SEは自由度の高い働き方ができるというメリットがありますが、そのためにはスキルが必要です。今の時代スキルがそこまで高くなくてもできる仕事もありますが、収入を上げていくためにはスキルアップの方向性も明確にしながら仕事を受けていく必要があります。

今回は、個人事業主を目指すSEにはどのようなスキルが必要なのか、また必要なスキルをどのように検討すれば良いのか、といったことについて解説していきます。

スキルの選定方法

個人事業主を目指すSEに必要なスキルは状況によって変わります。もちろん集中力やリサーチ能力や基礎的なプログラミングスキル、営業力、コミュニケーション能力、といった根本となるスキルは状況に関わらず普遍的なものですが、開発に必要な個別具体的なスキルは状況によって変わるのです。

たとえば数十年前の個人事業主のSEはアセンブリ、Cobol、Javaなどのスキルが高かったはずですが、現状ではWeb系言語を主に扱っているフリーランスエンジニアが多いでしょう。

この例は非常にざっくりしていますが、フレームワーク、データベース、システムの詳細、といった点にまで目を向ければもう少し詳細なリサーチが必要になります。ではどのように必要なスキルを選定すれば良いのでしょう。

それは、実際に募集されている案件を調べることです。特に開発案件の受注を考えている場合、先にどのような案件が募集されているのか調べた方が良いです。何かコネがある人は別にして、そうでない人はネットで検索してみることをおすすめします。

クラウドソーシングサービスでもフリーランスエンジニア専用のサイトでも良いですが、実際の案件を見てどのような案件がどのくらいあるのかを確認します。サイトによってはプログラミング言語ごとの案件数などが表示されているので、言語についてはそこでニーズを知ることができます。

システム詳細やフレームワークについても概要欄にある程度記載されているので、複数案件の募集にざっと目を通してみることをおすすめします。このように案件に目を通し、それに必要なスキルを逆算して身に付けていくのです。

やみくもに勉強しても募集案件とスキルがマッチしていないと非効率なので、案件を見てスキル選定をしてから勉強すると良いですね。

どこから始めるべきか

案件のリサーチをすると複数のスキルが求められていることがわかりますが、どの案件から攻めるべきか迷うかもしれません。その場合、すでに得意なスキルを活かすか、現状スキルが不足している場合は簡単なものから取り掛かるのがおすすめです。

なるべく単価の高い案件の多いスキルから習得したくなるかもしれませんが、当然難易度が高くなります。開発自体の難易度も上がりますが、実績がないとそもそも勉強が完了していても仕事を受注するのが難しいです。

単価が安くても簡単な案件から実績を積んだ方が仕事を獲得しやすく、なおかつ受注後に失敗することも減ります。背伸びをし過ぎると開発で苦労することになり、場合によっては完成させることができないかもしれません。

最初はスキルアップと実績の積み重ねを優先し、利益は度外視するくらいの気持ちでいた方が良いでしょう。仕事の受注時にはだいたいポートフォリオの提出が求められますが、たとえ最初は単価が安くても実績を積み重ねればより大きな仕事を取れるようになっていきます。

これが会社員との大きな違いで、スキルと実績を積み重ねれば徐々に単価は上がっていきます。また開発に慣れると開発スピードも上がるため、より短時間で効率的に稼げるようになるでしょう。

目先のお金よりも、スキルや実績を積み重ねて将来的に稼げるようになることをおすすめします。

コミュニケーションスキルについて


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技術の選定や仕事獲得の流れは上で説明した通りですが、仕事を受注する際にはメッセージを送付する必要があります。また実際に仕事を獲得した後は、クライアントやプロジェクトメンバーと連絡を取ることもあります。

この辺は案件によりけりで、メッセージのみでやり取りする案件もあればスカイプ等で会話する案件もあります。スカイプも顔出しで会話することもあれば、音声のみで通話することもあります。

ほとんどの人は特に制限はないかと思いますが、どうしても顔出しの通話は厳しい、通話自体厳しい、といった方はメッセージのみのやり取りで済む案件等を選ぶ必要があるでしょう。

ただし案件の難易度が上がって単価が高くなればなるほど通話する確率も高くなるので、最終的には通話は視野に入れておいた方が良いと思います。逆に、簡単な案件であればメッセージのやり取りのみで完結するケースが多いです。

最初のメッセージについてですが、最初は自分からメッセージを送る必要があります。実績を重ねればクライアントから連絡が来ることが多いですが、それでもメッセージでのやり取りになるので、ビジネスメールの基本は身に付ける必要があります。

もともと会社員の人はそこでメールのマナーは学んでいるはずなのでまったく問題ありません。主にアピールする内容としては、なぜその案件に応募しようと思ったのか、自己紹介、ポートフォリオ、などです。

アピール文のルールが完全に決まっているわけではありませんが、ネットで探せばフォーマットやサンプルのようなものもあります。実際にメッセージを送る段階になってからで良いのですが、文章を書く前にフォーマットとサンプルに目を通しておくのがおすすめです。

ざっと見れば流れがわかるくらいなので、アピールするためのメッセージとはいえそれほど難しいものではありません。以上をまとめると、個人事業主のSEには基本的なコミュニケーションスキルが必要であるものの、雑談や営業トークのようなものが求められることはあまりないということです。

最初のアピールメッセージと、プロジェクトが開始してから技術的な話を正確に伝達できる能力があれば問題ありません。

個人開発の場合に必要なスキル


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上で紹介してきた内容は仕事を受注する場合の話です。個人でWebシステムやアプリケーションを開発する場合は事情がやや異なります。もちろんスキル的に重複する部分は多いのですが、個人開発の方が難易度は高いと言えるでしょう。

受注仕事の場合開発する内容はあらかじめ決められており、なおかつ作った分は確実に報酬になります。一方で、個人開発の場合システムの内容から収益化の方法まですべて自分で決めなければならないのです。

また作ったものが確実に収益になるとも限らないため、意志力が重要になります。技術的には受注を繰り返していればスキルアップし、個人開発にも結び付くスキルを身に付けることができます。

システムやアプリのアイデアも受注していればいろいろなものを見るため、「こんなシステムを開発すれば売れるかもしれない」「面白いアプリのアイデアがあるから広告を載せてみよう」といった発想に至りやすいです。

このように受注と個人開発はスキル的にもアイデア的にも直結するのですが、それでも個人開発の方が難易度が高いです。その理由はやはり意志力の問題で、収益になるかどうかわからない、すべて自分で考えなければならない、といった状況で継続するのは思っているより難しいのです。

実際私自身受注開発と並行して個人開発に取り組んだ経験がありますが、結局受注の方に注力するあまり個人開発が放置されたり、収益になるかどうかわからなくてモチベーションが下がったりした経験が何度もあります。

個人開発は当たれば受注とは比較にならないほど大きなお金になりますが、すぐに収益化できるわけではなく、その間の忍耐力が求められます。開発が好きな人なら楽しみながらやれるかもしれませんが、それでも受注すればすぐにお金になります。

どうしてもすぐにお金になる受注開発の方に目がいってしまうので、最終的に個人開発でヒット商品を作りたい人は意志力が重要になるかと思います。

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