SEの仕事は、プログラム開発ばかりではありません。資料作成やテスト工程の作成、その他雑用など、やらなければならないことは山ほどあります。
ベテランSEは様々なツールを駆使して仕事に取り組んでいきますが、それでも全てのツールを完璧にこなしている人は滅多にいません。有名ツールの中でも、意外と知られていない、目からウロコの機能があったりします。
今回は、「こんな機能があったのか!」と筆者が現場で感心した機能の中から、そのいくつかをご紹介しましょう。
WinMergeの行フィルタ
ソースコードの改修点を一覧化する時、そのDiff作業にはどのツールを使いますか? 筆者が良く使うのはWinMergeというフリーソフトです。簡単操作でソース差異を見栄え良く検知できるので、使っている人は多いのではないでしょうか。
そんなWinMergeユーザーが見落としがちな機能が、「行フィルタ」です。
正規表現で指定した条件に合致する箇所のみ除外して差異を検知できるため、一部の差異だけ確認したい時に非常に重宝します。
やり方は、メニューバーから「ツール」>「フィルタ」>「行フィルタ」を選択し、検知条件を正規表現で入力するだけ。コーディングに慣れた人ならば、捜査に迷うことはないでしょう。
VSSのファイルを「更新日時」で取得する
大がかりなプロジェクトであればあるほど、ソース管理ツールは必須のものになります。便利なツールは沢山ありますが、今回のテーマでご紹介するのは、MicrosoftのVisual Source Safe、いわゆる「VSS」です。
現在の最新版のプログラムを取得するには「最新バージョンの取得」コマンドを行いますが、取得したソースの更新日時が「最新取得日時」になってしまい、困ったことはないでしょうか。
実は、それは初期設定での話なのです。設定を変えれば、実際の更新日時を保持したままファイルを取得できるので、是非試してみましょう。
設定方法は、以下の通りです。
メニュー>ツールタブ>ローカルファイルタブ>
>ローカルファイルの日付と時刻>「変更時刻」にチェック
リリース担当者や管理者ほど、この設定の存在に感激すると思われます。
VisualStudioのUTテスト自動化
プログラムを作るのは楽しいが、単体テストは面倒……そんな風に思うSEの方は少なくありません。中でもOSやツールの度重なるバージョンアップによって、同じテストを何度もしなくてはならなくなった時など、溜め息が出てしまいますよね。
実は、VisualStudioの中に、UTテストを自動化できる機能があります。
コード化されたユーザーインターフェイスを介したテスト、CUIT機能と呼ばれるもので、画面操作などを記録し、自動でテストを行わせることができる、というものです。
テスト操作を記録する工数が最初にかかってしまいますが、バージョンアップの度にテストをせずに済むので、プロジェクト次第では多大な工数削減をすることが出来るでしょう。
この機能が搭載されているのは、VisualStudio2010のenterprise版からになります。
自分のプロジェクトで使用しているのがこれ以降の版であれば、導入を検討してみてはいかがでしょうか。
「知っていること」は大きな武器になる
山のように積まれていく仕事をするにあたり、僅かでも効率化できるところがあるのなら、それは大きな武器になります。知り尽くしたつもりのツールでも、面倒くさがって表面的な機能しか使わないのでは、もったいないですよね。
いくつかの機能をご紹介させて頂きましたが、一つでも「知らなかった、次から使ってみよう」と思えるような内容があったなら幸いです。