社会人の基本と言えば? という問いを投げかけた時、真っ先に出てくる回答の一つに「ホウレンソウの大切さ」が挙げられることでしょう。

ホウレンソウとは「報連相」、つまり「報告」「連絡」「相談」のことであり、仕事を円滑に進める上で必要な三大原則を纏めた言葉です。この原則さえきちんと守っていれば、大きな問題が発生してもすぐに周囲がフォローできるので、最小限の労力でトラブルを片付けることが出来ます。

ですが、全ての人がこの基本を同じようにこなせるわけではありません。中にはどうしてもホウレンソウが苦手な部下もいて、上司の方も頭を悩ませていることでしょう。

どうにか改善してもらう方法がないか、いくつかの選択肢を検討してみましょう。

 

「報告」を改善してもらうには

「報告」は、作業の進捗や調査結果を連携してもらうことであり、スケジュール管理をする上で無くてはならない情報です。

報告が苦手な部下は責任感が欠如しているのか、と言えば、そうとは限りません。報告すべき頻度や粒度が分からず、「上司に逐一話しかけるのは迷惑ではないか」と遠慮しているケースもあります。他にも経験不足から仕事全体の総量が把握出来ておらず、進捗遅れに気づいていない可能性も考えられます。

対策として、以下のようなことを試してみてはいかがでしょうか。

初めは上司側が進捗確認をする

一日のうちに何度も細かく進捗確認をし、報告の頻度や粒度を体感させ、ちょうど良い感覚を身につけてもらいましょう。

 

一日単位の進捗表を用意する

仕事の総量を具体的に可視化してやり、それに対する進捗の感覚を学んでもらいましょう。

 

「連絡」を改善してもらうには

「連絡」はチームメンバーへの連携や会議のスケジュール調整など、情報共有を行う作業です。これが苦手な人は、要点を纏めるのが下手だったり、あるいはメールの返事が遅く、情報伝達が疎かになっている方々です。

こうした人への対策として有効なのが、以下のような方法です。

箇条書きを活用させる

複雑な情報を連携するコツは、箇条書きを活用することです。要点を纏められない人は、全てを文章で説明しようとする傾向があるので、これを心がけるだけでも劇的に改善されます。

 

メールやチャットは即返しの習慣をつけさせる

受けた連絡に対してすぐに返事をする習慣がつけば、きめ細かい連絡がいかに大切か、肌で覚えてもらうことが出来るでしょう。

 

「相談」を改善してもらうには

「相談」は疑問点・不明点に対する質問や、納期が間に合わない時の対処をする作業です。相談が苦手な人には、概ね「上司に対して話しかけるのが怖い」または「自分の中で問題を認識出来ていない」という2つの傾向が見られます。

これらに対する改善策には、以下のようなパターンが挙げられます。

コミュニケーションを取りやすい雰囲気を作る。

上司と部下という関係は、どうしても距離を感じてしまうものです。特に新入社員は緊張してなかなかその距離を詰められないため、上司から積極的に声をかけ、相談しやすい雰囲気を作りましょう。

細かく理解度を確認する

進捗確認で「順調です」と答えていても、問題点が分かっていない、見逃しているだけという可能性があります。仕様をどこまで理解しているか確認してあげれば、不安材料もなくなります。

 

残業前提のスケジュールはNG

納期の遅れを相談しない部下の場合、残業前提のスケジュールで考えているのかも知れません。そんなスケジュール感ではトラブル時に対応出来なくなるため、ギリギリになってから「納期に間に合いません」と言ってくる場合もあります。そうならないよう、残業前提で考えてはいけないことを伝えてあげましょう。

基本知識も教育するべき

ホウレンソウが社会人としての基本であることは間違いありませんが、だからと言って誰もが最初から出来るとは限りません。むしろ基本だからこそ、初めは懇切丁寧に教えてあげる必要があります。

設計書やコーディングを教えるばかりが上司の仕事ではありません。部下の社会人としての土台を築き、一人前にしてあげることこそ、優れた上司の在り方だと言えるでしょう。

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