近年、「非電源ゲーム」と呼ばれるゲームがじわじわ人気になっていることをご存知でしょうか。
非電源ゲームとは、いわゆるボードゲームやカードゲームのことです。その名の通り、電気を用いないアナログゲームの総称で、企業や個人を問わず、毎年多くのゲームが作られているのですが、その中にはIT業界をテーマにしたゲームもあるんですよ。
普段パソコンに付きっきりなSEの方々のために、今回は4つほど、面白ゲームをご紹介していこうと思います。
プログラム言語神経衰弱
これは2019年のゲームマーケットというイベントで販売されたインディーズゲームで、その名の通り、JavaやPHPなどのコードが書かれたカードで行う神経衰弱です。
通常の神経衰弱と違うのは、「同じ内容が書かれたカード」を集めるのではなく、「同じ言語のカード」を集めること、という点です。
つまり、JavaのIf分とFor文をセットで捲ることが出来たら得点になる、というわけですね。多くの言語を扱えるベテランSEほど楽しめますので、職場の集まりなどに持って行くと、意外なほど盛り上がります。
ALGOGLA
プログラムの初等教育を目的として作られたゲームで、「将棋盤のようなマス目が書かれたボード上に猫ロボットを置き、ゴールに導いた人が勝ち」というルールです。
まず、プレイヤーには「前進」「右に90度回転」などのコーディングカードが配られます。自分の番になったら手札のカードを並べて「プログラミング」を行い、猫ロボットを動かすことが出来ます。カードの中にはループ処理カードなどもあるため、うまく組み合わせれば、一気に効率よく動かすことも出来るでしょう。
論理的な思考を鍛えることが出来るので、お子さんにもオススメのゲームです。
ロボットタートルズ
こちらもプログラムの教育用に作られたもので、「ALGOGLA」と同じくロボットをゴールへと導くという点では同じなのですが、対戦ゲームではなく詰将棋のような、ステージクリアを目指すゲーム、という点で大きく異なります。
ルールは単純で、まず、出題者がロボット亀とゴールをボード上に置きます。そして次に出題者は、回答者にコーディングカードを渡し、「どうプログラミングすればゴールへ辿り着けるか」を考えさせるのです。
残念ながら筆者は遊んだことがないのですが、レビュー記事の中には「5歳の娘が夢中になっています!」という意見もあるため、小さいお子さんにもオススメできるゲームとなっています。
今日も帰れない
最後にご紹介するのは、ブラックユーモアの塊のようなインディーズゲームです。
プレイヤーは山札からTask(仕事)カードを引き、その都度残業する(追加で1枚引く)か否かを選びます。引いたTaskカードは、自分のものになるため、それを集め、最終的にそのカードを最も多く持っていた人、つまり最も仕事の成果を上げた人が勝ち、という非常にシンプルなルールです。
これだけ聞くと「残業し続ければいいんじゃないか?」と思われるでしょうが、そんな簡単な話ではありません。山札には「強制飲み会」や「入院」と言った、笑うに笑えないマイナスカードが含まれているので、闇雲にカードを引いてしまうと痛い目を見ることになります。
残業すればするほど仕事はこなせますが、身体を壊すかも知れない、というチキンレースのゲームというわけですね。
マイナスカードの中でも特に恐ろしいのが、「仕様変更」という、SEにとって最も聞きたくないワードのカードです。1枚出るたびに全プレイヤーが残業を強制されるようになり、複数枚出てしまったらプロジェクトは炎上、「今日も帰れない」と言うタイトル通りの状況になるわけです。
内容よりも一発ネタで大ウケする、パーティゲームです。
今後もまだまだ増えていく
非電源ゲームは、現在どんどん発展中で、次々と新たなゲームが作られ続けています。特に注目したいのは、遊んで学べるタイプのゲームでしょう。今や小学校でもプログラミングが必修になるため、論理的な思考を鍛えるには、もってこいの存在です。
興味を引かれたSEの方も、お子さんにプログラムを教えたいという方も、一度調べてみてはいかがでしょうか。