社会人として生活を始めてみると、誰もが使える時間の少なさに驚きます。1日の大半を仕事に費やすことになるため、勉強したり、まして社内を良くするための改革なんて、取り組む気にはなかなかなれません。
そんな方々にオススメなのが、会社で委員会を立ち上げてしまうことです。難しいテーマでも、同僚と力を合わせて取り組めば、簡単に解決できることでしょう。
ですが委員会活動は、本業の合間に行う「業務以外の活動」であるため、その性質故に、取り扱うテーマには向き不向きがあります。テーマによっては、自分一人の方が効率よく取り組むことが出来たりもします。
今回は、委員会に相応しい活動内容について、簡単に解説していきたいと思います。
単独でも可能な作業であること
日々の仕事のスケジュールは、同じ部署内であっても、役職や担当によってそれぞれで異なります。そのため全員がピッタリ合わせて時間を空けることは難しく、個人個人でも作業可能なテーマの方が向いています。
例えば、「資格試験対策委員会」などが良い例だと言えるでしょう。個人では空いた時間を使って勉強を進め、その日その日で都合の付く人が集まり、教え合うことで、効率的に勉強することが出来ます。
逆に不向きな例としては、「社内でのアプリ開発練習」などがあります。
例えば新人向けに開発を練習する場を設けることが出来れば、スキルアップには大変役に立ちそうですが、前述のとおり、仕事の忙しさは人によって全く違います。結局、時間の都合をつけやすい特定の人しか参加できず、委員会としての意味を成さなくなってしまうでしょう。
場所を選ばずにできること
上記以外にも、場所を選ばない、どこでも行える作業であることが大切です。
筆者の実体験から一つ例を出してみると、「意見交換委員会」というものがありました。事業所間の垣根を越えて、社内全体の課題に取り組むと言うものでしたが、月一定例でどこかの事業所に集まらなければならない、という非常に手間のかかる制限がありました。
本来の業務に影響が出てしまうため、すぐに立ち消えになってしまいましたが、それも当然のことだと言えるでしょう。
打ち合わせや会議を行う委員会の場合は、もっとファジーな内容である方が、有意義に活動できます。
例えば、社内の結束を高める「交流委員会」などはその代表です。委員会担当者がそれぞれで企画を考えれば、意見交換はメールなどでも十分事足りますので、最小限の負担にすることが可能です。
作業サイクルが短期的であること
委員会活動の条件には、短期で完結するサイクルであることも求められます。前の章でも述べた通り、委員会は業務の合間に行うものですので、長期的に、全ての回に出席することが求められるような内容は向いていません。
悪い例で言えば、「新人講習委員会」などが挙げられます。社員のボトムアップを行うには最適のように思えますが、何ヶ月もの間、毎回出席することは困難です。また、中途採用された新人が途中参加しにくいことも欠点の一つに挙げられますね。
短期完結型の委員会の例としては、「セキュリティ管理委員会」などでしょうか。
毎月ローテーションで担当者を決め、その月々のセキュリティインシデントを纏めたり、社内のOSのアップデートなどを行うなどすれば、効率的に委員会を運営することが出来ます。
委員会内容は吟味しよう
委員会活動を始めよう、という運動を起こすと、必ず上記に挙げたような「聞こえの良いテーマ」を掲げる方がいることでしょう。ですがいくら立派な志の活動だとしても、その運営方法を間違えれば、むしろ業務の邪魔をするだけの存在になってしまいます。
委員会に大切なのは、長く継続して運営できること。そのためにも活動内容は必ず吟味し、無理なく行えることを確認するようにしましょう。