過剰な残業で有名なSE業界の中でも、月200時間という残業時間は、本当に大炎上したプロジェクト特有のものでしょう。

一か月の合計労働時間でいうと360時間の勤務となります。

普通の企業は月の所定時間がおよそ160時間ですから、軽く倍以上働いていることになりますね。

厚生労働省の定める過労死ラインが80時間であることを考えると、これがどれほどの異常事態かは言うまでもありません。

そんな現場に放り込まれてしまった場合、どんな生活になるのか、その実態を公開します。

 

休日は月に1日あるかないか

月合計360時間の勤務時間を30日で割ると、1日平均12時間の労働になります。

これは定時が18時なら、全ての日に22時まで勤務してようやく賄える労働時間ですね。

日数の多い大の月なら1日休めますが、日数が少ない月ではそうもいきません。

休みを1日作るためには、月の半分を23時退社にしなければならず、人によっては終電に乗ることもできなくなります。

当然、日常生活なんてほとんどできません。友人に会うことなどもってのほか。帰宅する頃の時間では本屋や飲食店は営業していませんし、家に帰っても疲れ切って寝るだけの生活です。一人暮らしの場合は深刻で、家事は何一つできなくなります。

どうしても時間を捻出しなければならない時は、徹夜作業での勤務が必要です。

身体を壊さないよう注意しなければならず、肉体的にも精神的にも非常に危険な状態です。

 

業務時間は電話が鳴りっぱなし

残業200時間ものプロジェクトともなると、大幅に進捗が遅れていたり、不具合だらけだったりと、大炎上しているのは間違いありません。

当然、クライアントからの電話は鳴りやまず、刺々しいクレームにずっと応対することになります。

時には何時間も電話応対をすることになり、やるはずだった仕事はさらに遅れるという悪循環。この時間を開発に当てさせてくれとは思うものの、怒るクライアントにそんなことを言えるはずもなく……。

電話応対用の要員を一人置くくらいのつもりでいなければ、このスケジュールを乗り切ることはできないでしょう。

 

専用ルームが用意される

余りにも炎上したプロジェクトのチームには、専用の部屋が用意されることがあります。

全員がその部屋にパソコンごと移動し、他チームとシャットアウトされ、昼と言わず夜と言わず働かなければいけない、地獄の部屋となります。

ここまで来ると、チームメンバーは発言までおかしくなってきます。

以前私がいたチームでは、泊まり込みのメンバーに対し「布団敷きますね」と言いつつ床に段ボールを広げ出す、という笑えない情景が繰り広げられていました。

 

とにかく普通の生活は送れない

月残業時間が100時間程度であれば、なんとか家事をする時間は捻出できます。

しかし、200時間ともなると、本当に仕事と睡眠以外の時間がほとんどなくなります。食事でさえ仕事をしながら取る有様なので、肉体以上に精神への負担が非常に大きいのです。

もしもこんな残業が年に1~2ヶ月続く職場があったとしたら、その職場はすぐに辞めてしまいましょう。

責任感から辞めにくいと思う方もいると思いますが、健康以上に大事なものはありません。十分に注意して、退職の見極めをするようにしましょう。

 

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