働き方改革を進めるにあたり、残業の削減は、企業にとって避けては通れない問題です。しかしその実現までの道のりはなかなかに遠く、何の対策もせず「残業を減らせ!」とただ叫ぶだけでは、無能上司の誹りは免れません。

では、チームの残業を減らすためには、どのような方法があるでしょうか。現実的な手段をいくつか検討してみました。

 

上司が率先して帰る

残業削減において最も重要なのは、帰りやすい雰囲気作りです。和と勤勉を重んじる日本人にとって「残業=貢献」という考えは拭いがたく、特に若手社員は上司や先輩より早く帰ることに、強い抵抗を覚えてしまいます。

例えば、そう考えた新人が「定時で帰ると怒られそう」と30分だけでも残業したとしましょう。

1日だけで見れば僅かな時間ですが、月間で見れば10時間、年間で見れば120時間もの残業になってしまいます。これを何とかするだけでも、一気に残業時間を削減できるわけです。

上司が率先して早く帰る習慣をつければ、自然とチーム全体が「帰っても良いんだ」という意識になり、無駄な残業を自然と抑制することができるんです。

 

残業時間をメールで報告してもらう

上司が部下より早く帰宅した場合の問題点は、部下の残業時間を把握し辛くなってしまう、という点です。
毎日退勤時間を報告させる、というのも一つの手段ですが、これは上司部下共に面倒で、余計な負担がかかってしまいますよね。

オススメは、「○時間以上残業した場合のみ、帰宅時間をメール出報告する」という方法です。これなら上司の帰宅後、部下が仕事に手こずっても、翌朝すぐにフォローができます。また、部下のほうも「これ以上の残業はまずい」という意識が生まれやすくなります。

この時のポイントは、報告内容は「帰宅時間のみ」に限定することです。作業報告まで書かせてしまうと、それがまた余計な残業に繋がってしまいますので、注意しましょう。

 

担当とノルマをはっきりさせる

仕事を始める前に、プロジェクトの担当やノルマははっきりさせておかなくてはなりません。例えば、部下の仕事が思ったより早く終わったからと言って、次々に新たな仕事を追加するのは良くありません。

そんな仕事の与え方をすると、「頑張って早く終わらせても、別の仕事が増えるだけだ」と思われてしまい、モチベーションの低下に繋がります。

新しい仕事を振るのであれば、予定していたタスクが全て終わってからにするようにしましょう。

 

スケジュールは細かく設定しすぎない

開発スケジュールを決める時は、「製造○日、テスト×日、レビュー△日・・・」のような細かすぎる日程は避けましょう。トラブル時に調整しにくくなり、開発者にとっても、プライベートが拘束される結果になります。

この例で言えば、「製造・テスト・レビュー○日」のようなざっくりとした日程にすれば、「明日は早く帰りたいから、今日は残業しよう」という予定が立てやすくなり、ワークライフバランスの向上に効果的です。

 

大事なのは「早さ」ではなく「正確さ」

作業速度の向上は、残業の削減に最も効果的のように思われがちですが、それは誤りです。

本当に大事なのは、「早さ」よりも「正確さ」です。

不具合の対応ほど時間をとられるものはないので、急がば回れの精神で、バグを出さないよう注意しましょう。

 

働き方改革は、チームで行うもの

システムエンジニアとは、要件定義、コーディング、テストなど、膨大な時間をかけて複雑なシステムを作る職業です。個人個人でできることには限界があるため、本格的に残業抑制をするのであれば、業務レベルでの改善が必要になります。

より良いワークライフバランスを保つために、チーム一丸となって計画的に仕事をこなしていきましょう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください