退職した後、会社から受け取る離職票の中に、退職理由という項目があります。
大きく分けると「自己都合」「会社都合」という二種類の理由が記載されるのですが、この二つの違いによって、どんな影響があるかご存知ですか?
知っていると得をする、退職理由の違いを解説します。
どちらの退職理由が得をする?
自己都合と会社都合、本人にとってメリットがあるのは、「会社都合」の方です。
前者は一身上の都合による退職なので、已むを得ない理由ではないからです。会社の倒産などが原因の場合、本人には何の非もないため、相応の補償があるんです。
それではどのような違いが出るのか、ご紹介しましょう。
お得ポイントその1、転職時に得をする
転職の際の面接試験では、大抵の場合「前職を辞めた理由は?」と尋ねられます。その時、「自分に合わない職場だったから」なんて理由だったら非常に言いにくいですよね。
ですが、それが「会社が倒産した」などの会社都合による理由なら、大義名分のもと、堂々と答えを返すことが出来るでしょう。
理由次第では同情を買うことも出来るので、むしろ有利になるかも知れませんよ。
お得ポイントその2、失業保険で得をする
前職で雇用保険に入っていた場合、退職後に失業保険が支給されます。この時、自己都合と会社都合では、支給を受けられる期間が全然違うんです。
実は筆者もその口で、会社都合での退職だったため、かなりの恩恵を受けることが出来ました。どれくらい差が出るか、一例を用意しましたので、ご覧ください。
◇勤続10年、30歳のケース
・自己都合の場合……給付日数:120日
・会社都合の場合……給付日数:210日
単純計算で倍近い金額の差に繋がります。
この他にも自己都合の場合、失業保険の支給まで3ヶ月待たなければならないデメリットがあります。会社都合の場合は退職翌月から支給を受けられるので、その後の生活が全く違うものになるでしょう。
どんな場合に会社都合になる?
では、一体どんな理由の時に「会社都合」が適用されるのでしょうか?
実は、会社の倒産やリストラなどばかりが理由になるわけではないんです。箇条書きで纏めましたので、以下をご覧ください。
- 会社の倒産
- 人員整理(リストラ)
- 求人と全く違う業務内容による退職
- 不当な給与による退職
※未払い、理由のない減俸など - 過剰な残業による退職
※月◯時間 - パワハラ、セクハラなどに耐えかねての退職
意外と認められるケースが多いですね。
特に、残業過多のための退職でも適用される、という事実に驚く方は多いのではないでしょうか。但し、勤務表や給与明細などの不当労働の証拠が必要ですので注意してください。
自分がどれかの条件に該当していないか、是非確認してみましょう。
無理矢理「自己都合」にされても諦めないで
ブラックな会社ですと、残業過多などの理由では「会社都合」とは認めてくれないことがあります。
しかし、この場合でも泣き寝入りの必要はありません。ハローワーク経由で労働基準局にお願いすれば、退職した後でも「会社都合」に撤回させることができるんです。
これは弁護士の方にに教えて頂いた方法で、難しい手続きもないためお勧めです。
筆者もこのおかげで、会社都合を勝ち取ることが出来ました。
効果は折り紙つきです。
退職後の生活は、一生に繋がっていく可能性もあります。
可能な限りの努力を怠らないよう、頑張ってください。