SEからコンサルトに転職する人は数多いです。そのほとんどがITコンサルタントですが、上流工程志向の人が最終目標として掲げるのが一般的です。IT業界には大きく分けると技術志向の強い人と出世や上流工程といった立場的なステップアップを目指す人がいますが、ITコンサルタントを目指すのは後者です。

大手Web企業や大手SIerではITコンサルタントでなくても管理職のポストが用意されていますが、中小企業やベンチャー企業のSEが上流工程を目指すのであれば、ITコンサルタントはかなり狙い目です。

SEの管理職よりもITコンサルタントは上流工程に位置しますが、中小企業やベンチャー企業のSEにとっては管理職よりもむしろ狙いやすい職種なのです。
今回は、なぜSEにとってITコンサルタントが狙い目なのか、転職するためには何をすべきか、といったことを解説していきます。

SEからITコンサルタントへの転職が狙い目である理由


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コンサルタントにはいろいろな種類があり、専門分野によって様々な呼び名があります。たとえば、ITコンサルタント、経営コンサルタント、教育コンサルタント、財務コンサルタント、ラーメンコンサルタント、などです。

〇〇コンサルタント、という呼び名は法律等で明確に定義されているものではないため、基本的には何を名乗っても問題ありません。一見すると会計コンサルタントや税務コンサルタントは資格が必須のように思えますが、名乗るだけなら無資格でも問題ありません。

業務上資格が必要な業務を無資格で行うと逮捕される可能性もありますが、無資格でも可能な範囲で業務を行うのであれば、どのようなコンサルタントを名乗っても問題ないのです。もちろん、資格を持っているかのように虚偽表示するのはNGです。

結果的に数えきれないほどの名称のコンサルタントが誕生しており、ITコンサルタントもそのうちの一つです。SEからコンサルタントへの転身であれば、ITコンサルタントを目指すのが一般的でしょう。

似たようなものにWebコンサルタントがありますが、WebコンサルタントはどちらかというとWebマーケティングやSEO対策、Webサイトの収益化などのコンサル業務を行うのが一般的です。

システム的なコンサルトとは少しずれるので、SEとしてのITスキルを活かすのであればITコンサルタントがベストです。SEから上流工程を目指す方法としては今より大手企業のマネジメント業務を狙うか、ITコンサルタントを狙うかが一般的な戦略となりますが、実はITコンサルタントの方が狙い目です。

理由としては、大手企業のマネジメントは主に新卒採用から育てた社員に割り当てられるポストだからです。IT業界でも大手企業は良くも悪くもその企業のカラーがあり、内部ルールや内部政治の色合いが比較的強めです。

私自身日立の関連企業に所属していた経験がありますが、日立に限らず大手SIerでは特にそういった状況を肌で感じました。たとえば飲み会やゴルフ接待で上に気に入られる、といったことが重要な部分があり、そうすることで出世してプロジェクトの重役や社内の管理業務を任されます。

コミュニケーションやITのスキルだけでそこに入っていくのは難しい部分があり、やはり新卒から長年働いていた人が有利です。そもそもIT業界の大手企業は中途採用をあまり行っていない傾向があるため、中小企業やベンチャー企業から転職するのは難しいです。

かといって中小企業やベンチャー企業は技術志向が強いので、マネジメント側のポストをあまり用意していません。また仮にマネジメントを担当しても、期待しているほどの待遇を得られるわけではないでしょう。

そこで上流工程を目指すのにおすすめの方法が、ITコンサルタントを目指すということです。ITコンサルタントには様々な業態があり、大手企業からフリーランスまで働き方は自由度が高いです。

SEの上流工程は大手企業の独占傾向が強く中小企業やベンチャー企業が入っていくスペースがほとんどないのですが、ITコンサルタントであれば様々な形で市場に参入できます。どの業界、企業も何らかのシステムを利用しているため、常に需要もあります。

ITコンサル業界は大手企業が市場を独占しているわけではないので、中小企業やベンチャー企業のSEが転職するにも非常に狙い目と言えるでしょう。

SEからITコンサルタントに転職するためにすべきこと


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SEからITコンサルタントへの転職が狙い目とは言え、何から始めて良いかわからない方も多いかと思います。SEのなかでも詳細設計~テスト辺りを担当していた方は特に今後の方向性が難しく、要件定義~基本設計辺りを担当されていた方でも明確なプランは未定かもしれません。

なぜなら、SEのなかで上流工程である要件定義でも基本的に上から降りてきた仕様の大枠に従って進めているからです。最初に顧客にアプローチしているのは営業やITコンサルタントで、そこで大枠が固まってから要件定義のフェーズに入ります。

要件定義を担当しているSEでもクライアントへのファーストアプローチは経験していないため、ITコンサルタントの業務のイメージが湧かない、転職するに当たって何を身に付ければ良いかわからない、といったことが起こるのです。

しかし、実はスキルとしてはそれほど大きく変わるわけではありません。クライアントに対して最初のアプローチを行うという点ではSEとITコンサルタントでは役割が異なりますが、要件定義やレビューのスキルが確実に生きるということです。

どのようなシステムを提案するかにもよりますが、突拍子もない提案を行うわけではなく、その企業が持っている資産やエンジニアのスキルに合わせた提案を行います。できることとできないこと、クライアントの問題点を洗い出して仕様をまとめていく、といった考え方で言えば要件定義とさほど変わりません。

また下流工程のエンジニアも自分の担当分のレビューをしたり仕様上不可能な点をプレゼンしたりする機会があるため、大枠ではそれほど変わらないと言えるでしょう。もっと言えば、SEとしての技術力はITコンサルタントになっても生きてきます。

ITコンサルタントのなかには技術力をコミュニケーションスキルで補う形で業務を進めている人もいますが、SEのバックグラウンドがあれば技術力については勝っている点が多いでしょう。

技術的な理解がある前提で提案力を磨いていけば、最初からコンサルタントに特化してきた人よりも最終的に良いコンサルタントになる可能性も高いです。なので、まずはSEとしての技術力をより磨き、それと同時にITコンサルタントの業務、ITコンサルタントがコンサルティングを行っている業界についてリサーチしていきます。

リサーチ結果をもとに自分に足りない技術知識や転職の戦略を固め、実行に移していくことで転職に成功します。ちなみにITコンサルタントを目指す上ではコミュニケーション能力が重要ですが、それは一朝一夕で身に付くものでもないですし、なおかつコミュニケーションスキルというものは非常に抽象的です。

抽象的なものを追い求めてもゴールが見えずに非効率なので、具体的につぶせる部分からつぶしていくことをおすすめします。ITコンサルタントが行っている業務内容のリサーチや、コンサルティング対象の業界、利用しているシステムなどはリサーチすれば確実にわかることで、コミュニケーションスキルを磨くよりも効率的です。

その知識とSEとして培ったスキルをすり合わせて応募資料を作成し、面接に臨めば話の内容も深まります。話の内容が深まれば面接でのコミュニケーション能力に結びつくので、漠然とコミュニケーション能力を磨こうとするよりも、具体的にリサーチして資料作成や面接対策を行うことをおすすめします。

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