現状、世界的に個人事業主の人口が増加しており、アメリカをはじめ特に先進国でその傾向は顕著です。
日本は先進諸国のなかでは比較的個人事業主の増加が緩やかなのですが、それでも近年増加しています。今後も個人事業主の数は増えていくことでしょう。
多くの人が個人事業主という働き方を選択する背景には、IT化が進んで在宅やノマドでも市場に参入しやすくなったこと、その結果個人で実績を残す人が増えたこと、といった理由があります。
個人事業主が活躍するようになったということは、逆に言えば会社員の立場が相対的に不利になっていくということです。規模の観点では法人の方が有利ですが、自由度が高く臨機応変に動ける個人事業主が仕事を獲得する割合が増えています。
特にIT業界ではその傾向が顕著で、スキルの高いプログラマーほど会社員でなく個人で活動するようになっていますね。そこで出てくる疑問が、個人事業主はどこから仕事を獲得しているのか、ということでしょう。
今回は個人事業主が仕事を獲得するルートについて紹介します。
会社員時代のコネを使う
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昔ながらの方法としては会社員時代からのコネがあります。ITの活用が主流になる以前から一定数個人事業主は存在しましたが、その頃は人脈を活かして仕事を受ける方法が一般的でした。
そのため、個人事業主になる前になるべく社内や取引先と良い関係を築き、独立した後に仕事を回してもらうイメージです。そして、現代でもこの方法は有効です。ただしデメリットもあり、それは人間関係に依存し過ぎるということです。
仕事なので当然お互いに生産性やコストパフォーマンスを考えてやり取りしているわけですが、どうしても感情的に仕事を回したりもらったりしている部分があります。
つまり、「本当はもっとコストパフォーマンスの高い人に仕事を回したいが、お世話になったから言い出しにくい。」「本当はもっと単価の高い案件を受けたいが、今までの関係を壊したくないから言い出しにくい。」といったことが起こるのです。
そのままずるずる継続するのはお互いのためになりませんが、どちらかが取引停止を宣言すると言われた方が困るかもしれません。たとえば、コネで仕事を受注していて、生産性が低いということで取引停止されたらそこから路頭に迷う可能性があるでしょう。
実際は他の方法で仕事を獲得すれば良いだけなのですが、コネに依存しているとどうして良いのかわからなくなるかもしれません。そこで、コネで仕事を獲得するのは良いのですが、「取引停止になった際の戦略を用意しておく。」「契約内容にメリットがないと思ったらきちんと断る。」といった点には注意が必要です。
仲介業者を利用する
転職する際に多くの方は転職サイトを使用するかと思いますが、個人事業主向けのサービスも存在します。
個人事業主という働き方が一般化している時代なので、逆に言えば会社員も積極的に個人事業主と取引しています。
個人事業主に依頼すれば必要な分だけのコストで済むので、会社員として雇って給与を支払い続ける必要がありません。また過去には派遣社員として雇っていらなくなったら切り捨てる「派遣切り」が問題になりましたが、派遣切りするなら最初から個人事業主に依頼した方が良いでしょう。
個人事業主との契約なら最初から必要な期間だけ契約できますし、個人事業主も特定の会社との取引に依存しているわけではないので、契約が継続しなくても問題ありません。このような法人と個人事業主のニーズをマッチングさせるのが仲介業者です。
仲介業者の特徴としては、主に出社する形態の案件を取り扱っていることです。一言に個人事業主と言ってもいろいろな働き方があり、在宅やノマドで働く人もいれば会社員同様オフィスに行って働く人もいます。
そして、仲介業者では主にオフィスに出社するタイプの案件を取り扱っています。個人事業主側のメリットとしては、比較的会社員と近い働き方をしながら給与アップができ、スキルが上がれば自由に案件を乗り換えやすいということです。
会社員の場合スキルアップしても案件が固定で給与も上がらない場合が多いですが、個人事業主なら案件をある程度自由に選択できるので、スキルに応じた報酬を得やすいです。
クラウドサービスを利用する
クラウドサービスも仲介業者と似ているのですが、クラウドサービスの方が「在宅やノマド案件を中心に取り扱っている」「クライアントと個人事業主が自由にやり取りしやすい」「短期でも長期でも自由に契約しやすい」「複数のクライアント個人事業主と契約しやすい」といった点に違いがあります。
クラウドサービス経由での請負はもっとも今の時代の個人事業主のイメージに近いかと思います。
納期こそあるものの、自由度の高い働き方です。専門的なスキルの高い人も、主婦業の傍ら副業的に取り組んでいる人もいます。
デメリットとしては、上記二つの方法に比べて単価が低くなりがちということです。契約の度にクラウドサービスに仲介手数料を取られますし、クライアントからすると多くの人に提案できる分個人事業主同士の競争率が高くなります。
その結果単価が抑えられるので、高収入は目指しにくいかもしれません。しかし、クラウドサービス経由で仕事を取りつつスキルアップすることが可能で、また直接契約につながる可能性もあります。
Webサイト経由で仕事を取る
より新しい仕事の取り方と言えますが、自分のWebサイト、もしくは法人側のWebサイト経由で仕事を探すことが可能です。
まず自分のWebサイト経由で仕事を取る場合、Webサイトを開設し、そこに実績やスキルを掲載します。
このWebサイトを見た法人や個人から仕事が入ってくる仕組みになります。軌道に乗れば勝手に仕事が入ってくるという非常に効率的な方法なのですが、そのためにはWebサイトが検索エンジン上で上位表示される必要があります。
Webサイトが上位表示されるためにはサイト内のコンテンツを充実させ、また最低でも半年から1年程度は期間が経たないとサイトが評価されるようになりません。自分のWebサイト経由で仕事を取れれば非常に効率的なのですが、ハードルは高めと言えるでしょう。
次に仕事をWebサイト経由で募集している企業や個人を探す方法もあります。自分のWebサイトを上位表示するのは難しいですが、募集されているWebサイトは探すのは難しくありません。
クラウドサービス経由で仕事を取るよりも仲介料が掛からない分お得なこともあるので、探してみると良いかもしれません。
SNS経由で仕事を取る
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特にライターやエンジニアに多い手法ですが、SNS経由で仕事を取ることが可能です。
法人や個人がSNS経由で個人事業主を募集していることがあります。また、自分のSNSから仕事の依頼を募集しておくことで、依頼が入ることもあります。
ただし、SNSだけで完結させることは難しいので、補助的に使うことをおすすめします。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
ツテという昔ながらの方法から、SNSといった時代にあったルートまで紹介してきました。
もちろん今回紹介した以外のルートでも仕事を獲得することは可能でしょうが、是非参考になさってください。