日々の業務を円滑に進めるためには、様々なツールが必要不可欠です。その種類は表計算ソフトや画像編集ソフトなど、枚挙に暇を得ませんが、それらは汎用的な製品であるが故に、独特な運用にはなかなか対応出来ません。
ではどうすれば良いか? と考えた時、SEであれば話は簡単です。
そう、自分で作ってしまえば良いのです。
今回は「これは凄い!」と筆者が感嘆させられた、企業独自の様々なツールについて、いくつかご紹介しましょう
独自ライブラリ対応エディタ
とある現場で開発要員として参画した際、まず驚いたのはその共通関数の数でした。ほとんどあらゆる処理が関数化されており、もはや独自言語と呼んでも差し支えないほどの有様だったのです。
これは慣れるまで大変だな、と覚悟していたのですが、なんとその現場では、コーディング専用のエディタを自作して使っていたのです。大量の共通関数はオートコンプリートでポップアップされる機能が搭載されており、しかもコンパイルまで行えるという優れモノ。
このエディタは、昔、一人の開発者が昼休みに自作したものが大本になっており、長年受け継がれてきていたという素晴らしいツールでした。
ガントチャート作成マクロ
開発スケジュールの管理を、エクセルに記載したガントチャートで行っている現場は、ことのほか多いものですよね。確かに一目で進捗を把握できるとは思いますが、肝心の編集作業が煩雑なため、筆者はあまり好きではありません。画像オブジェクトをいちいち切り貼りするのが、非常に面倒だったのです。
そんな中、ある現場で使われていたガントチャート用のエクセルは、驚きのマクロが組まれていました。
縦に並べたタスクの横にそれぞれの実績を入力すると、それに従って図形オブジェクトが作成され、しかもイナズマ線の出力や表のPDF化なども行うことが出来たのです。
他にも多彩な機能が搭載されており、あれほど優れた管理ツールはありませんでした。
設計書⇒単体仕様書作成ツール
これは筆者が実際に出会ったわけではなく、同僚に聞いた話ですが、ある現場では、詳細設計書をDB定義書や単体テスト仕様書に変換するツールを使っていたそうです。
決められたフォーマットに詳細設計を書くだけで、最も大変な作業であるテスト仕様書まで作成されるというのですから、相当の工数削減が見込めます。
その現場では作業の遅れなどはほとんどなく、見たこともないほど余裕のある仕事をすることが出来たそうです。
楽をするための努力が大事
「プログラマの三大美徳」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。それは「怠惰」「短気」「傲慢」であることを指しており、要約すると「誰も文句を言えない素晴らしいコード(傲慢)」を「出来るだけ簡単(怠惰)」に「素早く(短気)」作ることが大事だと説く言葉です。
今回の記事で挙げたような独自ツールは、そういった三大美徳に相応しいSEが作り上げたものでした。これらの例に負けないくらい便利なツールを開発し、日々の業務を少しでも楽にできるよう、努力していくことが大切なのです。