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SEは離職率の高い職種の一つです。世間のイメージではブラック企業が多い、長時間労働、低賃金、といったイメージかと思います。これも一部事実なのですが、もちろんすべてではありません。
また、たとえば実際にその企業がブラック企業だったとして、SEは会社になんと言って辞めるのでしょう。さすがに、ブラック企業だから辞めたい、とそのまま言うのは難易度が高いです。
そこで今回は、SEが退職する際の本音と建前を紹介します。
SEの退職理由の本音
まずは、SEが退職する際の本音の方を紹介します。本音なので、退職時に周囲に説明する理由ではなく、SEの本心です。それは、以下のようなものになります。
・残業代不払い、長時間労働などブラック企業だから。
・SEの仕事が合わないと感じたから。
・体調を崩したから。
・もっと待遇の良い企業を見つけたから。
・フリーランスとして独立したいから。
・他にやりたいことがあるから。
だいたい上記に集約できるかと思います。まず、世間のイメージ通りブラック企業だから会社を辞めたい、といった事例は多いです。特にSIerの場合そもそも多重請負という違法な労働形態で成り立っていることもあり、割とずさんな管理をしている企業も多いです。
残業代を支払わない、納期前は徹夜も当たり前、といった企業は今でも多いです。SEは生産性が人によって大きく異なる職業なのでみんなに等しく賃金を支払うのが難しいのも事実ですが、法律に抵触する場合はやはり問題があります。
ブラック企業だから辞めたいというSEは多いですね。次に、SEが合わないから辞めたい、というケースもかなり多いです。SEは人手不足なので適性をきちんと見ずに採用してしまうことも多いですが、実際のところSEはかなり向き不向きがあります。
まずSEはパソコンに向かって長時間試行錯誤しなければならないことが多いため、これが苦痛になると耐えられません。「毎日パソコンの前で何時間も考えることに疲れた」「閉鎖的な空間に耐えられない」といった理由でSEを辞める人はかなり多いです。
しかも、納期付きで上記のような状況に陥ります。つまり、脳や体が作業を拒絶しているにも関わらず、早く作業を完成させなければならない、といった状況になり、結果体調を崩してしまう人も多いのです。
労働環境が厳しいことや、自分のSE適正に疑問を感じることもあり、最終的に体調を崩す、といった複数の要素が絡み合って退職するケースもあります。次に、もっと待遇の良い企業を見つけて退職するケースもあります。
SEはスキルアップに応じて選べる企業が増え、今よりも良い待遇の企業が目に入ることも多いです。せっかく働くならやはり待遇が良いに越したことはないので、十分に退職理由になります。
次に、フリーランスとして独立するから退職したい、というケースも多いですね。今の時代フリーランスで仕事を獲得しやすい状況で、一定以上のスキルを身に付ければ個人で充分やっていけます。
なかには、最初からフリーランスになる前提で、武者修行としてSEになる人もいます。最後に、他にやりたいことがあるから辞める、というケースもあります。このやりたいことというのも人それぞれですが、他の仕事の場合もあれば、そうでないこともあります。
営業職やマーケティング職など他の職種に転職する人もいれば、世界一周旅行に行く、しばらく休む、といった人もいます。
SEの退職理由の建前
上記のような理由で退職する人が多いのですが、もちろんすべてそのまま退職理由として会社に伝えるわけではいきません。そのまま本音を伝えてしまうと、軋轢が発生したり、引き留められてしまうケースもあるでしょう。
たとえば、会社がブラック企業だから辞めたい、という発言は当然軋轢を生みます。会社側に自覚があるにしてもないにしても、反論される可能性が極めて高いです。「よその会社も変わらない」「お前みたいに社会を舐めている人間はどこに行っても同じだ」など、退職希望者の価値観を否定して、会社を正当化するかもしれません。
他には、SEが合わないという理由で退職しようとすると、「もう少し頑張ってみないか」「最初はみんなできないけど慣れれば問題ない」といったことを言われるかもしれません。正論なのですが、退職希望者本人が強く退職を望んでいる場合、これらの説得は無意味です。
交渉が長引くことは退職希望者にとってメリットがないので、なるべく交渉の余地を与えない退職理由を伝えた方が良いでしょう。それでは、具体的にどのような退職理由が建前として適切なのでしょうか。以下のようなものが挙げられます。
・他にどうしてもやりたいことがあるから。
・フリーランスでいろいろな仕事に挑戦したいから。
・在宅で家族との時間を持ちたいから。
以上のような建前が考えられます。共通点としては、問題点ではなく目標や目的の方を強調することです。会社の問題や自分の問題を理由にすると、どうしても問題を解決するためのプランを提案されてしまいます。
そうではなく、目標や目的を伝えれば、会社側は交渉しにくくなるのです。目標や目的を伝えた場合問題ではないため、解決策を提案することはできなくなります。できることと言えば、もう少し待ってくれないかといった交渉か、代替案の提示くらいでしょう。
ただしなかなか代替案を出すのは難しいので、結果的に退職希望者が有利になります。退職理由の建前としては、現状の問題ではなく退職後のプランを中心に話すということです。そうすることで会社側は交渉しにくくなり、なおかつ否定するのも難しくなります。
本当の退職理由がネガティブなことであっても、なるべくポジティブな退職理由に置き換えることをおすすめします。ちなみに、これは再就職のための面接でも同じです。ネガティブな退職理由を伝えてしまうと、また辞められるかもしれない、不満を持ちやすく不満があるとすぐに辞めてしまう人なのかもしれない、といった印象を持たれます。
ポジティブな発言をすることで、この人は前向きに仕事に取り組んでいる、常に企業や自分自身の成長のために努力できる、といった印象になります。退職時も就職時も、たとえ嘘でも前向きな発言を心掛けましょう。