業務システムを手掛けるSEの仕事は、デスクに座ってコーディングをし続けるばかりではありません。要件定義や設計書の作成など、コーディング以外にもやらなくてはならない工程はたくさんあります。
そうした作業の中には、自社内では対応出来ず、クライアントの企業まで足を運ばなければならないものもあります。例えば、リリース作業などが良い例ですよね。
出張が多い仕事はいくらでもありますが、SEは「パソコンが絶対必須になる」という点で、他の職種よりもトラブルを起こしやすい職種であると言えます。特にセキュリティ面では注意するポイントが多すぎて、それだけでも頭を悩ませてしまいます。
今回はそんな方々のために、SEが出張先で気を付けるべきポイントについて解説したいと思います。

SEはなぜ出張が多いのか?

SEが出張に行くケースは、打ち合わせか納品によるものがほとんどです。しかし、こうした作業はリモートでも出来るはずです。にも関わらず、なぜ現地で作業しなければならないケースが多いのでしょうか。
その疑問に対する答えは単純で、クライアントの都合によるものです。
セキュリティ面で自信が無いためにオンラインの導入に踏み切れなかったり、逆にガチガチに頑強すぎるセキュリティを構築してしまったために柔軟な対応が出来なかったり、様々なケースがあります。他にもIT導入が進んでいない企業の場合は、そもそも通信環境がまともに構築されていないこともあります。
こうなればSEは、直接現地に赴いて仕事をするしかありません。クライアントによっては飛行機を使うような遠方に出向かなければならないこともあり、交通費を含め様々な負担が発生してしまいます。

ビジネスPCリュックを使ってみる

ノートパソコンはSEにとって必需品ですが、大きくて重く、それでいて繊細な扱いをしなければならない、言わば劇物のような代物です。運ぶだけでも慎重に取り扱わなければならず、鞄にポンと放り込んでおくわけにはいきません。
耐衝撃ケースに入れるのが一般的な方法ですが、ただでさえ荷物になるノートパソコンが、更にかさばることになるため、一長一短であることは間違いないでしょう。
そこでオススメなのが、ビジネスPCリュックを使う方法です。見た目はゴツく野暮ったいことが多いのですが、ノートパソコンを入れることを前提にしており、外部の衝撃から守るクッション構造、撥水加工、各種周辺機器をしまうことの出来る多数のポケットなど、一度使えば病みつきになるほど便利な機能が目白押しです。
中にはリュック自体を2つに分割出来る商品もあり、片方にはパソコン、もう片方には着替えなどを入れて、泊りがけの出張にも対応したものもあるので、色々検討してみてくださいね。

各種周辺機器を持って行く

意外と持って行くのを忘れてしまいがちなのが、パソコン周りの各種周辺機器です。マウスやイヤホンマイク、Webカメラ、カードリーダーなど、仕事中に必要なガジェットはかなりの数に上ります。
特に忘れてはいけないのは、パソコンのバッテリーです。これが無ければ仕事になりません。パソコンと同様、重くて大きなバッテリーがほとんどですので、持ち歩くのは大変ですが、絶対に持って行きましょう。
次点で、スマートフォン用のモバイルバッテリーにも気を付けてください。うっかり充電を忘れ、客先に行きたいのに電話も出来ず、道も分からずという状態になっては仕事に影響が出てしまいます。
可能であれば、コンビニなどで購入したり、モバイルバッテリーのレンタルサービスの利用も検討しましょう。

うかつに公共のネットワークを使わない

仕事用のパソコンを利用するにあたって、最も気を付けなければならないのは、使用するネットワークの設定です。セキュリティの低いネットワーク環境に接続し、情報漏洩でもしてしまったら目も当てられません。特に、フリーWi-Fiの利用は絶対にやめましょう。セキュリティ面はほとんど期待出来ず、通信内容も簡単に盗み見されてしまいます。
カフェやその他の公共機関でノートパソコンを使用する際は、モバイルWi-Fiを使用したり、自分のスマートフォンを使ったテザリング接続を心がけてください。

各種アップデートは予めしておくこと

外部のネットワークに接続する以上、パソコンのセキュリティは可能な限り万全な状態にしておかなければなりません。インストール済みのツールは早めにアップデートしておき、万が一にもセキュリティホールが無い状態にしておきましょう。
中でも重要なのがWindowsアップデートです。セキュリティ面からも当然のことですが、いざクライアントの前でパソコンを開いた時、Windowsアップデートが始まってしまったら、打ち合わせどころではなくなってしまいます。
出張の際は、予めWindowsアップデートのスケジュールは把握しておくようにしておきましょう。

接待や飲み会は断ること

客先で打ち合わせや納品が終わった際、クライアントから打ち上げを提案されることがあります。情報漏洩リスクの観点から、機密情報を持った上での飲み会は厳禁としている企業が大多数だと思われますが、中には執拗に誘ってくるクライアントがいるのもまた事実です。
基本的には断らなければなりませんが、そうは言っても、クライアントをないがしろにするわけにもいかないため、やむを得ず打ち上げに参加せざるを得ないケースもあることでしょう。そういった場合は、せめてお酒は一切口にせず、節度ある対応をするよう心がけてください。

セキュリティインシデント

出張先にはPCやスマートフォンの他にも、資料や社員証など、機密レベルが高いものを多数持っていくことになります。どれか一つでも失くしてしまえば大問題になりますので、しっかりと手放さないようにしなければなりません。
よくあるケースとしては、電車や飲食店での置き忘れ、落下による破損、置き引きによる盗難などが考えられます。また、カフェなど公共性の高い場所でノートパソコンを開いてしまうと、横から覗き見されてしまう可能性もあるため、十分注意する必要があります。

直接会う機会を大切に

リモートワークが普及してきた現代、わざわざクライアントのところまで足を運ぶのは、何とも非効率に思われる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、クライアントはIT業界以外の企業であることも多く、そうした企業はまだまだリモート環境が整っていないところがほとんどです。そのため、未だにSEと出張は切っても切れない関係にあるのは間違いないでしょう。
普段と異なる環境での仕事は、非常に大変です。しかし、出張はクライアントと直接コミュニケーション出来る貴重な機会でもあるのは事実ですよね。
準備万端で出張に臨み、クライアントの信頼を勝ち取れるよう、頑張ってください。

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