情報社会となった現代、セキュリティシステムはどんどん技術革新が進んでおり、中でも生体認証は、最もセキュアな認証方法です。
ですが、そんな生体認証も、完璧なセキュリティではありません。むしろ生体認証だからこその弱点があることは、ご存知でしょうか。
過信しすぎると危険な、生体認証の問題点について、ご紹介します。
情報漏洩時のリスクが他の情報より大きい
生体認証は個人情報の中でも特に偽装が難しい情報であるため、重要な情報の管理に使われがちです。万が一生体情報のデータを盗まれてしまうと、どんな被害を受けることになるか分かりません。
また、自分の意思で変えることが非常に困難な情報ですので、一生セキュリティリスクを背負うことになってしまうのも、問題点と言えるでしょう。
体調や温度変化に弱い認証もある
人体の微細な情報を読み取る認証システムであるため、中にはわずかな体調の変化すらも読み取ってしまうものもあります。
例えば筆者が関わった案件の中には、指の静脈認証を用いた勤怠システムがありましたが、寒い日は水仕事の後などの認証では誤認証が多発してしまい、クレームの嵐となってしまったことがあります。
100%の精度ではない
生体認証はまだまだ発展途上の技術であり、完璧な精度で行うためには高性能の機器が必須となってしまいます。そんな機器を全国の店舗に展開させようとすると、莫大なコストが必要になるため、認証の際にはIDやパスワードなど、他のセキュリティ情報との併用が推奨されているのです。
もしも生体情報のみで管理するようなシステムを作りたい場合は、使用する認証機器の性能をじっくり調べてから判断するようにしましょう。
経年変化で認証できなくなる
生体認証における最大の弱点は、誰もが逃れられない〝時間の経過〟に他なりません。加齢による人相の変化、指紋の摩耗、怪我や病気による身体の変化など、認証システムが使えなくなってしまう可能性はいくらでもあるのです。
どんなシステムにもメリット・デメリットが必ずある
ここまでいくつもの弱点を挙げてきた生体認証ですが、これほど研究が進んでいるのは、それを上回るメリットと発展性が認められているからです。
パスワードと違って失念してしまうことがなく、IDカードのように持ち運ぶ必要もない、素晴らしいシステムであることは、疑いようのない事実ですよね。
いずれ精度も効率もずっとレベルアップしたシステムが出てくるのは間違いないので、それまでは上記で挙げた点に注意しつつ、生体認証を有効活用していきましょう。