今や知らない人などいないMicrosoftのWindowsは、圧倒的なシェアを誇るパソコンのOSです。

次々と新機能を搭載したバージョンアップを発表し、まだまだ高性能になっていく様は感服するばかりですが、プログラムを作る側は喜んでばかりではありません。

SEだからこそ感じずにはいられない、Windowsバージョンアップに対する苦悩について、その本音を公開してしまいましょう。

 

客先からの新機能対応の要望がイヤ

スマホやタブレットの台頭により、タッチパネルは広く身近になりました。

Windowsでも8のバージョンアップにおいて、その機能が大幅に強化されています(それ以前も存在していましたが、一般的ではなく、実用的ではありませんでした)。

タッチパネルは直感的に操作できる本当に便利な機能ですが、それが大々的に取り上げられることによって、クライアントの皆さんが盛大に反応を見せてしまいました。

そう、「既存システムのタッチパネル化」を思いついてしまったのです。

マウスやキーボードを使わず操作できたら便利だろう、と考えるのは分かるのですが、パソコンで使うことを前提として作られたシステムは、情報量の多い、複雑な操作画面になっていることがほとんどです。

それをタッチパネルでも使える画面にするなんて、無謀としか言いようがありません。

今後のバージョンアップでも、革新的な技術が投入される度、この苦労は続いていくことでしょう。できることならこのまま進歩しないで欲しい、そう考えたSEは少なくないかも知れません。

 

基本デザインが変わるのがイヤ

Windowsバージョンアップによって変わるのは、機能だけではありません。

デスクトップのアイコンやウインドウなど、基本デザインも変わる対象です。

WordやExcel、インターネットを扱う分には問題ありませんが、開発済みのシステムにとっては地味に困る事態です。

画面上に配置されたボタンの色合いなどが変わるため、設計当初と比べ、がらりとイメージが違ってきてしまうのです。

そうなれば、クライアントはバージョンアップに合わせたデザインの刷新を依頼してくるでしょう。

機能追加ではないため大した受注にならず、ひたすら見栄えだけを変えていく作業は、開発をしたいSEにとってはかなり退屈な作業となってしまうのです。

 

開発ツールが使えなくなるのがイヤ

前章までの問題など目ではない、最大の問題点がこれです。

システム開発ではプラグインや帳票デザイナなど、くのツールを使いますが、それらがWindowsのバージョンアップによって使用不可になるケースがあるのです。

それを知らずに社内端末を入れ替えてしまうと、現場は大混乱です。

開発はストップし、ツールのバージョンアップ版を購入するか、代わりのツールを見つけるか、という決断に迫られてしまうのです。

どちらの場合も新しい操作性に慣れなければならず、その後の開発効率まで落ちてしまうので、SEにとっては非常に恐れる事態でしかありません。

 

バージョンアップは諸刃の剣

仕様変更や仕様追加など、SEにとってはとにかく大変なバージョンアップですが、反面、
「新しい受注に繋がる」という無視できないメリットも存在します。

ですが、そんなのは営業チームから見た話であり、開発チームにとっては難しい案件であることに違いはありません。

Windowsのバージョンアップの度に「どこにも影響しないでくれ」と祈るSEの心の叫びは、未来永劫、いつまでも続いていくことでしょう。

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