意図的に書き分けているのであれば良いのですが、そうではない場合、読み手はいちいち言葉の意味を考えなければなってしまいますので、気を付けましょう。
関連文書のパスと場所
設計書はそれ単体で作ることは少なく、何らかの資料、例えば要件定義書などを読みながら作ります。そうした場合は必ず関連文書のファイルパスと、資料の何ページに書かれているか記載しておくと、情報を追いかけやすくなるので、オススメです。
変更履歴を必ず残す
仕様の決定に時間がかかる資料の場合、何度も同じ資料を修正することになります。忙しいときは面倒に感じてしまいますが、変更履歴は必ず残しておきましょう。「どういう理由で仕様が変わったのか」まで分かるようにしておくと、トラブル時の原因究明に役立ちます。
良い設計書がプロジェクトの成否を分ける
「設計書なんて意味が通じれば良い!」と考えるダメ上司は少なくありませんが、それは全くの間違いです。コーディング、テスト観点、後任への引継ぎなど、ありとあらゆる場で必要となるのが設計書という資料です。
プロジェクトそのものの成否を決める資料と言っても過言ではありませんので、全力を尽くして作成するよう、心がけてください。