毎日毎夜、SEはデスクとパソコンに向かい、様々なシステムを構築しています。そんなSEはコンピューターに関するプロであることは事実ですが、広く深いコンピューターの世界の隅々にまで精通している人は、なかなかいません。
慣れ親しんだツールでも意外と知られていない仕様があったり、あっと驚くような裏ワザ的なテクニックを見つけたりと、予想外のことに出くわすことも少なくないのです。
今回は、SEのふとした日常の中で役立つ、お得な豆知識を6つほど見ていきましょう。

その1:Outlookでアプリケーションを送る方法

多くの企業で使われているMicrosoft Office製品は、ビジネスソフト業界における高いシェアを誇っています。特にExcelとWordは使っていない企業はないと言っても過言ではありませんし、TeamsやOutlookなどのコミュニケーションツールも人気のツールですよね。
そんなOutlookを使用している際、添付ファイルがシステムにブロックされてしまい、送信に失敗した経験はないでしょうか? これはOutlookのセキュリティがbatやexeなどのアプリケーションファイルをウイルスだと判断し、危険なファイルを送信出来ないようにしているためです。
このセキュリティの凄いところは、実行ファイルの拡張子を削除したり、ファイルを圧縮しzipファイルなどにしても、きっちりブロックするという点です。非常に頼りになるセキュリティと言いたいところですが、仕事の状況次第では困る仕様でもありますよね。
実は、この仕様はファイルを暗号化、つまりパスワード付きの圧縮ファイルにすれば回避することが出来るのです。業務でどうしても必要な時は、この方法を使ってみてください。

その2:文字コードを変更する方法

コンピューターの実行環境にはWindowsやLinuxなどのOSの違いの他にも、32bitや64bitなどCPUの差があります。当然、そこで使用するプログラム言語も環境によって左右されるのですが、その際に重要となるのが文字コードです。
環境とファイルの文字コードの相性が悪いと、うまく動かせなくなるだけではなく、致命的なバグが起きることもあるので、気を付けなければなりません。
この文字コードを最も簡単に変更する方法は、「メモ帳で保存し直す」ことです。やり方は文字コードを変更したいファイルをメモ帳で開き、「名前を付けて保存」を選択。ファイル保存ダイアログが開いたら、「保存」ボタンを押す前に、その左側にあるリストから、任意の文字コードを選択しましょう。
やや見慣れない名称が並んでいるかも知れませんが、SJISであれば「ANSI」、Unicodeであればそれ以外を選びましょう。
ただし、Unicodeに変換する場合、「UTF-16 LE」「UTF-16 BE」「UTF-8」「UTF-8(BOM付き)」と、更に細分化されているため、注意が必要です。

その3: VB6開発時のマウスホイール

プログラムの進歩は凄まじく、新しい言語が次々と開発されたり、流行の言語が目まぐるしく変わったりしていきます。かつて多くのシステムで使われたVB.Netも、今や時代遅れのような扱いを受けることもあり、時代の流れを感じますよね。
驚くべきは、それより更に古いVB6でさえ、未だに使い続けている企業も少なくないということです。これは、保守的な日本企業の悪い所が出ている例と言えるでしょう。
あまりにも古い言語であるため、なんとVisual Basic6.0はマウスホイールに対応していない、という冗談のような事実があります。画面をスクロールするためにはいちいちスクロールバーをクリックしなければならず、開発者は相当なストレスを感じることでしょう。
これを解決するためには、フリーソフトを使えばOKです。例えば筆者が使用している「MouseWheel Fix」は、アドインに登録する必要はありますが、さほど面倒な手順ではないため、やり方を調べれば誰でもすぐに導入出来ます。
ただし、仕事で使う場合は自分の判断で勝手に導入せず、セキュリティ部門の許可を取ってからにしましょう。

その4:Microsoft Teamsの退席中の仕様


Microsoft Officeツールの一つであるTeamsは、チーム内でチャットや通話などを行えるコミュニケーションツールです。よくSkypeなどと比較されることが多いツールでもありますよね。
このTeamsは、一定時間パソコンを操作していないと、ステータスに「退席中」と表示される仕様があります。これ自体は他のツールでも良く見られる仕様ですが、Teamsの場合は注意しなければなりません。
なんと、退席中になっている間は新着メッセージが表示されず、その通知もされません。そのため、例えばバッチ処理が終わるのを待っている時など、その間に送信されたメッセージを見逃してしまう可能性があるのです。しかもこの機能はオフにしたり、退席中になるまでの時間を変更することも出来ないため、定期的にマウスだけでも動かさなければなりません。
有効な対策としては、自動で画面操作を行うプログラムを作成することです。例えばメモ帳を起動し、KeySend関数を使って一定間隔でエンターを打ち込むなどの処理を作れば、勝手に退席中ステータスに変更されることを防ぐことが出来ます。
この方法は在宅ワーク中にサボる時にも有効な手段ですが、そんなことのためには使わないでくださいね。

その5:ノートパソコンのファンクションキー

同じOSであればどのキーボードもほとんど同じ配列ですが、メーカーによって多少の差異があります。テンキーの配置などが分かりやすい例ですよね。
メーカーごとの差異の中でも、特徴的なのが「ファンクションキー」です。「Fn」というキーと組み合わせて押すことで、画面の明るさや音量の調整、Bluetooth設定の呼び出しなど、特殊な操作を可能にするものです。
ものによっては非常に便利な機能なのですが、メーカーによってFnキーの基本動作がバラバラで、「Fnと共に押すと特殊機能が動作する」ケースと、「Fnと共に押すと通常のキー操作が実行される」ケースに分かれます。
どちらが良いかは使う人によって様々だと思いますが、問題は「どちらのモードにするか」という設定方法までメーカーによって違うということです。例えばhp社のノートパソコンだと、まずBIOS画面を起動し、「Action Keys Mode」の設定を変更しなければなりません。
一見しただけでは絶対に分からないメーカーも多くありますので、気になった方は調べてみると良いでしょう。

その6:範囲指定でハードコピーを取得

SEの仕事をしていると、要件定義や設計書、テストエビデンスの作成など、様々な場面で画面やウインドウのハードコピーを撮る必要があります。
「PrintScreen」で画面全体、「Alt+PrintScreen」でアクティブウインドウ、それぞれのハードコピーを取得するのは有名な方法です。ですが、更にその中の一部だけの画像が欲しいときは、専用のツールを使うか、ペイントソフトなどで編集すると言った方法がありませんでした。
ですが、Windows10では新たなショートカットキーが追加されているのをご存じでしょうか。「Windows+Shift+S」キーを押すことで、範囲ハードコピーモードが起動します。あとはマウスクリックで任意の範囲を指定すれば、面倒な手順を挟むことなく、一発でハードコピーを取得することが出来ますよ。

知識の数は手札の数

今回ご紹介した方法について、皆さんはいくつご存知でしたでしょうか。どれも知っていれば何ということもないものばかりですが、逆に知らなければいつまでも躓いてしまい、無駄な時間を過ごすことになるものばかりです。
デスクワークであるSEにとって、知識の数は手札の数と同義です。業務を効率よくこなすためにも、今回のような手法は、是非覚えておいてくださいね。

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