せっかく転職したのにブラック企業だった、かといって辞めたら履歴書に傷が付いてしまう、そもそも辞めさせてくれそうな雰囲気ではない、といったケースは非常に多いです。
なかには辞めたいと言った社員に対して嫌がらせをし、周囲の社員への見せしめにするような企業もあるようです。
このような企業で働き続ければ偏った忍耐力は身に付きそうですが、それ以上に失うものの方が圧倒的に多そうです。理不尽な我慢をして忍耐力を磨くよりも、きちんと仕事に集中してスキルアップした方が圧倒的に自分の市場価値を高め、精神衛生上も良いでしょう。
そこで今回は、転職したらブラック企業だった場合の対処方法について解説します。
試用期間の離職は履歴書に書くべきか
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ブラック企業に転職してしまった場合辞めるかどうか考えるかと思いますが、その前に試用期間の離職を履歴書に書くべきかどうかについて先に考えておいた方が良いです。
なぜなら、それによってすぐに辞めるべきかどうか判断が変わってくるからです。
もしも試用期間の職歴を履歴書に書かないのであれば早く辞めた方が良いですし、そうでないなら我慢できる限り焦って辞める必要はないでしょう。
そして試用期間の職歴を履歴書に記載すべきかどうかについてですが、賛否両論あります。
法的には試用期間の職歴は履歴書に記載する必要がないのですが、専門家や人事によっては信義則違反と捉える場合もあります。
つまり、試用期間の離職を知っていたら採用しなかった可能性があるのだから、重要な情報を意図的に隠していた、という判断です。
試用期間の職歴を履歴書に記載していなかったことが後から発覚すると、それが原因でクビになってしまう可能性はあります。
バレる確率はそこまで高くないので書かない、という選択を取るのであれば、試用期間中に辞めた方が良いでしょう。
ただし試用期間に離職したことを履歴書に書かない場合、その間無職だったことになります。さすがに前職の経歴を伸ばすのはリスクが大きいからです。
どのような選択を取るかは人それぞれですが、試用期間の離職を書かずに無職だったことにするのであれば、試用期間中に離職した方が良いですね。
試用期間中の離職のことを履歴書に書くなら試用期間でもそうでなくても大差はないので、離職する前に転職活動を進めた方が得策でしょう。
我慢して続けるべきなのか
上記の通り試用期間の離職を履歴書に書くかどうかで離職すべきタイミングは変わってきます。試用期間のことを書かないのであれば早いうちに離職した方が良いですし、履歴書に正直にすべて記載するのであれば転職先が決まってから離職した方が良いということでした。
一方で、そもそも離職せずに我慢してブラック企業で働き続ける、という選択肢もあります。しかし、本当にブラック企業であるならその選択肢はあまりおすすめできません。なぜなら、時間と労力の無駄だからです。
たとえば、ブラック企業ではあるが継続することで確実にスキルが身に付いて自分の市場価値が高まりそうだ、と判断したのであれば継続して働くことにもメリットがあります。
しかし、単に我慢して続けた方が良い、我慢して続ければ何かが変わるかもしれない、といった抽象的な理由であればあまり続けることはおすすめできません。
高確率で何も起こらず、スキルも身に付かないままただただ疲弊して歳を重ねることになるでしょう。ひたすら長時間残業代なしに単調作業を続けるような働き方はあまりメリットがありません。
一重にブラック企業と言っても、給料が安い割にやたら裁量が多くて、実際経験としては価値がある、といったケースもあります。
この場合、たしかに給与的には割に合わないのですが、そこで培ったスキルを今後活かせる算段が立っているなら一概にすぐに辞めるべきとは言えません。
つまり、「ブラック企業で働き続けることで何か得られるものはあるのか」「身に付くスキルはあるのか」という問いに対して明確な答えがあるなら継続して働くことをおすすめします。
逆に、何も思い浮かばない、もしくは根性が付く気がする、何かが起こる気がする、といった回答しか出てこないなら転職した方が良いでしょう。抽象的な目標を根拠に頑張ったところで、掛けた時間や労力の割に得られるリターンは圧倒的に少なくなります。
目標の明確化と行動が最重要
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試用期間等の話を含め、辞めるべきかどうかの選択について説明しました。そして結局のところ、ある程度自分の経歴上マイナスになることは避けられません。試用期間に離職してそれを隠す場合も無職期間になってしまいますし、隠さないなら短期離職になります。
ブラック企業であったことや今後の目標を自身の口できちんと説明できればそこまでマイナスにはなりませんが、詳細は人事の判断によります。
少なくとも自分でその企業を選んでしまったことは事実なので、評価としてプラスに働くことはないでしょう。
では何が重要かというと、今後の目標とそれに向けた行動です。
目標が明確で行動が伴っていれば、たとえ短期離職や無職期間によるマイナス評価が発生しても、それを圧倒的に上回るプラス評価が生まれます。
そして何より、人からの評価ではなく自分のモチベーションを高めて仕事に取組むことができます。
経歴に多少のマイナス要素があっても、目標と行動が明確化されていて企業にとってプラスになると判断されれば、人事は当然採用します。
なのでブラック企業に転職して失敗してしまったのならなおさら、今後市場での自分の価値を高めるために目標を明確化し、行動を起こすと良いですね。自分の市場価値を高めていれば、会社を辞めるタイミングはそこまで問題になりません。
離職タイミングによる評価自体は人事によって異なるので、そこを考えるよりも「ブラック企業で働くことで得られるものはあるのか」「転職するならどのような企業がベストで、その結果自分が身に付けられるスキルは何か。自分の市場価値は上がるのか。」といった基準で行動することをおすすめします。
離職するタイミングによる人事からの評価を気にするよりも、ビジョンや具体的なスキル、それらを語れる能力、といったものを重視し、それによって自分の市場価値を高めることができれば転職タイミングに関わらず転職市場での自身の価値が高まります。