会社から、情報処理技術者試験を受けるように指示されたものの、「勉強をしている時間がない」とすでに諦めてしまっている方もいるのではないでしょうか?

しかし、勉強方法さえ押さえておけば、仕事が忙しい方でも、働きながら情報処理技術者試験に合格することは可能です。

今回、情報処理技術者試験の概要と、その効率的な勉強方法をお教えいたします。

 

情報処理技術者試験について

試験概要

情報処理技術者試験とは、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施している国家試験です。
IPAのサイトには、「情報システムを構築・運用する『技術者』から情報システムを利用する『エンドユーザ(利用者)』まで、ITに関係するすべての人に活用いただける試験」と書かれています。
現代社会において、何のシステムも利用していない方はいないと思われるので、事実上すべての人が取得を目指してよい資格といえるでしょう。

難易度

情報処理技術者試験の難易度は、4段階に分かれています。難易度の低い順に記載すると、以下の通りです。

  • レベル1:ITパスポート試験
  • レベル2:情報セキュリティマネジメント試験、基本情報技術者試験
  • レベル3:応用情報技術者試験
  • レベル4:高度情報処理技術者試験(ITストラテジスト試験、システムアーキテクト試験など)

「情報処理安全確保支援士試験」は情報処理技術者試験に含まれませんが、難易度としてはレベル4の各試験と同様とみなされています。

合格率は、ITパスポート試験と情報セキュリティマネジメント試験がおおむね50%、それ以外の試験は20%以下で、試験レベルに応じて難しくなっていきます。

ただし、仕事の都合などで勉強時間が取れなかった方、そもそも試験を受けられなかった方も含まれるので、きちんと勉強して試験に臨めば、決して合格は難しくありません。

スケジュール

試験は、春期(4月の第3日曜日)と秋期(10月の第3日曜日)の年2回、全国各地の大学や貸会議室などを会場にして行われます。

レベル4の一部の試験は、春季または秋期の1回のみです。また、ITパスポート試験はいつでも受験することができます。

 

出題内容・形式

情報処理技術者試験では、特定の会社のシステムやプログラミング言語に依存しない、ITに関する総合的な知識を問う問題が出題されます。

今回は、選択式の午前試験と記述式の午後試験に分かれている、レベル2以上の試験の勉強方法について解説しています。

選択式の問題だけが出題されるITパスポート試験を受けられる方は、下記の「午前対策」の部分をお読みください。

 

効率的な勉強方法

午前対策

通勤中などの空き時間を利用する

選択式である午前試験の勉強は、まとめて行うよりも、すきま時間を利用して少しずつ行っていくとよいでしょう。
電車での通勤中、会社での休憩中など、5分もあれば充分。仕事が忙しい平日でも、こうした時間を活用すれば意外と勉強時間を確保できるものです。

 

WEBサイト、アプリを使う

午前試験の勉強は、1つずつ問題を出題してくれるWEBサイトやスマートフォンのアプリを使うのが効果的です。

最初は分からなかった問題も、解説を読んで何回も繰り返していけば解けるようになっていくでしょう。

答えを丸暗記してしまわないよう、出題順や選択肢をランダムに並び替えてくれる機能があるものを利用すると便利です。

 

参考書を読む

もし試験日まで時間があるのであれば、参考書を買って勉強するとよいでしょう。

WEBサイトやアプリで出題されるのは、過去の情報処理技術者試験で実際に出題された問題がほとんど。

過去問を解くだけでは、まったく別の問題が出てきたときに対応が難しくなります。暗記ではなく、なぜこの答えになるのかまで考えて、体系的に理解する必要があるということです。

 

午後対策

休日や、出勤前の時間を利用する

長文の設問を読んで答えを書かなければならない午後試験の勉強は、ある程度まとまった時間を確保する必要があります。

とはいえ、家に帰ってから取りかかろうと思っても、仕事でヘトヘトに疲れてしまっている状態では勉強にも集中できませんよね。

そこで、休日にまとめて行うか、朝起きてから出勤するまでの時間を活用するのをおすすめします。

特に朝は、眠っている間に疲れが取れて頭がスッキリしているため、何かの勉強をするのに最適な時間帯です。勉強した勢いそのままに、仕事に取りかかれる効果も期待できるでしょう。

 

ひたすら過去問を解く

午後試験に関しては、実際の試験と同じ時間で過去問をひたすら解いていく勉強方法をおすすめします。問題文と解答は、IPAの公式サイトからダウンロードできます。

午後試験の時間は、ひと区切りあたり90分~150分。一見すると長そうな気がしますが、いざ過去問を解いてみると、むしろ時間がまったく足りないと感じるでしょう。

限られた時間の中で、複数出題される問題の中から、解きやすそうな問題を瞬時に判断して解いていく。その時間間隔を養うためには、参考書よりも実際の過去問の方が効果的なのです。

 

まとめ

  • 午前試験は、空き時間を利用してWEBサイトやアプリの問題を解く
  • 午後試験は、休日や朝の時間を利用してひたすら過去問を解く

試験区分によって出題内容は異なりますが、どの試験でも以上の要領で勉強していけば合格に近づけるはずです。

僭越ながら筆者も、この勉強方法で、SEとして働きながらITパスポート、基本情報技術者、応用情報技術者、情報セキュリティスペシャリスト(現:情報処理安全確保支援士)の資格を取得しました。

試験に合格すると、勉強して得た知識が仕事に役立つのはもちろん、会社から報奨金が支給されたり、転職時のアピールポイントになったりするなどのメリットもあります。この記事を参考に、ぜひ合格を目指してください。

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