情報処理技術者試験よりも実務で役立つ、キャリアアップや転職に有利といった理由から、ベンダー資格の取得を目指しているSE(システムエンジニア)の方も多いのではないでしょうか。

今回は、そもそもベンダー資格とは何かということと、働きながらでもベンダー資格を取得するための勉強方法をご紹介したいと思います。

 

ベンダー資格と情報処理技術者試験の違い

ベンダー資格は国家資格ではない

ベンダー資格とは、IT関連企業(ベンダー)が、自社の製品や技術に関する知識を認定するために実施している民間資格のことです。

主なベンダー資格には、Oracle Certified Java Programmer(Java技術者の認定資格)、オラクルマスター(Oracleデータベース技術者の認定資格)などがあります。

国家資格ではないため、法的な拘束力などはありません。

その一方、実務に即した資格ともいえるため、SEとしてキャリアアップや転職を考えるのであれば、情報処理技術者試験よりも有利に働く場合があります。

 

ベンダー資格は受験料が高い

5,700円(2018年時点)で受験できる情報処理技術者試験と違い、ベンダー資格の受験料は高額です。安くても1万円、3万円以上かかる試験も少なくありません。

合格すれば会社から報奨金が支給されることもありますが、不合格だと自腹になるため、受験に尻込みしてしまう原因のひとつになっています。

ベンダー資格によっては、期間限定で受験料が割引されたり、不合格になったときの再受験が無料になるキャンペーンが行われたりする場合があります。

取得したい資格が決まっているのであれば、そうしたキャンペーンの時期を狙って申し込みをするとよいでしょう。

 

ベンダー資格はいつでも受験できる

ベンダー試験は一般的に、会場は決まっているものの、会場に空きがあればいつでも受験できます。この点は、ITパスポート試験に近いかもしれません。

しかしながら、「いつでも受験できる」のが仇になり、合格する自信がつくまで申し込みしようとせず、結局いつまで経っても受験しないということが起こり得ます。

ベンダー資格を受験するときは、合格までのスケジュールを決めて勉強する計画性が大切です。

 

効率的な勉強方法

申し込みを先に済ませておく

仕事が忙しい方だと、なかなか資格のための勉強をする時間が取れないかもしれません。

ですが、そうすると「不合格になったら受験料が無駄になってしまう→合格する自信がつくまで申し込みをしない→けれど自信がつくほど勉強できていない」という悪循環にはまってしまい、いつまで経っても受験ができません。

「この日までに絶対に合格するんだ」という目標を決めて、勉強するよりも先に申し込みを済ませてしまいましょう。

受験料を無駄にしないためにも、試験勉強に身が入りやすくなるはずです。

 

参考書だけでなく、実際に手を動かす

各種ベンダー試験に対応した参考書や問題集が売られているため、基本的にはこれらの本を買って勉強していくことになると思います。

しかし、できればそれだけでなく、実際に手を動かして学習されるのをおすすめします。

具体的には、Javaの資格であれば、Javaのコードを書いてみる。Oracleの資格であれば、Oracleデータベースを操作してみるなど。

実務で使ったことがない言語やデータベースのベンダー資格を取ろうとしている場合、本を読んだだけでは理解できない記述もあるでしょう。
実際に手を動かしてみることで、イメージを定着させることができます。

 

試験は試験と割り切る

ベンダー資格は実務に即した資格だと書きましたが、試験では実務であまり役に立たないような問題が出力される場合もあります。

例えば、絶対に書かないような回りくどいソースコードや、現実にはありえないようなデータベース操作などです。

「こんなことする人はいないだろう」と指摘したくなるかもしれませんが、試験は試験だと割り切りましょう。

また、どうしても理解できない問題は、思いきって解答を飛ばしてしまうのもひとつの手です。
試験によっても異なりますが、ベンダー資格の合格基準は、おおむね70%前後。1回の試験では数種類の問題が出題されるため、ひとつくらい解けないジャンルの問題があったとしても合格には影響しません。
ひとつの問題にこだわって、多くの試験時間を無駄にしてしまうくらいであれば、早めに見切りをつけて次の問題に取りかかりましょう。

まとめ

ベンダー資格の試験は情報処理技術者試験と違い、受験料が高額で、いつでも受験ができるという特徴があります。そのため、実務で役に立つと分かっていても、なかなか申し込みに踏み切れない方もいるかもしれません。

ベンダー資格を取りたいと考えている方は、この記事を読み終えたらすぐに申し込みを行ってください。試験日さえ先に決めてしまえば、受験料を無駄にしたくないという気持ちが働き、試験勉強にも熱が入るはずです。

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