第二新卒者の転職先として人気が高いのが、IT業界。
業界側も慢性的な人手不足に悩まされており、基本的なビジネスマナーを身につけている第二新卒者を積極的に採用しようとしている企業も増えています。
そこで今回は、IT業界未経験の第二新卒者が、SE(システムエンジニア)に転職するための方法を解説していきたいと思います。
なぜIT業界が狙い目なのか?
IT業界は、慢性的な人手不足
私たちの生活は今、「システム」と切っても切り離せない関係にあります。
例えば、あなたがこの記事を読んでいるパソコンやスマートフォンも、システムの集合体といえます。
そのシステムを設計、開発するSEの需要は、今後ますます増えていくことでしょう。
一方、そうした需要に、供給がまったく追いついていないのがIT業界の現状です。
仕事がきつい、残業時間が多いなどの理由から退職してしまう人も多いため、IT業界は慢性的な人材不足という問題を抱えているのです。
そのため、たとえ未経験の第二新卒者の方でも、IT業界に転職できるチャンスは高いといえるでしょう。
企業側も、人手が足りていないのは百も承知なので、未経験でもまずは採用して、入社後の研修や実務を通じてスキルを磨いてもらえばいいと考えているはずです。
第二新卒者に、専門的なITスキルは求められていない
「IT業界には興味があるけど、プログラミングは全然したことがない」と尻込みしている方もいるかもしれません。
もちろん、SEとして仕事をしていくためには最低限のプログラミングスキルは必要ですが、それよりも重要なのは、「コミュニケーション能力」や「ユーザー目線に立ったシステム設計力」です。
基本的なビジネスマナーがあるか。クライアントが抱えている問題点を聞き出せるか。今のシステムがもっと使いやすくなる修正方法を考え、提案できるか
そうした能力は、IT業界以外の会社で働きながらでも鍛えられるはずです。
専門的なITスキルは、転職してから勉強を始めても遅くありません。
SEに転職するために必要なスキル
フレッシュさ・ポジティブさ
IT業界未経験の第二新卒者が高度なITスキルを持っていないことは、企業側も分かっています。
求められているのは、新卒者に負けない「やる気」と、新卒者が持っていない「ビジネスマナー」です。この2点を、積極的にアピールしていきましょう。
一方、第二新卒者は「新卒で入った会社をすぐに辞めた」という目で見られてしまうのも事実。
もし採用しても、またすぐに辞めてしまうのではないか? という採用担当者の疑念を、面接の場で払拭する必要があります。
あくまでも前向きな退職であること、新しい会社ではSEとして長期的なキャリアを築くつもりであることを伝えましょう。
プログラミングスキル
高度なITスキルは不要だとしても、基礎的なプログラミングは転職前に勉強しておくことをおすすめします。
入社してからの研修や業務にもスムーズに取りかかれますし、何より本気でIT業界に転職しようとしているという証にもなるからです。
プログラミングスクールに通うのもひとつの手ですが、簡単なプログラミングであれば独学でも充分に習得できるでしょう。
おすすめの言語は、どの企業のシステムでも使われている割合が高いJavaやC言語。
特にJavaは、Androidアプリの開発言語でもあるため、スマートフォン向けアプリを開発している会社に転職しようとしているのであれば、勉強しておいて損はありません。
同じ理由で、iOSアプリの開発言語であるSwiftやObjective-Cも狙い目です。
資格
IT関連の資格も入社前に取得しておくと、企業側へのアピールにつながります。
前述したプログラミング言語のベンダー資格も有用ですが、受験料が数万円と高額であるため、なかなか手が出しにくいかもしれません。
そこでおすすめしたいのが、国家資格である情報処理技術者試験。こちらは年に2回試験が行われていて、受験料も5,700円(2018年時点)と比較的安めです。
受験者のITスキルによって試験が分かれているため、未経験の方は、最も簡単なレベル1の「ITパスポート試験」か、レベル2の「基本情報技術者試験」を目標にするとよいでしょう。
基本情報技術者試験は、合格率約20%と難易度が高いように見えますが、不合格になった人の中には、仕事が忙しくて受験できなかった人なども含まれます。
実務は未経験でも、きちんと勉強して試験に臨めば、合格は決して難しくありません。
まとめ
高度なプログラミングスキルが求められるプログラマーと違い、SEの仕事は設計書の作成やクライアントとの打ち合わせなどがメインになります。
ITスキルはもちろん、コミュニケーション能力や、論理的思考力が求められる職業だといえるでしょう。
そのため、前職でこうした能力を身につけておけば、業界未経験の第二新卒者でも充分にSEに転職することが可能です。
また、IT業界は人手不足の状態にあるため、一度転職してITスキルを習得できれば、将来的に業界内での再転職や独立を行うときも有利になります。
今回ご紹介した内容を参考に、納得のいく転職活動を行ってください。