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無茶なスケジュールに膨大な仕事量、そして安い給料…。下請けSEなんてやってられない!と思っている方も多いのではないでしょうか。
今回はそんな方に向けて、下請けSEから脱出する方法をご紹介します。
三次請け⇒二次請け⇒一次請けと少しずつキャリアアップ
ほんの一握りの大手SIerを頂点とし、その下に多数の二次請け・三次請け企業が連なるSI業界。まるでピラミッドのような構造になっているため、「SIピラミッド」などと呼ばれることもあります。
大手の一次請け企業が担当するのは、クライアントと直接やり取りをして仕様などを固める、「上流工程」です。
一方、コーディングやテストなどの「下流工程」を担当するのが、二次請け、三次請け、四次請けなどの下請け企業。ピラミッド構造の下に行けば行くほど収入が低くなりますし、上からの指示に従い単調な作業を繰り返すことがほとんどなので、やりがいも感じにくいでしょう。
そのため、「一次請けに転職したい!」と思っている方も多いはず。しかし、三次請け以降のSEがいきなり一次請け企業に転職するのは、かなり難しいといえます。三次請け以降のSEが担当するのはコーディングやテストですが、一次請け企業のSEが行うのは、要件定義や設計などの上流工程です。そのため、いくら三次請け企業で経験を積んでも、一次請け企業のSEとして必要なスキルはなかなか身に付けることができません。
しかし、一次請け企業に近い二次請け企業なら、クライアントとの打ち合わせに参加したり、設計などの上流工程に携わったりすることもあります。二次請け企業で上流工程の経験を積んでおけば、一次請け企業へ転職しやすくなるでしょう。
下請けSEから脱出するためのポイントは、三次請け⇒二次請け⇒一次請けと、少しずつキャリアアップすることです。IT業界は転職が多い業界であるため、多少転職の回数が増えたとしても、あまり問題はありません。ただし、同じ三次請け企業で何度も転職をしていては意味がないので、自分の知識や技術を高められる企業に転職するようにしましょう。
SI業界自体から抜け出すのもおすすめ
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ピラミッド構造のSI業界は、一次請け企業もしくは上流工程に携われる二次請け企業に転職できない限り、なかなか労働環境が改善しません。また、一次請け企業に転職した場合は、クライアントとの折衝やドキュメント作成などが主な業務となるため、技術者らしい仕事はできなくなります。
下請けSEから脱出したいけど一次請け企業にも魅力を感じない…という方は、SI業界自体を抜け出した方が良いかもしれません。
例えば、技術者としてスキルを磨きたい方には、「WEBエンジニア」への転職がおすすめです。WEBエンジニアとは、WEBサイトのアプリケーションなどを開発する仕事のこと。ドキュメント作成がメインの一次請けSIerとは異なり、技術力が重視されている業界です。
また、上下関係がはっきりしているSI業界とは違い、社員同士がフラットな関係であることも特徴として挙げられます。ただし流れの速い業界であるため、最新の技術を積極的に学ぶことが大切です。
そのほか、今よりもゆとりのある環境で働きたい…という方には、「社内SE」への転職もおすすめです。クライアントからシステム開発を受注するのではなく、自社システムの企画・開発・運用などを担当するので、比較的納期に追われずにゆったりと働くことができるでしょう。
ただし社内SEの場合、開発は外注し、外注管理や他部署との調整などがメイン業務になることも多いようです。開発そのものに興味がある方は、やりがいを感じられない可能性もあるでしょう。
フリーランスという選択肢も
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組織に属さずもっと自由に働きたい!という場合には、フリーランスとして独立する選択肢もあります。自分の実力次第なのでリスクはありますが、うまくいけば会社員時代よりも大きく年収をアップさせることが可能です。ただし、フリーランスSEの場合は要件定義から設計、開発、テストまで全て自分1人で行わなければなりません。SEとして少なくても2~3年、できれば5年以上の経験が必要だといえます。
また、「どのように仕事を得るか」もフリーランスとして重要なポイントです。できれば会社員時代に人脈を広げ、仕事を受注できるような関係を築いておくと良いでしょう。
しかし、個人ではなかなか新しいクライアントを見つけにくいですよね。
そのようなときは、「フリーランス専門のエージェント」や「クラウドソーシングサービス」を利用すると良いでしょう。出向型の案件ならエージェントが、在宅型の案件ならクラウドソーシングサービスがおすすめです。
このように、フリーランスを支援するサービスも増えてきているため、昔よりも独立のハードルは低くなっているかもしれません。
自分のキャリアプランに合わせた転職を!
下請けSEから脱出する方法として、3つのプランをご紹介してきました。
SI業界でキャリアアップしたいのか、SI業界自体から抜け出したいのか、そもそも会社という組織から抜け出したいのか、よく考えて転職プランを決めましょう。
また、独立の場合はある程度の経験が必要ですが、転職の場合は年齢が若い方が有利です。より良い環境で働くために、早めに転職活動を始めましょう!