現在会社員として働いている方のなかには、フリーランスに憧れる、フリーランスとして自由に働きたい、といった気持を持っている方も多いかと思います。しかしフリーランスSEを目指すに当たっていくつかの懸念事項があり、そのなかでも「どのくらい稼げるのか」という点は気になるポイントでしょう。
スキルやどのくらい働くのかによって稼ぎは変わってくるため一概には言えないのですが、ケースごとの目安を解説していきます。
スキルが高くて個人開発できる場合
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フリーエンジニアの最高峰の事例なので夢のまた夢といった感じかもしれませんが、目標にもなるので最初に最高のケースを解説しておきます。スキルが高くて個人開発している場合、収入は青天井です。
年収数1,000万円のエンジニアも多く、人によっては億単位です。作業した分に対して報酬が支払われるのではなく、収入源が広告収入や販売価格になります。一度作ればそれが資産になり、ある意味勝手にお金を生み出してくれます。
なのでフリーランスSEの収入は労働量に必ずしも比例するわけではなく、自分の資産としてアプリケーションを構築している人は一日一、二時間の労働で年収が数1,000万円というケースもあるのです。
もちろんそこに至るまでには技術の勉強や手を動かしてシステムを作ることが必要なのですが、戦略次第では最終的に自分はほとんど動かずにお金が生み出される仕組みを作ることが可能です。
ただし受託仕事と違って自分が作ったアプリケーションがヒットするかはわからないので、徒労に終わることも少なくありません。もちろん収入にはならなくても自分自身の勉強にはなるので無駄ではありません。
そうは言っても収入にならないと食べてはいけないので、いきなり個人開発に集中できる人はほとんどいないかと思います。まずは受託から初めて、余力が出てきたタイミングで個人開発も取り入れていくのが現実的かと思います。
スキルが高くて受託に集中する場合
スキルが高くても個人開発は徒労に終わる可能性が高いので手を出せない、受託で確実にお金が入る方法が良い、といったフリーランスSEも多いかと思います。この場合収入が青天井とはいきませんが、逆に言えばまったく収入にならないこともありません。
むしろスキルが高ければ受託開発で十分な高収入に持っていけます。あくまでも目安ですが、受託が中心のハイスペックエンジニアで年収1,000万円程度かと思います。突出した技術力を持っている場合エリートサラリーマンのように2,000万、3,000万と稼ぎ出すことが可能かもしれませんが、そのためには単価を引き上げるだけのスキルが必要です。
受託でスキルアップしながら稼いでいくのは良いのですが、一定レベル以上になると収入が頭打ちになり、後は労働時間を増やしたり集中して短時間で仕上げるしかなくなってくるでしょう。
労働集約型の働き方はどうしても限界があり、労働時間を減らすとそのまま収入も落ちてしまうことになります。一定上受託で稼げるようになったら、どこかで個人開発に移行していった方が良いのかもしれません。
この辺は人によって考え方が異なるので一概には言えませんが、余力があれば資産構築の方に労力を割いた方が後々のメリットは大きいでしょう。
平均的なスキルの場合
SEのスキルを客観的に図るのは難しいのですが、一通りの仕事をこなせる、難しい案件でなければ受託しても問題ない、といった程度のスキルの人は多いかと思います。この場合選択肢が多くて迷うかもしれませんが、受託に集中するもよし、個人開発にチャレンジするもよし、といったところでしょう。
絶対に作業分の収入を得たい場合は受託に集中した方が良いですし、逆にたとえ収入にならない可能性があってもチャレンジしたいという方は個人開発にチャレンジしてみるのも一つの手です。
受託に集中した場合、年収は数百万円になるかと思います。平均的なスキルのエンジニアであれば、同じ仕事量なら会社員よりもフリーランスの方が年収は高くなります。理由としてはいくつか挙げられますが、会社に仲介料を取られない、社内業務がない分開発に集中できる、といった理由が挙げられます。
またスキルが平均的でもやる気次第で仕事はいくらでもあり、時間と労力の許す限り受注できます。そのため単価が多少低くても稼ぐことは可能で、そうしているうちにスキルアップも図れます。
受託と個人開発については将来的にどうしていきたいかで戦略が変わってくるので、目先の生活を守る観点と、目先のお金だけに捉われない両方の観点が必要かもしれません。結局のところ受託だけを繰り返していても収入は頭打ちになり、フリーランスであっても自由な生活ができるわけではありません。
逆に個人開発に集中するあまり生活費がなくなっては本末転倒なので、受託仕事で生活費は確保しつつ、将来的な資産構築に労力を割いていくのが現実的なのではないでしょうか。
まだそこまでスキルが高くない場合
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プログラミング経験が浅い、そもそもほとんど経験がない、といった方はまず受託仕事に集中するのがおすすめです。受託に必要なスキル要件も満たしていない場合は、先にスキルアップのための勉強が必要でしょう。
受託仕事をこなしていくうちにスキルアップしていき、単価も徐々に上がっていきます。逆にいきなりスマホアプリを開発してリリースするといった個人開発にチャレンジするのもありですが、収入にはならない可能性が高いです。
収入にならなくても生活できる環境であれば、受託せずに個人開発するのも一つの手と言えます。しかしほとんどの人は生活のためにお金を稼ぐ必要があるので、受託に専念するのが現実的でしょう。
最初のうちは労力的にも時間的にも受託と個人開発を並行するのは困難なので、当面は受託仕事に集中してスキルアップを狙っていくのがおすすめです。スキルが上がれば働き方の自由度が増え、受託しながら個人開発するようなことも可能です。
またスキルがそこまで高くない場合、受託でも単価の高い仕事を取るのが難しいです。時給換算するとアルバイトよりも安いことが多々ありますが、最初のうちの辛抱と思って頑張るしかありません。
最初のうちはフリーランスとしての仕事に慣れることやスキルアップが目的なので、目先の収入に落胆するのではなく将来的に単価を上げる、個人開発でヒット商品を作る、といった目標を持って頑張ると良いでしょう。
最初のうちは休みなしで一日中頑張っているのにサラリーマンの平均年収以下、生活していくのがやっと、といった状況かと思います。スキルがもともと高い人は別にして、ほとんどの場合最初は会社員よりもむしろ大変です。
開発が難しいだけでなく税金などの事務仕事、ちょっとした営業活動などもこなさなければなりません。フリーランスになったことを後悔するレベルかもしれませんが、目標と戦略を持って継続的に努力すれば徐々にフリーランスの恩恵を受けられる可能性が高く、最終的にはフリーランスになって良かったと思えるかもしれません。
もちろん会社員には会社員の良さが、フリーランスにはフリーランスの良さがあるので断定できることではありませんが、フリーランスの方が自分の努力に応じて確実に収入アップし、それと同時に理想の働き方を実現しやすい環境にあります。
逆にさぼってしまうと生活が苦しくなってしまうのがフリーランスの厳しさでもありますが、メリット、デメリットを知った上で努力できるのであればフリーランスSEは非常におすすめできる職業です。
特に最初のうちは自由な働き方どころか大変さの方が際立ち収入的にも厳しいかもしれません。それでも伸び代が大きい分チャレンジする価値は十分にあるということでした。