パソコンはSEにとって大事な仕事道具であり、一番の生命線です。故障した時のことなど、考えたくもありません。それまで必死で作ったプログラムや資料が一瞬にして消え、費やした膨大な時間が水の泡となってしまうのですから。
万が一の事態に備え、パソコンは厳重に管理・保管されていますが、時には予想もしない原因で壊れてしまうこともあります。
今回は、そんな悲惨なコンピューターの故障事例をご紹介しましょう。
地震が雨漏りを引き起こし……
東日本大震災は、関東地方にも多大な影響を及ぼしました。当時、筆者が勤めていたビルも大きく揺れ、壁の一部にヒビが入ってしまったのです。当然そのヒビはすぐに修復されたのですが、事件が起こったのはおよそ一ヶ月後、大雨の日でした。
なんと、フロアの一角に雨漏りが発生し、大量の水がパソコンに降り注いだのです。どうやら小さなヒビがまだ残っていたらしく、そこを通って雨漏りに繋がってしまったようでした。
被害を受けたパソコンは2台で、うち1台は二度と起動できなくなってしまいました。不幸中の幸いだったのは、ハードディスクに影響はなく、データの回収だけは無事できたことです。
サーバー室のエアコンが……
筆者の会社ではサーバー室が開発フロアに併設されており、そこで何社ものデータを預かっていました。当然、サーバー室は常時エアコンを付けっぱなしです。
問題は、その操作パネルがフロア全体のエアコンと同じ場所にあったことでした。状況を知らない新人がたまたま最終退出者の一人となり、うっかりサーバー室のエアコンを消して帰宅してしまったのです。
翌朝、筆者が出社した時にはサーバー室が凄まじい温度になっており、慌ててエアコンをつけ直したものの、一台はOSごと破損。クライアントに多大な迷惑をかけることになってしまったのです。
エクセルのマクロが重すぎて……
業務システムの開発では、netやWeb系の画面ばかりを扱うわけではありません。状況次第では、バッチファイルやスクリプト、エクセルのマクロの開発も行います。特にエクセルマクロはユーザーが直感的に使えるため、業務システムの一部として採用されがちですが、余りにも機能を盛り込みすぎるのは危険です。
筆者の同僚が関わっていた案件では、日々の売上を項目ごとに集計・分析するマクロを開発していました。しかし多くの処理を盛り込み過ぎたために非常に遅く、速度改善が急務でした。
同僚は一日単位で行っている集計を、並列で処理してみることしました。それ自体は至極まっとうな発想でしたが、実際に動かしてみたところ、メモリを使いすぎて次々にエラーが発生。強引に処理を続けると、ブルースクリーンまで引き起こし、最終的にはOSが破損して完全にクラッシュさせてしまったそうです。
常にバックアップをとる心掛けが大事
パソコンのクラッシュは、SEにとって何よりも避けなければならない大惨事です。データ復旧すらままならない場合、プロジェクト自体が崩壊したり、最悪の場合は損害賠償問題にまで発展する可能性もあります。そうならないためには、常にバックアップを取り、あらゆる状況に備えておくようにしましょう。