長時間残業の代名詞というSE業界では、毎日終電で帰らなくてはならない企業も少なくありません。そんな生活に耐え切れず、転職しようと思っても、全くの異業種となると、敷居が高すぎるのもまた事実です。
理想はSEという職種を変えないまま残業だけを減らすことですが、そのためにはどんな方法があるでしょうか。
残業の少ないSEになるための転職のポイントについてまとめました。
求人票に満遍なく目を通す
まずは基本中の基本、求人票の吟味の方法です。真っ先に目が行くのは残業時間の記載だと思いますが、見るべきポイントはそこだけではありません。
他にも注意しなければならない重要な項目について、いくつかピックアップしました。
・月の平均残業時間
この項目は鵜呑みにはせず、参考程度に考えておく方が無難です。本当に残業が多い会社が、実情を書くことは稀でしょう。記載してある時間に、10~20時間ほどプラスした時間で考えておいた方が良さそうです。
・給料
残業時間が少なくても、みなし残業制を採用している企業は要注意です。他の業界ならともかく、残業過多になり易いSE業界では、何十時間分もただ働きさせられる可能性があるので、避けた方が無難です。
・年間休日日数
土日と祝日全てに加え、夏休み数日と年末年始を休んだ場合の年間休日日数が、凡そ120日になります。年間休日日数が少ない職場は、月の所定時間が多くなるので、残業が少なくても返って仕事量が多くなりがちだということを、覚えておきましょう。
大手企業を選ぶ
フレックス制やプレミアムフライデーを採用している大手企業は、残業時間の心配せずに済む可能性が高いです。福利厚生に力を入れている分、社員の残業にも気を配ってくれていると思われます。
また、企業の規模が大きいほど、一次請企業になる可能性が高くなることも覚えておきましょう。二次請、三次請の企業は無茶な予算や納期の仕事になりやすいので、真っ当なスケジュールで仕事をしたいなら、企業規模には気を配っておいた方が良さそうです。
人によっては特定派遣、派遣が狙い目
優秀なスキルを持つ人の場合、残業を減らすためには特定派遣や派遣としての勤務形態も狙い目です。正社員に比べて人とのしがらみがないので、自分のノルマさえさっさと果たしてしまえば、付き合いでの残業をしなくて済むのです。
ただし、現場によっては直裁的に「もっと残業しろ」と要求してくることもありますので、それを断るだけの鉄の意志は必須です。
いずれにしても、残業過多の職場を離れやすいメリットがあるので、こういった選択肢も考えてみてはいかがでしょうか。
口コミや転職エージェントを活用する
過剰な残業を避けるための、最も確度の高い情報は、現場の生の声です。しかし、勤めようと考えている会社に、都合よく知り合いがいるケースなんてほとんどありませんよね。
そんな時頼りになるのは、転職サイトの口コミや、転職エージェントが持つ独自情報です。
どちらも現職者や退職者から直接得られる情報ですので、かなり有用な判断材料になるでしょう。
また、情報元が匿名である点もメリットです。嘘偽りない情報である可能性が高いので、転職先を決める際には、一度は目を通しておくべきです。
SEである限り、ある程度の残業は覚悟しておく
ご紹介した通り、残業を「出来るだけ」減らす方法はありますが、完全にゼロにするのは難しいのが実情です。納期間際に追い込みがあるのはどんな業界でも同じですし、新しいプログラムのリリースの直前、直後には休日出勤も余儀なくされます。
大事な点は、「ある程度」の基準を決めておくことです。
残業代や代休は必ず請求するようにし、折り合いのつく働き方をしましょう。