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SEの就職先としてはWeb系のベンチャー企業などもありますが、人数としてはやはりSIerの方が多いです。そのためIT業界に就職するSEの多くはSIerに就職するのですが、一言にSIerと言っても大手から中小まであります。

そこで今回は、大手SIerのメリットとデメリットを中小のSIerとの比較から解説していきます。

大手SIerのメリット

大手SIerのメリットは、以下のようなものが挙げられます。

・給料が高い
・上流工程に携われる
・比較的安定している
・福利厚生が充実している

以上のようなメリットが挙げられます。まず、大手SIerは大手なので平均的に年収が高いです。特に長年働いていると年功序列的に年収が上がっていく傾向にあり、なかには1,000万円を超えている人もいます。

これはなかなか中小SIerにはないことでしょう。次に、大手SIerは中小に比べて上流工程に携われるというメリットもあります。開発現場では大手企業が上流工程を担当し、中小企業がその下の下流工程に付く場合がほとんどです。

そのため、コンサルや要件定義、基本設計を主に担当したい場合は大手SIerを狙うのがおすすめになります。コンサルはまた別にコンサル専門の企業が配置される場合もありますが、大手SIerが担当する場合もあります。

最近は大手企業だからといって安定しているとは言い切れず、SIerで内部の人間が大勢切られた事例もあります。このように大手企業だから必ずしも安定しているわけではありませんが、中小企業と比べると安定している場合が多いです。

特に大手SIerと中小SIerを比べれば、なんらかの事情で働けなくなるリスクは大手SIerの方が低いと言えます。また、大手SIerは中小SIerに比べて福利厚生が充実していて、給与面以外でも有給消化率などの労働環境が良い傾向にあります。

大手SIerのデメリット

次に、大手SIerのデメリットには以下のようなものがあります。

・年功序列で上が詰まっている
・大手企業だからといって安定しているとは限らない
・社内のルールが厳しく自由度が低い
・その組織内でしか使えないスキルが多い
・他の会社では働けない人間になりがち

大手SIerには以上のようなデメリットがあります。まず、古い体質の企業が多いため、役職の低い新人は年数を積まないと上に上がれません。また長年働いている人もいるため、その人たちには従わざるを得ないというデメリットもあるでしょう。

次に、最近は大手企業だから絶対に安心という時代でもなくなってきています。特にIT業界はフリーランスや中小のベンチャー企業がどんどん市場に参入してくるため、動きの遅い大手企業の役割が奪われることが多いです。

その結果、人件費がコスト削減の対象となることも多いでしょう。社内ルールについても、大手企業は厳しい場合が多いです。いわゆる歯車の一部として働くしかなくなります。SIerの大手企業は世間のイメージするIT業界とは役割が大きく異なり、管理業務がメインになります。

もともとプログラミングが好きでIT業界に入った人は、大手SIerの業務内容に不満を感じて転職するケースが多いです。スキルについては、中小企業に比べて大手企業ならではのスキルがあります。

たとえば、管理スキルであったり社内の人間関係スキルです。管理スキルについてはある程度汎用性があり、たとえばExcelでのスケジュールやタスクの作り方など別の企業でも使える部分は多いでしょう。

しかし、社内の誰が出世頭だから従った方が良い、社内で誰と誰が噂になっているといった情報を押さえて情報通になる、などの人間関係スキルは無駄が多いです。とはいえその企業内で生きていくには重要なスキルで、なおかつまったく無駄というわけではありません。

どこの会社でも人間関係はあるので、社内の人と関わるスキルも重要です。しかし、社内で出世するためのスキルにばかりこだわっているといざ転職すると仕事ができなくなります。

ITスキルやプロジェクトをまとめるスキルを磨かずに、たとえば上司に取り入ることばかり考えていると転職したら仕事がなくなります。会社の体質が変われば人間関係も変わり、社内の人間関係スキルは汎用性が低いからです。

大手企業は社内ルールや社内の人間関係にがちがちに固められる傾向があり、それをクリアしていくのは大変です。新卒の新人のうちから大手企業で教育されていると、その会社に完全に染まっていくのは当然です。

しかし大手SIerはその企業特有のカラーが強いため、仕事の進め方や人間関係が独特で、転職した際に困るということです。しかもスピード感がなくて非効率なルールを強要される場合が多いため、他の会社からすると明らかに無駄なところにばかり労力やコストを割いているように見えたりするわけです。

特に大手SIerがベンチャー企業やフリーランスと協力するとその傾向は顕著になります。大手SIerはたしかにメリットも多いですが、年々メリットは少なくなり、デメリットの方が目立つようになっています。

昔に比べて大手志向は確実になくなっていますが、今後より一層大手志向はなくなっていくでしょう。IT企業は変化が激しいため、特に企業の規模は一指標に過ぎません。

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