SEが公務員に転職するケースは多く、実際私がSIerとして勤務していた際周囲で公務員に転職する人もいました。そこで今回は、なぜSEが公務員に転職するのか、またSEが公務員になるためにはどのようなことが必要なのか、といったことを解説していきます。

SEが公務員に転職する理由


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SEが公務員に転職する理由は人によって異なりますが、以下のような理由が挙げられます。

・SEの激務から解放されたい。
・将来的な安定が欲しい。
・あまり働きたくない。
・地元に帰りたい。

リアルな理由を上げると上記のようになるかと思います。もちろん利益追求よりも国民、市民のために働きたい、といったこともあるかと思いますが、どちらかというと建前でしょう。

まずSEは世間がイメージしている通り、激務なことが多いです。納期に間に合わないのに仕様変更が重なる、そもそも仕様通りのロジックを実現できそうにない、だからといってあきらめて帰るわけにもいかない、なんてことが多々あります。

残業代に制限があり、残業代もないままただただ現場で疲弊していく、といったこともよくあります。そんななかで、公務員が魅力的に見えてくるのは自然な流れと言えます。公務員だけでなくSEから営業等に転職する人もいますが、激務から解放されたい、とにかく楽な仕事がいい、と思ったら公務員をイメージする可能性は高いかもしれません。

もちろん公務員にも大変な面があるでしょうし、思っているほど楽にお金がもらえるわけではないかもしれません。しかしイメージとしては公務員の待遇は良く、また納期やノルマに追われるようなことも少ないため、SEのなかでは公務員が羨ましいと思っている人も多いです。

そして、そのなかの一部は実際に公務員に転職します。次に、将来のことを考えて安定した職業に就きたい、と考える人も多いです。SEもほとんどは正社員なので安定はしていますが、常に新しい技術を習得し続けないと居場所がなくなっていきます。

たとえ会社自体が安定稼働していても、自分が進化していかないと会社に居づらくなってしまう、ということがあるのです。公務員も勉強しなければならないことなどはあるかと思いますが、SEに比べると比較的少ないかとは思います。

年齢とともに技術への意欲がなくなり、ワークライフバランスを保ちたい、プライベートを大切にしたい、といった気持ちが出てくる人もいますが、そんなとき公務員は魅力的に見えます。

また、単純にあまり働きたくない、といった理由で公務員に転職する人もいます。SEのように常に自分が進化し続けないと仕事ができなくなる職種や、営業のようにノルマが課せられる仕事は大変さが付きまといます。

公務員にも公務員の大変さがあるかと思いますが、平均的に見れば民間企業よりも待遇が良く、楽な面も多いでしょう。だからこそ、そこまで給料が高くなくても公務員を目指す人が多いわけです。

最後に、地元に帰るために公務員を目指す人もいます。SEは都心など都会に会社が集中していますが、なんらかの事情で地元に帰りたいという場合もあるでしょう。たとえば、単純に都会が嫌になった、親の介護が必要になった、などです。

そういったときに地元で仕事を探すわけですが、地元が田舎だと民間企業が少ない状況になります。また田舎に行けば行くほど比較的公務員の待遇が良くなるので、なおさら民間企業よりも公務員に転職したくなります。

最終的に、SEから地元の市役所に転職するようなパターンは多いです。

SEから公務員になるために必要なこと

SEから公務員になるために必要なことは以下です。

・公務員試験(筆記試験)の勉強
・面接対策

大まかに分けるとこの二つになるでしょう。まず公務員試験についてですが、公務員は筆記試験に通らないと面接できません。試験の第一関門として筆記試験があるということです。

筆記試験は専門科目と教養科目に分けられますが、地方公務員の場合教養科目のみの自治体も多いです。ちなみに専門科目とは法律、経済などの科目で、教養科目は高校までで学習する数学や英語や、時事問題です。

国家公務員については総合職も一般職も専門科目と教養科目の両方を受験する必要がありますが、地方公務員は自治体によります。おおきい自治体ほど専門科目の試験も必要で、小規模な自治体は教養科目のみ、というところも多いです。

なので、どちらかというと県庁などは専門科目と教養科目の両方が必要で、市役所は政令指定都市などの大規模都市は専門科目と教養科目の両方が必要、田舎の小さな町役場は教養科目のみ、といったイメージになります。

詳細は各自治体のホームページに掲載されています。次に、公務員試験は面接対策も重要です。実は私自身大学在学中の新卒の頃に公務員試験を受けたのですが、筆記試験は複数通過したものの、面接で全て落ちた、という苦い経験があります。

地方公務員は面接の比重が高いですが、国家公務員は筆記試験の倍率の方が高いです。そのため私は面接対策にあまり力を入れず、公務員試験の面接対策本に載っているような内容をそのまま話しました。

非常に表面的な面接になっていたかと思います。その結果、面接ですべて振り落とされました。参考までにどこの試験を受けたのか、記載できる範囲で記載しておきます。

・裁判所事務官
・国税専門官
・国家二種
・某政令指定都市
・某田舎の市役所

私はこれらの筆記試験を通過したので、どれかは面接も通るだろう、と高をくくっていました。そして面接対策を怠った結果、すべて面接に落ちたのです。ちなみに、国家二種とは現在の国家一般職です。

私が受験した頃は国家二種という区分でした。また国家一種、現在の国家総合職も受験しましたが、そちらは筆記試験で全然点数が足りずあっさり落ちました。国家総合職はやはり筆記試験も難しいということです。

私の場合公務員試験に落ちてその後SEになったためSEから公務員試験を受けるのとは順序が異なりますが、公務員試験とSEの両方を経験したという意味では多少の参考にはなるかと思います。

SEになってから公務員試験を再度受け直そうとは思いませんでしたが、公務員試験に合格していたらSEにはなっていなかったでしょう。今となっては公務員試験に合格していたらどうなっていたのかはわかりませんし、未練はまったくありません。

私の年齢的にまだ受験することは可能ですが、その気はまったくありません。ただ一つ言えることは、私のように面接で全廃したくなかったら、面接対策に力を入れるべきということです。

特にSEとして社会人経験があれば、なおさら面接官の目は厳しくなるかと思います。新卒よりもきちんと自己PRや志望動機を語れて当然と思われるため、ハードルもある程度高くなるでしょう。

新卒のハードルの低い面接試験で全廃した私が偉そうに書くことでもないかと思いますが、SEとしての経験や、そこからどうして公務員を目指そうと思ったのか、きちんと自分の言葉でまとめられるようにしておいた方が良いです。

私は建前ばかり言って落ちたのですが、だからといって本音ばかりを言っても多分落ちます。なので、建前と本音をうまく折り合わせて、信憑性を高めつつも印象の悪くない面接ができると良いですね。

あと筆記試験の難易度はそれなりに高いかもしれませんが、SEの勉強量に比べるとまだ楽かと思います。

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